証券コード: 4599 ステムリム 企業分析レポート

個人投資家の皆様へ、株式会社ステムリムの企業分析レポートをお届けします。

1. 企業情報

株式会社ステムリムは、2006年に大阪大学発のバイオベンチャーとして設立された企業です。「再生誘導医薬」の開発を主な事業内容としています。再生誘導医薬とは、体内の損傷した細胞を活性化させる物質を動員し、自己組織の再生を促すことを目的とした治療薬です。特に難病治療への応用を目指しており、現在は「PJ1(レダセムチド)」という主要な再生誘導医薬候補を複数疾患で開発しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

ステムリムは、医薬品業界の中でも特にバイオテクノロジー分野に属し、再生医療領域での新薬開発を目指しています。独自の「再生誘導医薬」技術が特徴であり、体内の間葉系幹細胞を誘導して組織再生を促すというメカニズムに基づく開発を行っています。現時点では製品が上市されていない開発段階の企業であるため、市場シェアは形成されていません。競争優位性としては、希少疾病用医薬品に指定されたレダセムチドをはじめとする独自のパイプラインとその作用機序が挙げられます。課題としては、医薬品開発には巨額の研究開発費と長い期間が必要であり、臨床試験の成功と承認取得、そして提携による収益化が不可欠である点が挙げられます。

3. 経営戦略と重点分野

経営戦略としては、主要な再生誘導医薬であるレダセムチドの複数適応疾患における臨床開発を推進し、承認申請と導出(ライセンスアウト)による収益化を目指しています。特に栄養障害型表皮水疱症では最終症例投与を完了し、承認申請を視野に入れています。また、次世代全身投与型再生誘導ペプチドである「TRIM3 / TRIM4」や、幹細胞遺伝子治療の「SR-GT1」といった新たなパイプラインの研究開発も並行して進めています。これら開発候補の非臨床データ蓄積とライセンス交渉も重要な重点分野と位置付けています。

4. 事業モデルの持続可能性

ステムリムの事業モデルは、医薬品開発段階特有のものです。現時点では製品販売による売上はなく、主に提携先からの契約一時金、マイルストーン収入、将来の上市後のロイヤリティ収入を収益源とする構造です。難病治療や再生医療市場のニーズは高いですが、医薬品開発の成功確率は低く、継続的な研究開発費の確保が重要となります。会社は2028年までの研究開発活動のための十分な資金を確保していると開示しており、当面の事業継続性は確保されていると考えられます。独自の技術による複数のパイプラインを持つことで、リスク分散を図りながら市場ニーズへの適応を目指しています。

5. 技術革新と主力製品

ステムリムの技術革新の中心は、自己組織再生を促進する「再生誘導医薬」です。これは、体内の損傷部位に間葉系幹細胞を集積・誘導するペプチド医薬であり、自然治癒力を最大限に引き出すことを目指しています。
主力製品候補は「PJ1(レダセムチド)」です。
* 栄養障害型表皮水疱症: 希少疾病用医薬品に指定されており、追加第Ⅱ相臨床試験の最終症例投与が完了し、承認申請が予定されています。
* 急性期脳梗塞: グローバル後期第Ⅱ相臨床試験を進行中で、中間解析により高用量群の継続が決定されました。
* 虚血性心筋症、変形性膝関節症、慢性肝疾患: いずれも医師主導の第Ⅱ相臨床試験が実施され、良好な安全性や軟骨修復傾向、肝硬度改善傾向といった結果が出ています。

その他、「TRIM3 / TRIM4(次世代全身投与型再生誘導ペプチド)」や「SR-GT1(幹細胞遺伝子治療)」が非臨床段階で開発を進められています。現時点では、これらの開発候補からの収益は生じていません。

6. 株価の評価

現在の株価は300.0円です。
* EPS(1株当たり利益): 現状は赤字のため算定できません。
* BPS(1株当たり純資産): 94.33円
* PBR(株価純資産倍率): (単)3.18倍

現状は売上がなく赤字が継続しているため、PER(株価収益率)は算出できません。PBRは3.18倍であり、純資産の約3倍の株価で評価されています。これは、バイオベンチャー特有の将来的な技術の成功や製品化への期待が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。純資産に対する株価の評価は高い水準にあります。

