小森コーポレーション(6349)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報を基に作成した客観的な企業分析であり、投資助言を行うものではありません。不明項目・非開示はスキップしています。数値は連結、単位は特記なき限り円・百万円。
1. 企業情報
- 概要:印刷機械の専業メーカー。主力はオフセット枚葉機「LITHRONE」シリーズ、デジタル印刷「Impremia」シリーズ、UV硬化技術「H-UV」、品質管理システム(KHS-AI、PDC、PQA等)、紙幣印刷機、パッケージ向け輪転機(CHAMBON)など。アフターサービス、修理・中古販売も展開。
- 事業構成(2026年3月期会社開示の区分に準拠)
- 連結事業:印刷機械製造・販売 77%、修理加工・中古製品販売 23%
- 海外売上比率:69%
- 特徴:印刷機専業で国内首位クラス。枚葉オフセットと紙幣印刷機に強み。欧米向け輸出比率が高く、中国は中古需要も取り込み。
- 上場区分:東証プライム/機械
- 従業員:2,656人、平均年齢 43.1歳、平均年収 713万円
- 本社:東京都墨田区吾妻橋3-11-1
- 代表者:持田 訓
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:枚葉オフセット印刷機で強い存在感を持つ専業トップクラス。通貨(紙幣)印刷機は世界的にも有力。
- 競争環境:欧州系大手メーカーなど強力な競合が存在。価格・技術・サービス体制での競争が継続。
- 競争優位
- 製品幅広さ(オフセット/デジタル/UV/品質管理/通貨・パッケージ)
- アフターサービス比率が高く収益安定化に寄与
- 欧米を中心にしたグローバル販売網
- 課題
- 商業印刷需要の構造変化(デジタル化・紙需要の長期的縮小)
- 地政学・関税の不確実性(特に中華圏/北米政策)
- 受注から売上計上までの長いリードタイムによる景気循環影響
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性
- デジタル×オフセットのハイブリッド提案で顧客の生産性・付加価値を向上
- パッケージ分野、通貨印刷分野など構造的成長・高付加価値領域を強化
- アフターサービス・ソリューション(KP-Connect等)でリカーリング収益の拡大
- 具体策(中期施策の例)
- 新機種投入:LITHRONE GX29 advance、J-throne 29、Impremiaシリーズ
- 生産・運用最適化:KP-Connect Pro(IoT/つながる工場)、品質管理ソリューション群
- 欧州での事業譲受(ロータリーダイツール)によりパッケージ周辺領域を補強(のれん計上あり)
- 販促費・販売費見直し、調達・物流コストの最適化
- 業績見通し(会社計画)
- 2026年3月期 通期予想:売上高 124,500、営業利益 9,100、当期純利益 6,400(百万円)
- 上期(第2四半期累計)で大幅増益計画
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:大型装置の一品受注型(景気循環の影響を受けやすい)+アフターサービス(修理・保守・中古)による安定収益の組み合わせ。
- 構造変化への適応
- 商業印刷の縮小には、パッケージ・通貨・高付加価値短納期対応、デジタル併用で対応
- IoT活用(KP-Connect)で稼働率向上・省力化ニーズを取り込み
- リスク耐性:高い自己資本比率と実質ネットキャッシュ体質により、景気変動や投資局面の耐性は相対的に高い。
5. 技術革新と主力製品
- 技術の独自性
- H-UV/H-UV L(LED)などUV硬化技術
- KHS-AI、PDC、PQA等の自動化・品質管理
- KP-Connectによる工場全体の可視化・最適化(スマートファクトリー)
- 主力/収益牽引
- LITHRONEシリーズ(枚葉オフセット)
- Impremia(デジタル)
- 紙幣印刷機、CHAMBON(パッケージ向け)
- アフターサービス・部品・中古
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,528円、発行株式数 53,478,840株、時価総額 約818億円
- 会社予想EPS 120.62円 → 予想PER 約12.7倍(業界平均PER 16.6倍)
- 実績BPS 2,136.02円 → PBR 約0.72倍(業界平均PBR 1.4倍)
- 予想配当 70円 → 予想配当利回り 約4.58%、配当性向 約50%
- コメント:主要指標(PER・PBR)は業界平均より低い水準。ROE実績 6.3%と併せて資本効率の改善余地が注目点。
7. テクニカル分析
- 株価水準:1,528円は年初来高値1,597円に近いレンジ。50日移動平均線 1,528円付近、200日移動平均線 1,339円を上回る推移。
- トレンド:中長期は上向き(200日線上)。短期は50日線近辺でもみ合い。
