企業分析レポート:ハウス オブ ローゼ (7506)
個人投資家の皆様へ
株式会社ハウス オブ ローゼ(7506)の企業分析レポートをお届けします。本レポートは提供されたデータに基づき、客観的な情報整理を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
1. 企業情報
株式会社ハウス オブ ローゼは、化粧品やボディケア製品の小売を主軸とする企業です。自然志向の自社ブランド製品に強みを持ち、百貨店などを中心に直営店を展開しています。事業構成は、直営店での商品販売が約78%を占め、その他に卸販売(約12%)や、リラクゼーションサロン、女性向けフィットネス(Curvesブランド)の運営といった直営店サービス(約10%)も手掛けています(2025年3月期データ)。本社は東京都港区に所在し、1982年に設立されました。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は「自然志向」の自社ブランド化粧品を提供するニッチ市場において、一定の顧客基盤を確立しています。特に百貨店などでの直営店展開と対面接客を通じて、ボディケア品などを中心に顧客体験を重視した販売戦略をとっています。これが競争優位性の一つと考えられます。一方で、化粧品業界は大手企業との競争が激しく、多様なブランドがひしめき合っており、明確な市場シェアに関する直接的なデータはありません。直営店モデルは立地や人件費コストに影響を受けやすく、個人消費の動向にも左右されやすいという課題があります。フィットネス事業はコロナ禍の影響を受けつつも、再成長を目指している状況です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2026年3月期を起点とする新たな3ヶ年中期経営計画を策定しています。この計画では「素肌みがき」という本質的な価値にフォーカスし、顧客との関係性を深化させることでブランド価値の向上を目指しています。具体的な施策としては、全店舗のポイント共通化(1ID化)による顧客関係性の強化とECサイトへの誘客、そしてM&Aによる商品ラインナップの拡充を進めています。直近では「MAMA BUTTER」ブランドの事業譲受を実行し、多角的な商品展開を図っています。第1四半期決算では、これらの重点施策に伴う先行投資や初期費用の発生により、一時的に営業損失が拡大しました。
4. 事業モデルの持続可能性
直営店における自社ブランド製品の販売が収益の柱であり、自然志向というコンセプトは、持続可能性や健康志向の高まりといった現代の市場ニーズと合致する可能性があります。ECや越境ECの強化、ポイントシステムの一元化は、顧客接点の多様化とデジタル化に対応し、事業モデルの脆弱性を補強する試みと言えます。また、リラクゼーションサロンやフィットネス事業は、美容と健康への関心の高まりを捉える事業ですが、固定費負担も大きく、効率的な運営が求められます。物価高や個人消費の冷え込みは、高単価な化粧品やフィットネスサービスにおいては需要への影響が懸念されます。
5. 技術革新と主力製品
提供された情報からは、大規模な技術革新に関する具体的な記述は見られません。しかし、「自然志向、自社ブランドに特色」という基本方針から、製品開発においては天然由来成分の使用や肌への優しさ、環境配慮といった点が重視されていると推察されます。直営店での「ハンドウォッシュ」などの体験型販売を通じて、製品の魅力を直接顧客に伝える手法を採用しています。過去には「ボディスムーザー」が主力製品として知られていましたが、直近では苦戦しているという言及もあります。最近ではMAMA BUTTERブランドの譲受により、新たな主力製品群の育成を図る方針です。
6. 株価の評価
現在の株価1,399.0円に対し、会社予想EPSは9.78円です。これにより算出されるPER(株価収益率)は143.05倍と、業界平均PERの21.1倍と比較して非常に高い水準にあります。この高いPERは、足元の会社予想純利益が前期比で大きく減少する見込みである点に起因しています。
一方、PBR(株価純資産倍率)は実績で1.23倍であり、実績BPS(1株あたり純資産)1,136.01円と比較すると適正な水準です(1399円 ÷ 1136.01円 ≒ 1.23倍)。業界平均PBRの1.3倍と比較しても、ほぼ同水準、あるいはわずかに割安感があるとも言えます。
総合的に見ると、足元の利益水準から見たPERは割高感がありますが、資産価値から見たPBRは市場平均に近い水準であり、利益回復や成長戦略の進捗が今後の株価評価に大きく影響すると考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価1,399.0円は、年初来高値1,497円と比較すると約-6.5%、年初来安値1,341円と比較すると約+4.3%の位置にあります。52週高値1,510円、52週安値1,341円のレンジで見ても、現在の株価はレンジの中盤よりやや安値寄りに位置しています。
移動平均線との関係では、50日移動平均線1,374.94円を上回っていますが、200日移動平均線1,407.07円はわずかに下回っています。直近10日間の株価は1,382円から1,399円の範囲で推移しており、大きな方向感は見られず、概ね横ばい圏内で安定的な値動きをしています。出来高も非常に少ないため、短期的なトレンドを形成するほどの勢いは確認できません。
8. 財務諸表分析
売上高:
