ローランド(7944)企業分析レポート
株価:3,285円(2025-10-01終値)/市場:東証プライム
時価総額:873億円/配当利回り(会社予想):5.18%
1. 企業情報
- 概要:電子楽器・機器の専業メーカー。電子ピアノ、シンセサイザー、電子ドラム、ギター用エフェクター(BOSS)、音楽制作機器、映像・音響機器、ソフトウェア/サービス(Roland Cloud)をグローバルに展開。1972年創業、浜松市に本社。
- 収益構成(2024.12連結、概況):鍵盤楽器27%、管打楽器29%、ギター関連機器25%、クリエーション関連機器&サービス13%、映像音響機器3%、その他3%。海外売上比率91%。
- 特徴:電子ドラムやギター用エフェクター、電子ピアノで欧米を中心に高いブランド力とシェア。2014年にMBOで非上場化後、2020年に再上場。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:電子楽器分野のグローバル主要プレーヤー。電子ドラム(V-Drums)やBOSSエフェクターは世界的に認知度が高く、プレミアム帯で競争力があるとみられる。
- 競争優位性:ブランド資産、製品の信頼性・耐久性、継続的な新製品投入、ハード×ソフト(Roland Cloud)のエコシステム化。
- 課題:需要が景気・為替に左右される消費循環性、米国関税・物流費など外部コスト要因、欧州小売競争の激化。米国関税や生産地見直しの影響管理が重要。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信要旨)
- 守り:ゼロベースのコスト見直し、サプライチェーン強靭化、在庫適正化。
- 攻め:米国での価格調整、生産地見直し(関税影響の最小化)、ブランド活用による需要創出、新製品投入強化。
- 重点分野
- 主要カテゴリの新製品(電子ドラム、シンセサイザー等)の継続投入。
- クリエーション関連機器&サービスでのソフト/サブスクリプション(Roland Cloud)拡大。
- 映像・音響機器は新製品と設備需要回復を取り込み。
- 業績見通し(2025/12期会社予想レンジ)
- 売上高:9,690~10,090億円(前年比 -2.5〜+1.5%)
- 営業利益:81~101億円
- 当期純利益:57~72億円
- 予想EPS:214.83~271.36円(会社公表レンジ、修正なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:高付加価値ハードウェアの販売に、ソフト/コンテンツ(Roland Cloud)を組み合わせた継続収益の育成。製品ライフサイクルに沿った買い替え・上位機種への移行が期待される構造。
- レジリエンス:製品・価格帯・地域が分散(売上構成の多様化、海外比率高)。外部要因(為替・関税・物流)への対応として価格調整・生産最適化を進めている。
- リスク:消費市況の鈍化、為替変動、関税や地政学リスク、小売在庫調整など。サブスク収益の規模は非開示で、安定性寄与の度合いは限定的情報。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:電子ドラムのセンサー・モデリング技術、シンセ/DJ分野の音源エンジン、ギター用エフェクトアルゴリズムなどで継続開発。ハードとクラウド音源・コンテンツの連携が特徴。
- 主力領域:電子ドラム(大型新製品が好調)、電子ピアノ(中国など回復基調)、BOSSエフェクター、シンセサイザー(新製品寄与)、映像機器(新製品と設備需要回復)。
- サービス:Roland Cloud 会員数は増加傾向(会社記載)。エコシステム強化に資する。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,285円
- 予想EPS:213.24円 ⇒ 予想PER:約15.4倍(会社データ15.41倍と整合)
- BPS(実績):1,508.93円 ⇒ PBR:約2.18倍
- EV/Sales(LTM概算):EV ≈ 時価総額873億円 + 純有利子負債約63億円 = 約936億円、売上(LTM)985億円 ⇒ EV/S ≈ 0.95倍
- 比較(業界平均):PER 14.5倍、PBR 1.3倍
- コメント:PERは業界平均に対し小幅プレミアム、PBRはプレミアム水準。EV/Sは1倍弱。
7. テクニカル分析
- 終値:3,285円
- 移動平均:50日線 3,285.2円(ほぼ一致)、200日線 3,458.1円(下回り)
- 52週レンジ:2,835~4,120円(現状は安値から約16%上、上値高値から約20%下)
- 直近10日:じり安基調(反落日が多い)、出来高は3カ月平均(約89千株)をやや下回る。
- 総合:中期は200日線下で弱含み、短期は50日線近辺で方向感模索。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上高:2021年800億円 → 2023年1,024億円 → 2024年994億円 → LTM 985億円(直近は微減、前年比-0.9%)。
- 収益性(LTM)
- 粗利:421億円、粗利率約42.8%。
- 営業利益:93億円、営業利益率約10.2%(会社指標)。
- 当期純利益:62億円、純利益率約6.3%。
- ROE:14.4%、ROA:6.9%。
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:128億円、フリーCF:136億円(正値、資金創出力は堅調)。
- 財政状態
- 現金同等物:190億円、総有利子負債:253億円、純有利子負債:約63億円。
- 流動比率:261%、自己資本比率:期末56.8%(中間期は自己株式取得・借入で46.8%に低下)。
- D/E(直近四半期):63.4%。総じて健全域だが、中間期に負債が増加。
- トレンド
- 利益率は2023年をピークに調整局面。販管費や外部コストの影響で営業利益は縮小傾向。一方でCF創出は改善し、在庫・運転資本の最適化が進展。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想170円(中間85円・期末85円) ⇒ 予想利回り約5.18%。
- 配当性向:74.6%(LTM EPSベースの目安)。
- 自社株:2025年上期に約151.8万株を取得、158.2万株を消却。資本効率の向上と1株価値の希薄化抑制に寄与。
- 方針:短信に長期方針の明記はないが、配当と自己株式取得を機動的に実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で-7.2%。低ベータ(0.23)で市場連動性は低め。直近は50日線付近でもみ合い。
- 需給:信用倍率7.05倍(買い長)。出来高は平常域。インサイダー保有45%、機関保有51%と安定株主が多い構成。
- 予定イベント
- 決算発表:2025年8月上旬実施済(次回日程は未掲載)。
- 権利落ち:2025年12月29日予定(期末配当)。
11. 総評
- ブランド力と技術力を背景に、主要カテゴリで安定したポジション。ハード×ソフトのエコシステム強化や価格・生産最適化で外部環境への適応を進めている。
- 直近は売上・利益とも伸び悩み、営業利益率はやや低下。一方で営業・フリーCFは改善し、株主還元(配当・自己株)を継続。中間期の負債増で自己資本比率は一時低下したが、流動性は厚く財務は概ね健全。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均比でプレミアム、EV/Sは約1倍。業績レンジと外部要因(為替・関税・小売在庫)を見極めつつ、新製品の寄与とサービス収益の伸長が次の成長ドライバー。
(本レポートは企業情報の整理であり、投資助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:C
直近LTM売上は前年比微減(-0.9%)。3年で見れば拡大後の一服局面。
– 収益性:A
粗利率約43%、営業利益率約10%、ROE約14%と良好(同業平均を上回る水準と見られる)。
– 財務健全性:A
自己資本比率46.8%(中間)、流動比率261%、D/E約63%。健全域。
– 株価バリュエーション:C
PER 15.4倍(業界14.5倍比で小幅プレミアム)、PBR 2.18倍(同1.3倍比でプレミアム)、EV/S ≈ 0.95倍。
以上。
企業情報
銘柄コード | 7944 |
企業名 | ローランド |
URL | https://www.roland.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。