- 出来高:本日 8.25万株(直近3ヶ月平均 約12.8万株)とやや低調。
- 信用動向:信用倍率 1.15倍(買い残・売り残ともに前週比増加)で、方向感は拮抗。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高推移:87,623(2022)→ 97,914(2023)→ 104,278(2024)→ 111,050(LTM, 2025)百万円
- LTM売上成長率:約+6.5%(対2024)、3年CAGR:約+8%強
- 収益性(LTMベース)
- 粗利率:約35.6%(39,491/111,050)
- 営業利益率:約6.4%(7,118/111,050)
- EBITDAマージン:約10.6%(11,817/111,050)
- 純利益率:約6.5%(7,248/111,050)
- 直近四半期(2026年3月期1Q):営業利益率 約2.25%(販管費抑制で増益、為替差損等で経常・純利益は減)
- 効率・資本利益率
- ROE 6.3%、ROA 2.6%前後
- 総資産回転率(1Q年換算は割愛)
- 安全性・資本構成
- 自己資本比率:66.8%(前期末)、1Q時点 62.4%
- 有利子負債:1,996億円? → データは19,960百万円(199.6億円)
- 現金等:62,560百万円(625.6億円)、流動比率 2.41倍、D/E 17.6%
- 実質ネットキャッシュ基調(現金>有利子負債)
- セグメント・地域(1Q)
- 売上構成:日本 53%、欧州 21%、その他・中華圏・北米で残り
- 中華圏の減速、欧州パッケージの回復、北米は計上時期の偏りあり
- 特記事項
- 社債発行により固定負債増(約90億円)
- 欧州事業譲受に伴うのれん増(暫定 約12.7億円)
- 特別利益に投資有価証券売却益(1Q 約3.2億円)
9. 株主還元と配当方針
- 配当予想:年間70円(中間35円・期末35円)、変更なし
- 実績利回り:約4.6%(5年平均 4.15%)
- 配当性向:目安 約50%
- 自己株式:期末自己株式数 419,855株(約0.8%)※1Q短信
- 自社株買い:本資料時点で新規の大規模取得は未確認
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:約+32%(β 0.40と低ボラティリティ)
- 直近の値動き:50日線での攻防。年初来高値圏近辺。
- 需給:信用倍率は中立的。売買代金はやや落ち着き。
- 注目イベント
- 決算発表:2025年7月末〜8月初旬予定(1Q実績公表済、資料8/4開示予定)
- 配当権利落ち日:2025年9月29日(予定)
- 市況・政策要因:米国関税動向、中華圏需要、為替の影響
11. 総評
- 事業面:枚葉オフセット・通貨・パッケージ・デジタル・サービスの組み合わせで、構造変化への適応を進める。1Qは売上減ながら販管費抑制で営業段階は増益。地域では中華圏の弱さを欧州・日本が補完。
- 財務面:高い自己資本比率と潤沢な手元資金で安全性は良好。社債発行で資金調達を行いつつ、ネットキャッシュ基調を維持。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均より低位、配当利回りは相対的に高め。資本効率(ROE)の改善と計画達成の進捗が評価の焦点。
- リスク:地政学・関税・為替、投資サイクルの変動、製品引渡時期の偏りによる計上のブレ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+6.5%、3年CAGR約+8%強。1Q単体は減収だが中期で増収基調。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約6.4%、EBITDA約10.6%。1Qは2.25%と変動あり。機械業界の中位水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率62–67%、流動比率2.4倍、D/E約18%、ネットキャッシュ。
参考データ(抜粋)
– 株価関連:株価1,528円、予想PER12.68倍、PBR0.72倍、配当利回り4.58%、最低購入代金 約15.3万円
– 52週レンジ:高値1,597/安値973、50日移動平均1,528、200日移動平均1,339
– 1Q実績(2025/4-6):売上22,538、営業利益507、経常利益627、純利益428(百万円)
– 通期予想(2026/3):売上124,500、営業9,100、純利6,400(百万円)
(本レポートは情報提供のみを目的としています。)
企業情報
銘柄コード | 6349 |
企業名 | 小森コーポレーション |
URL | http://www.komori.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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