アイシン(7259)企業分析レポート
株価:2,619.5円(2025/9/26終値)/時価総額:約1.99兆円
1. 企業情報
- 概要:トヨタグループ中核の自動車部品大手。2021年にAT世界首位の旧アイシンAWと経営統合。パワートレイン(AT・CVT、ハイブリッド用トランスミッション、eAxle等)、走行安全(ブレーキ・ステアリング・ADAS関連)、車体系(ドア・ルーフ・シート等)を主力に、ソフト・地図/ナビ、アフターマーケットやエナジーソリューション(家庭用燃料電池「エネファーム」、ガスヒートポンプ、ペルチェ素子など)も展開。
- 事業構成(連結、2025.3):パワートレイン関連55%、走行安全関連21%、車体関連19%、LBS関連他3%、エナジーソリューション他2%。海外売上比率56%。
- 特徴:ATで世界最大級の供給能力、ハイブリッド車(HEV)向けユニット、熱マネジメントやボデー関連まで広くカバー。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:AT(自動変速機)で世界首位クラス。トヨタグループ向けが中核だが、他OEMにも供給。xEV(HEV/BEV)領域へ製品ラインを拡張。
- 競争環境:パワートレインはZF、ボルグワーナー、ジャトコ、日立Astemo、モーター/インバータ・eAxleはボッシュ、ニデック、マグナ等と競合。車体/ブレーキはボッシュ、コンチネンタル、ZFなど大手と領域ごとに競合。
- 優位性と課題
- 優位性:AT・HEVトランスミッションの量産技術と品質、トヨタグループとの深い連携、グローバル生産網。
- 課題:BEVシフトによる従来AT需要の構造的縮小リスク、為替・関税等の外部環境、地域/顧客集中度。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(開示より)
- 企業体質改善(原価・固定費の見直し、資産効率改善)、人材・将来投資の継続。
- パワートレインのキャッシュ創出力を維持しつつ、電動化(eAxle、HEV用ユニット、熱マネジメント、FC関連)へ重点配分。
- 地域最適生産とサプライチェーン強靭化、為替・関税影響の抑制。
- 2026年3月期予想(据え置き)
- 売上収益4.9兆円、営業利益2,050億円、親会社当期利益1,250億円、予想EPS約165円(IFRS)。
- 株主施策:自己株式の取得・消却を決議(2025/4/25)、2024年に1→3の株式分割実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:完成車生産台数と連動するサプライヤーモデル。AT/HEV向けの高付加価値製品が収益源。アフターやLBS・エナジーで補完。
- 適応力:HEV・BEV向け(eAxle、熱マネジメント等)への展開を強化。Q1(2026/3期)も体質改善と台数増で利益改善。
- 財務余力:LTM営業CF4,154億円、手元資金4,927億円、純有利子負債約1,698億円、Net Debt/EBITDA約0.35倍と投資・転換の余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品
- 電動化:eAxle、HEVトランスミッション、熱マネジメント、燃料電池関連。
- 走行安全/ADAS:駐車・運転支援、ブレーキ、ステアリング、キャビンモニタリング。
- 車体系:ドア/ルーフ、シート、空力デバイス、バッテリーフレーム等。
- エナジー:エネファーム、ガスヒートポンプ、ペルチェモジュール。
- 収益牽引:パワートレイン(特にAT・HEV用)と車体系が中心。地域ではアセアン・インド、中国、北米がQ1利益に大きく寄与。
6. 株価の評価
- 現在値2,619.5円に対するバリュエーション
- 予想PER:15.85倍(業界平均13.3倍比でプレミアム)
- 実績PBR:1.00倍(業界平均0.8倍比でやや上回り)
- 予想EPS:165.3円 → 益回り約6.3%
- BPS:2,609.5円 → PBR約1.00倍
- EV/EBITDA(LTM):約4.4倍(EV≒約2.16兆円、EBITDA≒4,856億円)
- PSR:約0.41倍(時価総額/売上)
- 所感(定量比較):利益率の改善期待(HEV需要、体質改善)を織り込みつつ、PBRは実質1倍水準。ROE(実績5〜7%台)とPBRの関係は、収益力の持続的改善が評価の鍵。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日線2,303円、200日線1,884円の上に位置。52週高値2,675円に接近しており高値圏。
- モメンタム:直近10日で緩やかな上昇基調。出来高は3カ月平均(約264万株)並み。直近高値2,675円近辺が上値抵抗、2,550〜2,600円帯が短期の支持として意識されやすい価格帯。