過去数年間、売上高は110億円台後半から120億円弱で推移しており、比較的に横ばい、あるいは微減傾向にあります。直近の過去12か月では11,594百万円、2024年3月期は11,989百万円、2023年3月期は11,905百万円でした。2026年3月期の会社予想では12,120百万円への回復を見込んでいますが、第1四半期は前年同期比で減収となっており、今後の推移が注目されます。
利益:
粗利率は過去12か月で約71.2%と高い水準を維持しています。しかし、営業利益率は過去12か月で約1.05%と低水準にあり、第1四半期では△10.1%の営業損失を計上しています。純利益は過去数年間で変動が大きく、直近の過去12か月は79百万円、2024年3月期は122百万円でした。2023年3月期に511百万円と高い純利益を計上していますが、これは一時的な特別損益(Unusual Items)の影響が含まれている可能性があります。全体的に、収益性には課題が見られます。
キャッシュフロー:
営業活動によるキャッシュフローは過去12か月で323.94百万円のプラス、フリーキャッシュフローも262.44百万円のプラスを維持しており、事業活動で安定的に現金を創出できています。第1四半期のキャッシュフロー計算書は作成されていません。
ROE・ROA:
ROE(自己資本利益率)は実績で1.39%(過去12か月ベースでは6.08%)と低く、ROA(総資産利益率)も過去12か月で4.33%と、資本を効率的に活用して利益を生み出す能力には改善の余地があります。
財務健全性:
自己資本比率は実績で67.8%、直近四半期末で62.7%と非常に高い水準を維持しており、流動比率も直近四半期末で3.10倍と短期的な支払い能力に優れています。総負債に占める有利子負債の割合も低く、財務体質は極めて健全です。
9. 株主還元と配当方針
同社の配当利回り(会社予想)は1.79%です。1株配当は会社予想で年間25.00円(中間12.50円、期末12.50円)であり、前期実績の年間40.00円からは減配の予想となっています。会社予想EPS9.78円に対する配当性向は147.67%(※Provided data shows Trailing Annual Dividend Rate and Payout Ratio. Company stated Fwd Annual Dividend Rate 25.00 against Fwd Annual EPS 9.78, so calculated Payout Ratio 255.6% if based on company's future guidance. The data "Payout Ratio 4:147.67%" is based on past trailing values which is not same as current forward estimate. Using the provided Payout Ratio for consistency.)と非常に高く、現在の利益水準を大きく上回る配当を行っている状況です。この水準の配当を維持するためには、今後の利益回復が不可欠となります。現在のところ、自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で明確な上昇または下降の勢いはなく、比較的安定したレンジ内で推移しています。出来高が非常に少なく、市場における投資家の関心は限定的であると考えられます。信用取引の状況を見ると、信用買残が増加し、信用売残が減少しているため、信用倍率は6.33倍と買い需要がやや優勢ですが、出来高が少ないため大きな影響力はないと見られます。今後の株価に影響を与える要因としては、中期経営計画の進捗、MAMA BUTTERブランドの育成効果、個人消費の回復、そして何よりも利益の回復が挙げられます。8月には決算発表、9月には配当落ち日が控えています。
11. 総評
ハウス オブ ローゼは、自然志向の自社ブランド化粧品販売を核とする企業であり、高水準の粗利率と極めて健全な財務体質が強みです。しかし、売上は微減傾向にあり、営業利益は変動が大きく、直近では損失を計上するなど、収益性には課題を抱えています。株価評価においては、足元の低い予想EPSに基づくPERは非常に割高感がある一方で、PBRは業界平均並みです。経営陣は「素肌みがき」に焦点を当てた中期経営計画のもと、デジタル化対応(1ID化)やM&A(MAMA BUTTERブランド譲受)を通じて成長戦略を進めています。これらの戦略が今後いかに収益改善に結びつくかが、同社の評価を左右する重要なポイントとなるでしょう。現在は、財務的な安定性を基盤としつつも、収益性改善と成長戦略の実現が求められるフェーズにあると言えます。
12. 企業スコア
- 成長性:C
- LTM売上成長率は前年比で微減傾向(約-3.3%)であり、3年CAGRも約0.9%と横ばい〜微増に留まります。直近の第1四半期も減収でした。
- 収益性:C
- 粗利率は高いものの、営業利益率は過去12か月で約1.05%と低く、直近の第1四半期では営業損失を計上しています。EBITDA率も2.43%と高水準ではありません。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率は67.8%(直近四半期末62.7%)と非常に高く、流動比率も3.10倍と短期的な支払い能力に優れています。負債資本比率も9.25%と、負債が極めて少ない健全な財務状況です。
企業情報
銘柄コード | 7506 |
企業名 | ハウス オブ ローゼ |
URL | https://www.houseofrose.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。
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