DAIKO XTECH(8023)企業分析レポート
DAIKO XTECHは、情報通信機器販売とシステム開発(SIer)を事業の両輪とする企業です。特に製造・流通業向けに強みを持ち、富士通の特約店であるとともに、富士通が筆頭株主となっています。2025年4月1日付で商号を大興電子通信からDAIKO XTECHに変更しました。
1. 企業情報
DAIKO XTECHは、1953年設立の老舗IT企業で、情報通信機器の販売に加え、多岐にわたるソリューションサービスを提供しています。事業構成比率は、情報通信機器が27%、ソリューションサービスが74%(2025年3月期連結)と、ソリューションサービスが収益の中心です。
同社の提供するソリューションには、製造業向け生産管理システム「rBOM」、間接材調達支援システム「PROCURESUITE」、クラウド型WEB-EDIサービス「EdiGate/POST」、専門店向け在庫管理システム「RetailFocus」、セキュリティソリューション「AppGuard」、クラウド型情報配信ソリューション「i-Compass」などがあります。本社は東京都新宿区にあり、従業員数は1,323人、平均年齢は44.9歳です。
2. 業界のポジションと市場シェア
DAIKO XTECHは、情報・通信業セクターに属し、富士通の特約店として同社の情報通信機器やソリューションを取り扱うビジネスモデルを展開しています。筆頭株主も富士通であることから、安定した経営基盤と富士通との連携による事業機会を有していると考えられます。製造・流通業向けに強みを持つ点は、特定の業界知識と顧客基盤を築いている点で競争優位性となります。
直近の決算短信では、事業区分として「コアビジネス」と「重点ソリューション」を掲げており、特に「ソフトウェアソリューション」の受注高および受注残高が大きく増加していることを報告しています。これは、ハードウェア販売の減少という課題がある一方で、ビジネスモデルの変革を進めている状況を示唆しています。具体的な市場シェアに関するデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
DAIKO XTECHは、中期経営計画「CANVAS TWO」(2025年4月~2028年3月)を推進しています。この計画の重点は、事業の「ソフト化・ストック化」への転換です。
* コアビジネス: 既存顧客へのモダナイゼーション(システムの老朽化対策)提案や、製造・流通業向けソリューションにおいて、ハードウェアからソフトウェアサービスへの資源シフトを図り、売上総利益の拡大と利益率改善を目指します。
* 重点ソリューション: 自社プロダクト(rBOM, D-Ever flexなど)を核に、プロダクトライフサイクルを構築し、新規及び既存ソリューションの提供を通じて収益性の向上を目指しています。SaaS型ERPやIoW、セキュリティなどDX関連のソリューションにも注力しています。
* 人的資本投資: 従業員の処遇改善や教育投資を継続し、競争力と生産性の向上を図っています。
商号変更に伴う一時費用や人的資本投資は、直近の第1四半期の費用増の一因となっていますが、これらは戦略推進のための先行投資とみられます。
4. 事業モデルの持続可能性
DAIKO XTECHの事業モデルは、情報通信機器販売とシステムソリューション開発・提供が両輪です。直近の第1四半期では、ハードウェア案件減少により売上が低調でしたが、ソフトウェアソリューションの受注高・受注残高が大きく増加しており、将来の収益源となる可能性があります。
同社はクラウド型サービスやストックビジネス(保守・運用サービスなど継続的な収益)への注力を通じて、安定的な収益基盤の構築と市場ニーズ(DX推進、クラウドシフト、サイバーセキュリティ強化など)への適応を図っています。これは、一過性の機器販売に依存しない持続可能なビジネスモデルへの転換を目指す動きと言えます。
5. 技術革新と主力製品
DAIKO XTECHは、DX推進を支援する様々なソリューションを提供しています。
* インダストリー: 製造業向け生産管理システム「rBOM」、PLMソリューション。
* 業務: 会計ソリューション、クラウド情報配信「i-Compass」、SaaS型ERP「D-Ever flex」。
* DX: IoT/IoW、工場向け設備稼働監視システム(TOS)、ソフトウェアPBX。
* セキュリティ: セキュリティソリューション「AppGuard」。
* ペーパレス: ドキュメント管理「DD-CONNECT」、クラウド型WEB-EDIサービス「EdiGate DX-Pless」、間接材調達支援システム「PROCURESUITE」。
これらのプロダクト群により、顧客企業の業務効率化、コスト削減、DX推進を支援しています。社内ではグループ会社間の開発リソース活用や、組織横断タスクフォースによる新規事業創出・文化変革を推進しています。
6. 株価の評価
現在の株価1,208.0円に対し、会社予想に基づくと以下の指標となります。
* PER(会社予想): 9.25倍
* PBR(実績): 1.25倍
* EPS(会社予想): 130.56円
* BPS(実績): 965.34円
参考として、同業種の平均PERは17.6倍、平均PBRは1.6倍です。現在の株価指標は、PER、PBRともに業界平均を下回っています。
7. テクニカル分析
現在の株価は1,208.0円です。
* 年初来高値:1,238円
* 年初来安値:754円
直近の株価は年初来高値に近づいており、50日移動平均線(1,105.06円)および200日移動平均線(954.17円)を上回って推移しています。これは、株価が比較的上昇トレンドにあることを示しています。現在の株価水準は、年初来安値から大きく上昇しており、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 過去12ヶ月の売上高は420.3億円です。
