以下、株式会社オートバックスセブンに関する企業分析レポートです。

1. 企業情報

株式会社オートバックスセブンは、カー用品の販売・サービスを軸に事業を展開する企業です。国内最大手のカー用品チェーン「オートバックス」をフランチャイズ(FC)方式で全国展開しており、海外でも事業を運営しています。
事業は主に以下の4つのセグメントに分かれています(2025年3月期計画に基づく予想比率):
* オートバックス事業 (77%): 国内外のオートバックス店舗へタイヤ、ホイール、カーエレクトロニクスなどのカー用品を卸売するとともに、これらの販売、取り付け、車両メンテナンス、車検サービスなどを提供します。
* コンシューマ事業 (12%): カー用品のオンライン販売のほか、新車・中古車の購入・販売を手掛けます。
* ホールセール事業 (10%): ライフスタイルブランドやプライベートブランドなどの商品を卸売します。
* 拡張事業 (2%): ファイナンスサービス、不動産の開発、EVソリューション(電気自動車関連サービス)などを提供します。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は「カー用品国内最大手」として、業界内で確立された地位を築いています。広範なFCネットワークと「オートバックス」ブランドは、強力な競争優位性となります。日本国内のみならず、アジアなど海外にも展開しています。
市場動向としては、国内の雇用・所得環境の持ち直しやインバウンド回復により、景気は緩やかに回復基調にあります。自動車関連では、一部メーカーの出荷再開により新車販売台数は前年を上回る回復を見せ、中古車市場も輸出需要に支えられて堅調に推移しています。車検・整備関連の需要増加も同社にとって好材料と考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は「2024中期経営計画Accelerating Towards Excellence」を掲げ、以下の分野を重点施策としています。
* モビリティライフのインフラ化: 変化する自動車社会において、顧客の「移動」を支えるサービスの提供を目指します。
* 小売と卸売の二軸強化: オートバックス事業(小売・FC)とホールセール事業(卸売)の両方を強化し、収益基盤の多様化を図ります。
* タッチポイントの創出: 顧客との接点を多様化し、新たな需要を取り込みます。
* 商品・ソリューション開発: 顧客ニーズに合わせた商品やサービスを開発・提供します。
* 新事業ドメイン設定: 新たな事業領域への進出も視野に入れています。

第1四半期決算報告によると、中期経営計画に基づき、報告セグメントの再編や連結子会社化(オトロンカーズ等)によるコンシューマ事業の拡大を進めており、戦略に沿った施策が実行されています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、強力なブランド力と全国に広がるFC店舗網を基盤とし、安定した収益を上げています。カー用品販売だけでなく、車検・メンテナンス、車両買取・販売(新車・中古車)、オンライン販売、さらにファイナンスやEVソリューションといった周辺事業や新規領域への多角化を進めることで、自動車市場の変化への適応力を高めています。これにより、モビリティライフ全体のニーズに応える「インフラ」としての役割を強化し、持続的な成長を目指す方針が示されています。

5. 技術革新と主力製品

技術革新については、具体的な研究開発投資の詳細は提供情報に記載されていませんが、「EVソリューション」といった言葉から、電気自動車関連のサービス開発に取り組んでいることが示唆されます。
主力製品・サービスは、タイヤ、ホイール、カーエレクトロニクスなどのカー用品全般、これらに付随する取り付け・メンテナンス・車検サービス、そして新車・中古車の販売、さらにはプライベートブランド商品の卸売事業などが収益を牽引しています。

6. 株価の評価

現在の株価1,547.0円に対し、以下の指標が示されています。
* PER(会社予想): 14.81倍
* PBR(実績): 0.92倍
* EPS(会社予想): 104.47円
* BPS(実績): 1,674.30円

業界平均と比較すると、PER (14.81倍) は業界平均PER (12.1倍) を上回っています。一方、PBR (0.92倍) は業界平均PBR (1.0倍) を下回っており、株価が1株当たり純資産(BPS: 1,674.30円)を下回る水準にあります。このことから、PBRの観点では割安感がある一方、PERの観点では業界平均と比較して割高感が見られます。