- ボラティリティ:5年β0.34と市場連動性は相対的に低い。
8. 財務諸表分析
- 売上高:4.91兆円(2024/3)→ 4.90兆円(2025/3、LTM4.90兆円)と横ばい。2026/3期1Qは前年比+3.1%。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約11.5〜11.8%
- 営業利益率:約3.9%(1Qも約3.9%)
- EBITDAマージン:約10%
- 当期純利益率:約2.7%
- 利益推移:営業利益は2023/3の579億円 → 2024/3の1,434億円 → LTM 2,029億円へ改善。一過性項目は除外して評価。
- 効率性:ROA約3.1%、ROE約6〜7%(指標により乖離あり)。
- キャッシュフロー・投資
- 営業CF:4,154億円(LTM)
- 1Q設備投資:約605億円(投資CFから)
- 金融CF:自己株式取得や配当でマイナス(1Qの自己株取得支出約83億円)
- 財務健全性
- 自己資本比率:46.1〜46.9%
- 流動比率:約1.63倍
- D/E(Debt/Equity):約30%
- Net Debt/EBITDA:約0.35倍
- 地域別(2026/3期1Q):アセアン・インドと中国の利益寄与が相対的に大きい。日本は円高や投資影響で利益率が伸び悩み。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間65円(中間30円、期末35円)→ 配当利回り約2.48%(現株価ベース)。過去5年平均利回り3.51%に比べ現状は低位(株価上昇の影響)。
- 配当性向:実績ベース約44%(予想ベースは約4割)。
- 自社株:2025年Q1に自己株取得、加えて自己株式の消却を実施決議。発行済株式数は809,023,902株→759,023,902株に減少(希薄化抑制・資本効率の改善要因)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+53.8%と強含み。業績改善期待と構造改革の進捗を織り込み。
- 信用動向:信用倍率3.57倍、信用買残増(+33.5千株)・売残減(-22千株)で強気に傾斜。
- 需給・イベント:直近の株式分割(2024/9/27)で流動性が向上。今期の権利落ち日(2025/9/29)や次回決算(2025/10/30)前後の値動きに注意。
- 外部要因:為替(円高は逆風)、関税・貿易規制、主要顧客の生産計画、原材料価格などが短期の変動要因。
11. 総評
- 強み:AT/HEVでの量産力と顧客基盤、グローバル供給網、堅健なバランスシートとキャッシュ創出力。1Qは台数増と体質改善で利益が拡大。
- 留意点:BEVシフトによるATの中長期的な需要変化、為替・関税の影響、地域/顧客集中度。収益率は改善傾向だが絶対水準は自動車部品大手の中では中位。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均比でプレミアム。PBR約1倍・ROE5〜7%水準の関係からは、収益力の持続的な上積み(電動化分野の拡大、原価改善)が評価の焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年横ばいだが、直近期(1Q)は+3.1%と持ち直し。3年では増収基調。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約3.9%、EBITDAマージン約10%。改善中だが水準は中位。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率46%台、流動比率1.6倍、D/E約30%、Net Debt/EBITDA約0.35倍と健全。
参考データ(抜粋)
– 予想PER:15.85倍、実績PBR:1.00倍、配当利回り:2.48%
– LTM:売上約4.90兆円、営業利益約2,029億円、EBITDA約4,856億円、純利益約1,334億円
– 52週レンジ:1,280円〜2,675円、β:0.34
注記:本レポートは提供データに基づく企業分析の整理であり、投資助言を目的としたものではありません。記載の一過性損益は評価から除外し、欠損データはB(中立)としています。最新の数値・注記は原資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 7259 |
企業名 | アイシン |
URL | https://www.aisin.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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