1. 現在の株価の評価
- 株価: 190円
- PER（会社予想）: 11.81倍
- PBR（実績）: 0.39倍
- EPS（会社予想）: 16.09円
- BPS（実績）: 490.22円
PERは業界平均（15.9倍）を下回っており、株価は割安に評価されている可能性があります。一方、PBRは業界平均（0.7倍）を大きく下回っており、株価は純資産価値に対して非常に低い水準で取引されています。 これらの指標だけで株価の高低を判断することはできませんが、低いPBRは、市場が同社の将来性に対して慎重な見方をしている可能性を示唆しています。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は188円から201円の範囲で推移しており、比較的狭いレンジ内での動きとなっています。現在の株価190円は年初来高値226円からは下落しており、高値圏からは離れていますが、年初来安値167円よりは高い水準にあります。50日移動平均線（195.12円）と200日移動平均線（191.38円）を参考にすると、短期的なトレンドは弱含みですが、長期的なトレンドは明確ではありません。
3. 財務諸表分析
過去数年の損益計算書をみると、売上高は比較的安定していますが、利益は変動が大きく、2024年3月期は減益となっています。 中間決算（2025年3月期第2四半期）では、売上高は前年同期比2.9%増、営業利益は黒字転換しており、業績回復の兆しが見られます。しかし、利益水準は依然として低く、収益性の改善が課題です。ROE（過去12か月：2.33%）は低く、自己資本効率の向上が必要です。
4. 業界のポジションと市場シェア
資料からは新日本理化の市場シェアに関する情報は得られませんでした。オレオケミカル総合メーカーとして、競合他社との競争が激しい市場で事業展開していると考えられます。水素添加技術を強みとしていますが、その競争優位性を維持・強化していくための戦略が重要です。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、2024年6月に修正された中期経営計画（2022年3月期～2026年3月期）に基づき、事業構造転換に向けた取り組みを推進中とのことです。具体的な施策については資料からは読み取れません。
6. 事業モデルの持続可能性
オレオケミカル製品、機能性樹脂原料、添加剤等の製造・販売が事業の中心です。これらの製品は様々な産業で使用されており、市場ニーズは一定程度存在すると考えられます。しかし、原料価格の変動や競合他社の動向、環境規制の強化など、事業モデルの持続可能性を脅かすリスクも存在します。
7. 技術革新と主力製品
水素添加技術が強みとされていますが、具体的な主力製品や技術開発の動向については資料からは不明です。
8. 株主還元と配当方針
予想年間配当は3.00円、配当利回りは1.58%と低いです。配当性向は資料からは不明です。自社株買いに関する情報は提供されていません。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は小幅な変動にとどまっており、大きな上昇・下降の勢いは見られません。信用倍率は64.65倍と高く、信用取引による株価変動のリスクも考慮する必要があります。
10. 総評
新日本理化は、オレオケミカル製品を中心に事業展開する化学メーカーです。低いPBRとPER、そして利益の変動の大きさから、市場からの評価は慎重であると言えます。水素添加技術などの強みを持つ一方で、収益性の改善、事業構造転換、市場シェアの拡大など、課題も多く存在します。中期経営計画の進捗状況や、具体的な事業戦略、技術開発の動向などを注視していく必要があります。 投資判断にあたっては、これらの点を踏まえ、ご自身の判断で行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4406 |
| 企業名 | 新日本理化 |
| URL | http://www.nj-chem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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