- 2026年3月期第1四半期の売上高は90.85億円で、前年同期比△6.8%の減少となりました。これは主に大型PC案件などのハードウェア売上減少によるものです。
- 通期の会社予想は430億円(前期比 +0.7%)と微増を計画しています。
利益:
- 過去12ヶ月の営業利益率は△1.67%、当第1四半期では△1.67%の営業損失となりました。前年同期は2.88億円の営業利益でした。
- 売上総利益も前年同期に対し減少しており、これはハードウェア販売減少と利益率の高い案件の減少が影響しています。
- また、商号変更に伴う一時費用や、人的資本投資(処遇改善・教育投資)の増加が販管費を押し上げ、利益を圧迫しました。
- 通期では24.5億円の営業利益を予想しており、第1四半期の損失は一時的なものと会社は説明しています。
- ROE(実績)は13.82%、ROA(過去12か月)は4.66%と、比較的高い水準を維持しています。
キャッシュフロー:
- 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は未作成のため詳細は不明ですが、直近四半期末の現金及び預金は95.20億円と、前期末から増加しています。
財務健全性:
- 自己資本比率(実績)は47.2%(直近四半期末46.4%)と、健全な水準です。
- 流動比率(直近四半期末)は216%と高く、短期的な支払能力は良好です。
- 総負債対資本比率(Total Debt/Equity)は16.92%と低く、有利子負債は少ない状態です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想)は2.98%です。
- 1株配当(会社予想)は、年間36.00円(中間18.00円、期末18.00円)です。
- 配当性向は24.64%と低い水準であり、比較的安定的な配当と、事業成長を目的とした内部留保や投資の両立を図っていると考えられます。
- 直近の配当予想からの修正は行われていません。
- 筆頭株主は富士通(13.46%)であり、オービック(10.82%)がそれに続きます。自社(自己株口)も8.48%を保有しています。
- 次回の配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)は2025年9月29日です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
DAIKO XTECHの株価は、過去52週間で55.81%上昇しており、S&P 500の同時期間の伸び(16.33%)を大きく上回っています。これは強い上昇モメンタムを示唆しています。
直近の株価は年初来高値圏で推移しており、50日および200日移動平均線を上回る状態です。
信用取引においては、信用買残が信用売残を大きく上回り、信用倍率は7.38倍です。信用買残は前週比で減少していますが、信用売残は増加しています。
投資家の関心は、富士通グループとの連携や、中期経営計画「CANVAS TWO」による事業構造転換への期待、約3%の配当利回りなどが影響を与えている可能性があります。直近の第1四半期決算で営業損失を計上しましたが、通期予想は据え置いており、今後の業績回復・成長への期待が株価を支える要因となるか注目されます。
11. 総評
DAIKO XTECHは、富士通を筆頭株主とするSIベンダーであり、情報通信機器販売とソリューションサービスを核とした事業を展開しています。中期経営計画「CANVAS TWO」に基づき、ハードウェアからソフトウェア・ストック型サービスへの事業構造転換を推進しています。
直近の第1四半期決算では、ハードウェア案件の減少や戦略的投資費用(商号変更費用、人的資本投資)により一時的な営業損失を計上しましたが、ソフトウェアソリューションの受注高・受注残高は堅調に増加しており、事業変革の方向性はその歩を進めているとみられます。
財務は自己資本比率や流動比率から見て健全です。株価は年初来高値圏にあり、PER、PBRは業界平均を下回っています。配当利回りは約3%で、配当性向も低く、株主還元への意識も伺えます。
今後の注目点は、ソフトウェアソリューションやストックビジネスがどれだけ売上と利益に貢献し、通期業績予想の達成につながるか、そして事業構造転換が企業の競争力強化に結びつくかとなります。
12. 企業スコア
以下の3つの観点から、DAIKO XTECHを5段階評価します。
* 成長性:C
* 過去12ヶ月の四半期売上成長率は前年比△6.80%と減少傾向にあります。2026年3月期通期売上高は前期比+0.7%の微増予想ですが、直近の売上減少を考慮すると成長力の評価は中程度以下となります。ソフトウェアソリューションの受注残高は増加していますが、売上貢献には時間を要する可能性があります。
* 収益性:C
* 過去12ヶ月の営業利益率は△1.67%であり、直近の第1四半期でも営業損失を計上しました。これはハードウェア案件の減少や戦略投資費用が影響しており、業界平均を考慮しても現在の収益性は低いと評価されます。ただし、通期予想では営業利益率5.7%程度への回復を見込んでいます。
* 財務健全性:A
* 自己資本比率は46.4%(目安40%以上)と高く、健全な財務基盤を有しています。流動比率も216%(目安200%以上)と非常に高く、短期的な支払い能力に優れています。総負債対資本比率も16.92%と低く、有利子負債が少ないことから、財務健全性は非常に良好と評価できます。
企業情報
銘柄コード | 8023 |
企業名 | DAIKO XTECH |
URL | https://www.daiko-xtech.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。
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