9229 サンウェルズ 企業分析レポート(個人投資家向け)
株価: 661円(2025-09-26)
時価総額: 230.3億円/発行済株式数: 35,220,000株(自己株式含む)
市場: 東証プライム/業種: サービス業(医療・介護)
1. 企業情報
- 概要: パーキンソン病(PD)に特化した有料老人ホーム「PDハウス」を中核に、医療特化型住宅、グループホーム、デイサービス、福祉用具、加圧トレーニング等の介護関連サービスを展開。2006年創業、本社は金沢市。
- 事業構成(2026年3月期1Q 売上構成比)
- PDハウス: 約88.6%
- 医療特化型住宅: 約6.9%
- グループホーム/デイサービス/福祉用具/加圧トレーニング: 合計約4.5%
- 直近トピック: 診療報酬の不正請求が判明し、東証の再審査対象。再発防止策の実行と運営体制の見直しを進行。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 高齢化を背景に拡大する介護市場の中で、パーキンソン病に特化した専門型ホームを全国展開。一般型有料老人ホームに比べて差別化が明確。
- 競争優位性(示唆)
- 疾患特化のノウハウ(リハビリ・看護体制・専門性)
- 医療連携・地域の紹介ネットワークの構築余地
- 課題
- 専門職の採用・育成と定着(人件費上昇圧力)
- コンプライアンス対応の強化コスト
- 開設初期の稼働率立ち上げに伴う収益圧迫
- 市場シェア: 公開データからの定量把握は困難。介護施設市場は事業者が分散。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略: 疾患特化(PDハウス)の全国展開を成長エンジンに据え、未開設エリアへ出店加速。
- 2026年3月期の重点施策
- 新規開設(全国13か所予定)と設備投資(自社所有/リース併用)
- 不正事案の再発防止と運営体制の見直し
- 資金繰り安定化(債権流動化、金融機関の支援の下での運営)
- 会社見解: 短期的には開設初期費用で損益が悪化するが、中長期の収益基盤強化につながるとの想定。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 介護・医療保険報酬を主源泉とするストック型。施設稼働率と単価が主要KPI。
- 変化への適応力
- 需要面は高齢化で追い風。
- 一方、制度変更(報酬改定)やコンプライアンス要件の厳格化は収益性に影響。
- 出店加速はスケールメリットの潜在性がある一方、リース負担・利払い増加を伴い、開設初期の赤字リスクが高まる。
5. 技術革新と主力製品
- 主力: パーキンソン病専門「PDハウス」。疾患特化のケア設計(リハビリプログラム、看護・医療連携)に独自性。
- 開発動向: 個別施設の設備投資(建物/リース資産拡大)と運営プロセスの標準化・教育が中心。R&D型の技術投資は限定的。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 661円
- 業界平均: PER 17.0倍/PBR 1.8倍
- 当社指標
- PER(会社予想EPS -56.21円):赤字のため有意な比較は困難
- PBR(実績): 約2.70倍(BPS 242.47円基準)→ 業界平均より高い
- PSR(時価総額/売上高): 約0.87倍(230.3億円/264.96億円)
- EV/EBITDA: 約39倍(EV ≈ 457.6億円=時価総額230.3 + 有利子負債263.5 − 現金36.2、EBITDA LTM ≈ 11.6億円)
- 参考: 2025年3月期EBITDA 18.8億円を用いると約24倍。定義・一過性影響で変動。
- 含意: EPSがマイナスのためPER評価は不適切。PBRは同業平均を上回り、キャッシュフロー倍率は投資回収に時間を要する水準。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 475〜1,847円。現値は下方レンジ(レンジ内約14%水準)。
- トレンド指標: 50日MA 758円 > 現値 661円、200日MA 647円 < 現値 → 短期は下押し、長期は底打ち後のもみ合い局面の示唆。
- 直近10日: 733→661円へ下落基調。出来高は3カ月平均(約248千株)を下回る日が多め。
- 信用動向: 信用倍率1.80倍(買い長)。売残は減少、買残は微増。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高推移: 84.2億円(2022/3)→137.2億円(2023/3)→201.1億円(2024/3)→264.9億円(2025/3)
