概要

乾汽船株式会社は、外航海運、倉庫・運送、不動産事業を主力とする日本の企業です。主に乾燥貨物船の運航、倉庫管理、物流サービス、不動産賃貸を事業として行っています。創業は1904年で、東京を本拠地としています。

事業内容

  • 連結事業
    • 外航海運:74%
    • 倉庫・運送:12%
    • 不動産:13%

経営陣

  • 代表者名:乾 康之
  • 設立年月日:1925年10月19日
  • 従業員数:185人

業界内での競争優位性や課題

乾汽船は中小型ばら積み船を主力とする外航海運事業で競争優位性を持ち、陸海一貫物流サービスを提供しています。しかし、外航海運は国際通商環境や為替変動の影響を受けやすく、その課題も存在します。

経営陣が掲げるビジョンや戦略

  • 中期経営計画:プラザ勝どきの再開発計画を推進中。倉庫・運送事業の拡大と外航海運事業の効率化を目指しています。

中期経営計画の具体的な施策や重点分野

  • 不動産事業:プラザ勝どきの再開発を推進。
  • 倉庫・運送事業:取扱高の拡大と効率化。

収益モデルや市場ニーズの変化への適応力など

乾汽船の事業モデルは多角化しており、外航海運、倉庫・運送、不動産の各セグメントが収益を牽引しています。市場ニーズの変化に対応するため、特に倉庫・運送事業の拡大と効率化に注力しています。

技術開発の動向や独自性

技術革新については詳細な情報が提供されていませんが、海運業界ではデジタル化や自動化が進んでおり、これらの技術への対応が重要です。

収益を牽引している製品やサービスなど

  • 外航海運:中小型ばら積み船の運航
  • 倉庫・運送:国内物流サービス
  • 不動産:賃貸オフィス・マンション

EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較など

  • EPS(会社予想):24.15円
  • BPS(実績):1,408.29円
  • PER(会社予想):68.78倍
  • PBR(実績):1.18倍

現在の株価1,661円に対して、PERは業界平均の17.2倍を大きく上回っており、割安な水準にあると評価できます。

株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か

直近10日間の株価は1,600円から1,750円の範囲で変動しており、50日移動平均1,444.24円、200日移動平均1,434.76円を上回る水準にあります。52週高値1,752円、52週安値1,064円を比較すると、株価は高値圏にあり、上昇傾向にあります。

売上、利益、キャッシュフロー、ROE、ROAなどの指標を評価

  • 売上高(過去12か月):317.7億円(前年比-12.6%)
  • 営業利益:3657万円(前年比-92.4%)
  • 経常利益:53万円(前年比-96.7%)
  • ROE(実績):14.66%
  • 自己資本比率(実績):49.2%
  • 流動比率:1.96

過去数年で売上高は減少傾向にあり、利益も大幅に減少していますが、ROEと自己資本比率は健全な水準を維持しています。

配当利回りや配当性向の分析

  • 配当利回り(会社予想):0.44%
  • 配当性向:38.02%
  • 年間配当予想:7.25円

配当性向は適度に抑えられており、株主還元は安定しています。

自社株買いなどの株主還元策

詳細な情報は提供されていませんが、自社株買いの情報は見当たりません。

株価の直近の変動傾向(上昇・下降の勢い)

直近10日間の株価は上昇傾向にあり、特に9月9日以降、株価は上昇しています。

株価への影響を与える要因など

主要な要因としては、国際通商環境や為替変動、海運市況の変動が挙げられます。

11. 総評

乾汽船は多角化した事業モデルを持ち、特に外航海運と倉庫・運送事業で競争優位性を持ちます。しかし、外航海運は市況変動の影響を受けやすいため、リスクも存在します。株価は高値圏にあり、PERは業界平均を大きく上回っていますが、割安な水準にあると評価できます。財務面では自己資本比率が健全で、ROEも高い水準を維持しています。

成長性:LTM売上成長率(YoY)や3年CAGRを基準に、売上が伸びていれば高評価(S〜A)、横ばいでB、減少でC〜D

  • 評価:B(売上高は減少傾向)

収益性:粗利率(業界中央値との差を考慮)、営業利益率やEBITDA率を基準に、業界平均を上回ればS〜A、同水準でB、下回ればC〜D

  • 評価:C(利益率は低下傾向)

財務健全性:自己資本比率、流動比率、D/Eを基準に、指標が健全(自己資本比率40%以上など)ならS〜A、普通ならB、弱い場合はC〜D

  • 評価:B(自己資本比率49.2%、流動比率1.96)

総合評価:B
乾汽船は多角化した事業モデルを持ち、特に倉庫・運送事業の拡大に注力していますが、外航海運の市況変動リスクは注意が必要です。株価は高値圏にあり、割安な水準にあると評価できます。財務面では自己資本比率が健全で、ROEも高い水準を維持しています。


企業情報

銘柄コード 9308
企業名 乾汽船
URL http://www.inui.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 運輸・物流 – 海運業

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