7. テクニカル分析

現在の株価300.0円は、年初来高値370円、年初来安値246円の間に位置しています。52週高値439.00円と比較すると低水準にあり、安値圏と評価することもできます。しかし、直近10日間の株価推移を見ると、318円から300円へと下落傾向にあり、50日移動平均(311.44円)および200日移動平均(315.27円)を現在の株価が下回っています。これは、短期的な下落トレンドにある可能性を示すものです。

8. 財務諸表分析

  • 売上: 過去12か月および2024年7月期、2025年7月期はいずれも0円であり、製品からの収益はほとんどありません。
  • 利益: 2025年7月期は、営業損失△1,971.5百万円、当期純損失△1,929.4百万円と、大幅な損失を計上しています。これは多額な研究開発費が先行しているためです。2023年7月期には一時的に黒字を計上しましたが、現時点では研究開発投資が継続しています。
  • キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは△1,414.6百万円のマイナスとなっており、研究開発投資のための支出が主な要因です。期末の現金及び現金同等物は6,994.6百万円と潤沢であり、これにより研究開発活動が維持されています。
  • ROE(自己資本利益率): (単)-28.70%。大幅な損失のため、マイナスの状態です。
  • ROA(総資産利益率): 過去12か月で-14.85%。同様に損失のためマイナスです。
  • 自己資本比率: (単)78.0%。財務の健全性を示す自己資本比率は非常に高い水準を維持しています。これは過去の増資等により、資金が確保されていることを示しています。
  • 流動比率: 83.35倍。短期的な支払い能力を示す流動比率も極めて高い水準にあり、現預金が豊富であることがうかがえます。

9. 株主還元と配当方針

ステムリムは、現在、配当を実施していません。会社予想の配当利回りは0.00%、1株配当も0.00円です。これは、開発段階のバイオベンチャーとして、得られた資金を研究開発に最優先で投資する方針によるものと考えられます。自社株買いなどの株主還元策に関する情報も開示されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は下落傾向にあります。52週間の株価変化率も-30.23%と、市場平均と比較して大きく下落しています。出来高は日によって変動があり、信用買残は多いものの信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、将来性に期待する買いが一定程度ある一方で、売り圧力は小さい状況を示唆しています。株価への影響を与える要因としては、主要パイプラインの臨床試験結果(特に急性期脳梗塞の中間解析結果や栄養障害型表皮水疱症の承認申請動向)、新たな導出契約の締結、資金調達の状況などが挙げられます。

11. 総評

ステムリムは、再生誘導医薬という独自の技術を基盤に、難病治療薬の開発を目指す大阪大学発のバイオベンチャー企業です。主要なパイプラインであるレダセムチドは、複数の適応疾患で臨床開発が進展しており、中でも栄養障害型表皮水疱症では承認申請を視野に入れる段階まで進んでいます。事業モデルは開発段階のため、現時点では売上がなく、多額の研究開発費が先行して営業損失を計上しています。しかし、自己資本比率78.0%、流動比率83.35倍と財務健全性は高く、現金預金も潤沢であり、会社は2028年までの研究開発資金を確保していると表明しています。株価は年初来高値や52週高値から下落しており、移動平均線を下回る水準にありますが、PBRは3倍を超えており、将来の成長への期待が評価に反映されていると考えられます。現時点では株主還元は行われていません。今後の株価は、臨床試験の具体的な進捗、導出戦略の実現、新たな資金調達の状況などによって大きく変動する可能性があります。

12. 企業スコア

  • 成長性: B (現時点での売上はゼロであり、評価の根拠となる成長率データが不足しているため中立と評価します。将来的な成長の可能性はありますが、実績ベースでの評価は困難です。)
  • 収益性: D (過去12か月および直近の営業利益率とEBITDA率が大幅なマイナスであり、現在の収益性は極めて低いと評価します。研究開発段階の企業としては一般的ですが、実績としては低い評価となります。)
  • 財務健全性: S (自己資本比率78.0%、流動比率83.35倍と、非常に高い水準を維持しており、現金預金も潤沢です。財務健全性は極めて優れていると評価します。)

企業情報

銘柄コード 4599
企業名 ステムリム
URL https://stemrim.com/
市場区分 グロース市場
業種 医薬品 – 医薬品

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。
評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。
投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。