- 3年CAGR: 約+47%と高成長。2026年3月期1Qは売上+5.9% YoY。
- 収益性
- 粗利益率: 25.6%(2024/3)→18.6%(2025/3)と低下。
- 営業利益: 22.7億円(2024/3)→11.1億円(2025/3)。1Q(2026/3)は▲5.07億円。
- 当期純利益: 8.02億円(2024/3)→▲9.25億円(2025/3)。LTM純損失継続。
- 金融費用: 純支払利息 8.11億円(2025/3)と増加。
- 効率・資本性
- ROE: 実績(2025/3)▲13.5%、直近LTM ▲23.0%(データベンダー値)
- ROA(LTM): 約0.0%(ベンダー値、実質低水準)
- 財政状態・流動性
- 自己資本比率: 22.0%(2025/3)→ 18.6%(2026/3 1Q末)
- 総資産: 389.9億円 → 422.2億円(リース資産・建物増)
- 有利子負債: 263.5億円(1Q末、D/E約334%)
- 流動比率: 1.52倍。
- 備考: 一部借入の財務制限条項に抵触も、金融機関より期限の利益喪失不行使の承諾取得。債権流動化により当面の資金確保。
- 一過性項目
- 2025/3に不正関連の対応費用等で特別損失(合計▲7.01億円)を計上。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想: 2025/3・2026/3ともに無配(年間0.00円)。
- データ差異: 一部外部データで「年間14円」記載があるが、会社開示の予想は無配。
- 自社株: 自己株式比率7.91%。新たな還元施策の公表は確認できず。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週で▲62.1%。短期は下落バイアスが継続。
- 需給/関心: インサイダー保有比率が55%と高く、フロートは約1,495万株。信用買いが優勢。
- 価格形成要因(最近)
- コンプライアンス対応・東証再審査の行方
- 新規開設の初期費用と稼働率の立ち上がり
- 財務制限条項・資金繰りの安定度合い
- 介護・医療報酬制度や人件費・物価動向
11. 総評
- 強み: 疾患特化モデル(PDハウス)の明確な差別化と過去3年間の高い売上成長。高齢化という構造的需要。
- 論点/リスク: コンプライアンス対応に伴うコスト増、開設初期費用負担、利払い・リース負担による損益圧迫、自己資本比率の低下と高D/E、財務制限条項管理。
- 先行きの注目点: 新規施設の稼働率と損益分岐到達までの期間、コストコントロール(人件費・本社費)、金融支援継続と資本政策、再発防止策の定着。
- バリュエーション: EPSマイナスでPER比較は困難。PBRは同業平均を上回り、EV/EBITDAは利益水準の回復が前提となる倍率。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: S
- 根拠: 売上高は2022/3→2025/3で約+3.15倍、3年CAGR約+47%。1Qも増収。
- 収益性: C
- 根拠: 直近は営業赤字期を含み、粗利率・営業利益率が低下。業界平均を下回る水準。
- 財務健全性: C
- 根拠: 自己資本比率18.6%(低位)、D/E約334%、リース・有利子負債水準が高い。流動比率は1.5倍。
参考データ
– 2026年3月期会社予想(単体): 売上3,110.6億円、営業損失▲3.69億円、経常損失▲16.13億円、当期損失▲18.23億円、EPS▲56.22円。
– 1Q(2025/4-6)実績(単体): 売上66.05億円(+5.9%)、営業損失▲5.07億円、純損失▲7.25億円。
注記
– 本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。記載数値は単位・定義の違いや期ズレにより乖離する場合があります(特にEBITDA、LTM指標、配当予想等)。不明点は元開示資料(決算短信、適時開示)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9229 |
企業名 | サンウェルズ |
URL | https://sunwels.jp/pdh |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。
評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。
投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。