トーカロ(3433)企業分析レポート(プライム市場・建設資材/金属製品)
株価(直近終値): 2,169円(2025-09-29)
時価総額: 1,324.98億円 / PER(会社予想): 15.45倍 / PBR: 2.13倍 / 予想配当利回り: 3.23%
1. 企業情報
- 概要: トーカロは、溶射(サーマルスプレー)を中核とする表面改質の専業大手。大気・減圧プラズマ、HVOF、アーク、フレーム溶射に加え、SPS(サスペンションプラズマ)、SDC厚膜、PVD、レーザークラッディング、TD処理、PTA、独自のCDC-ZACコーティングなど幅広いプロセスを保有。
- 主要用途: 半導体・FPD製造装置部品向けが主力。ほか鉄鋼、産業機械、発電、石油化学、医療機器、搬送・産業機械、プラ・フィルム、紙パルプ、食品、切削工具など。
- 特徴: 高機能皮膜の製造から部品再生・メンテナンスまで一気通貫。国内最大手で、海外展開も強化。
- 海外売上比率: 約30%(2025年3月期)
- 従業員: 1,516人、本社:神戸市中央区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 溶射加工の国内最大手。半導体・FPD分野の高純度セラミック皮膜(例:Y2O3やAl2O3系)、耐摩耗(WC-Co系)や耐食厚膜など、用途別にプロセスと材料の組み合わせを最適化できる点が強み。
- 競争優位性:
- 顧客のプロセス認定・品質保証体制(半導体は特に認定ハードルが高い)
- 多様な溶射・表面改質技術の内製ラインナップとノウハウ
- 施工・再生(アフター)を含む継続受注の仕組み
- 課題:
- 半導体設備投資のサイクル影響
- 高純度材料・エネルギーコストの変動
- 顧客集中・大口案件の変動リスク
- 市場シェア: 定量データは非開示(最大手として存在感は高いが、数値は公表ベースで確認不可)
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(短信要旨): 新市場開拓、新技術開発、コスト削減・生産効率向上を継続。通期予想は据え置き。
- 重点分野(示唆):
- 半導体・データセンター関連(AI需要に伴う装置需要)
- 海外子会社の拡販(2026/3期1Qで売上+61.4%、利益+144.6%と伸長)
- 高付加価値プロセス(SPS、SDC厚膜、レーザー/TD処理など)の深耕
- 工程自動化・歩留まり改善による採算性向上
- 設備・体制: 減価償却は継続、国内外での能力増強と効率化を進行(1Q減価償却費821百万円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 受注生産の加工サービス+装置部品の再生・メンテナンスによる準リカーリング性。半導体は新増設に加え、既存設備のメンテで底堅さ。
- 適応力:
- 用途多様化(半導体偏重の緩和へ産機・エネルギー・医療など)
- プロセス多角化(溶射に加えPVDやレーザー等)で代替技術リスクに対応
- リスク: 半導体サイクル、為替、原材料価格、特定顧客案件の変動
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性: 減圧/大気プラズマ、HVOF、SPS、SDC厚膜、CDC-ZAC、PVD、レーザークラッディング、TD/PTA等。高純度・高密着・低欠陥の皮膜形成や厚膜化、複合機能化が特徴。
- 収益牽引:
- 半導体製造装置向けコーティング(エッチング/CVD/ALD周辺の耐プラズマ・耐食皮膜)
- 産機・鉄鋼向け耐摩耗・耐食コーティング(WC系、Ni基合金等)
- 海外子会社の伸長が増益に寄与(1Qセグメント利益+144.6%)
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 現在株価: 2,169円
- 会社予想EPS: 140.11円 → PER: 約15.5倍(業界平均PER 17.5倍を下回る)
- BPS(実績): 1,016.43円 → PBR: 約2.13倍(業界平均PBR 0.7倍を上回る)
- EV/EBITDA(LTM概算): EV ≈ 1,202億円(時価総額1,325−現金157−有利子負債34)/ EBITDA 155億円 ≈ 約7.7倍
- EV/Sales(LTM概算): 約2.2倍(売上542億円基準)
- コメント: PERは業界平均比で低め、PBRは高めと指標間で評価が分かれる。利益成長・資本効率をどう評価するかで見方が変わる可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日線2,072円、200日線1,845円。株価は両移動平均線を上回り上昇トレンド維持。
- 位置: 年初来高値2,244円に対して約3%下。高値圏に近い水準。
- 需給: 信用倍率8.96倍(買い長)。直近週で信用買残は微減。
- 参考: 9/29は配当落ち日(理論値分の下押し要因)。
8. 財務諸表分析(LTM中心、単位: 百万円)
- 売上高: 54,231(前年比 +16.0%)
- 営業利益: 12,275(+33.4%)/ 営業利益率: 22.6%
- 税引前利益: 12,197 / 親会社株主純利益: 8,052(+27.3%)/ 純利益率: 14.9%
- 粗利率: 37.3%(粗利20,246)/ EBITDA: 15,514(EBITDA率 28.6%)
- ROE(実績): 13.87% / ROA: 10.57%
- 財政状態: 自己資本比率74.3%、流動比率約313%、D/E約5.2%、ネットキャッシュ(現金>借入)
- 四半期進捗(2026/3期1Q): 売上+17.8%、営業益+42.8%、純益+36.8%と増収増益。海外子会社が牽引。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/3期 実績68円 → 2026/3期 予想70円(中間34円・期末36円)
- 予想配当性向: 約50%(会社予想EPS140.11円ベース)
- 自社株: 自己株式比率 約2.85%(過去の取得実績を示唆)。新規の自社株買いは開示ベースでは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落+15.7%。株価は年初来高値圏で推移し、50日・200日線とも上回る上昇基調。
- ボラティリティ: β=0.66(相対的に低めの市場感応度)。
- 需給・関心: 機関保有比率約35.8%、内部者保有約5.9%。直近10日出来高は3カ月平均をやや下回る。
11. 総評
- 半導体・FPD向けを主力に、産機・エネルギーへも適用拡大する表面改質の最大手。技術幅と品質認定による参入障壁、再生需要を含む継続受注で基盤が強固。
- 2026/3期は海外子会社の伸長が目立ち、増収・増益基調。財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で健全。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは上回るなど見方が分かれる構造。株価は高値圏で推移し、短期は配当落ちなどイベントの影響に留意。
- リスクは半導体投資サイクル、為替、原材料価格、案件偏重。技術多角化と用途拡大が緩和要因。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+16.0% YoY、3年CAGR約7%台。1Qも売上+17.8%、純益+36.8%。
- 収益性: A
- 根拠: 営業利益率22.6%、EBITDA率28.6%、粗利率37%超。業界水準を上回る収益性。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率74%、流動比率>300%、D/E約5%。ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均(17.5倍)比で低め、PBRは平均(0.7倍)比で高め。総合的に中立。
(注)本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資判断を目的とした助言ではありません。不明な項目は記載していません。数値はLTMおよび会社公表予想を中心に使用し、一過性損益の影響は除外するよう留意しています。
企業情報
銘柄コード | 3433 |
企業名 | トーカロ |
URL | http://www.tocalo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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