7. テクニカル分析

現在の株価は1,547.0円です。
* 年初来高値:1,648円
* 年初来安値:1,356円
* 52週高値:1,641円
* 52週安値:1,356円
* 50日移動平均:1,535.60円
* 200日移動平均:1,481.94円

現在の株価は、年初来高値・52週高値からはやや下落しているものの、年初来安値・52週安値からは上昇した中間程度の水準に位置しています。直近10日間の株価推移では、一時1,600円台で推移していましたが、本日(2025年10月1日)は1,547.0円まで下落しました。しかし、株価は50日移動平均線および200日移動平均線を依然として上回っているため、中長期的な上昇トレンドは継続している可能性があります。

8. 財務諸表分析

損益計算書(年度別比較と直近四半期):

  • 売上高:
    • 2022年3月期: 228,586百万円
    • 2023年3月期: 236,235百万円
    • 2024年3月期: 229,856百万円
    • 過去12ヶ月 (LTM): 249,525百万円
    • 2026年3月期 第1四半期: 64,223百万円 (前年同期比+18.9%)
    • 通期予想 (2026年3月期): 276,000百万円 (前期比+10.6%)
    • 売上高は長期的に見て概ね横ばいから微増傾向にありましたが、直近の過去12ヶ月および第1四半期では明確な増加トレンドを示しています。
  • 営業利益:
    • 2022年3月期: 11,552百万円
    • 2023年3月期: 11,723百万円
    • 2024年3月期: 8,010百万円(一時的な減少)
    • 過去12ヶ月 (LTM): 12,126百万円
    • 2026年3月期 第1四半期: 2,686百万円 (前年同期比+154.1%)
    • 通期予想 (2026年3月期): 13,500百万円 (前期比+11.3%)
    • 営業利益も増減がありましたが、直近のLTMおよび第1四半期では大幅な回復・成長を見せています。
  • 純利益 (親会社株主に帰属する四半期純利益):
    • 過去12ヶ月 (LTM): 8,132百万円
    • 2026年3月期 第1四半期: 2,000百万円 (前年同期比+173.9%)
    • 純利益も第1四半期で大幅な増益を達成しました。
  • 収益性指標:
    • 粗利益率 (LTM): 約35.4%、(第1四半期): 約35.8%
    • 営業利益率 (LTM): 4.18%、(第1四半期): 約4.18%
    • ROE (LTM): 7.30%
    • ROA (LTM): 4.15%
    • 粗利益率、営業利益率は安定から改善傾向にあります。ROEは7%台と、資本効率は一定の水準にあります。

貸借対照表(直近四半期):

  • 総資産: 223,232百万円
  • 自己資本比率: 58.9% (健全な水準)
  • 流動比率: 224% (流動資産120,597百万円 / 流動負債53,809百万円)。流動負債を大きく上回る流動資産を有しており、短期的な支払い能力は高いと評価できます。
  • D/Eレシオ (有利子負債/自己資本): 26.22% (低水準で財務健全性は高い)

キャッシュフロー:

  • 第1四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
  • 現金及び預金は31,125百万円で、前期末より微減しました。

全体として、財務健全性は非常に高く、売上高・利益ともに直近では好調な伸びを示しており、通期予想も増収増益を見込んでいます。

9. 株主還元と配当方針

同社は安定的な株主還元姿勢を示しています。
* 配当利回り(会社予想): 3.88%
* 1株配当(会社予想): 60.00円 (中間30円、期末30円)
* 配当性向: 57.75%

2026年3月期の年間配当予想は、直近の公表予想から変更なく60.00円となっており、安定的な配当が継続される見込みです。提供情報に自社株買いの具体的な計画は記載がありませんが、株主構成に「自社(自己株口)」があることから、過去には自社株買いを実施している可能性があります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

足元の株価は直近の2025年9月末からの上昇基調から10月1日に下落しました。しかし、株価は50日移動平均(1,535.60円)および200日移動平均(1,481.94円)を上回って推移しており、中長期的なモメンタムは上昇傾向にある可能性があります。
出来高は前日と比較して減少しています。信用取引の残高を見ると、信用売残が信用買残を大幅に上回る「売り長」の状況(信用倍率0.02倍)であり、今後の買い戻しが株価を押し上げる可能性も考えられます。
投資家関心は、好調な第1四半期決算や中期経営計画の進捗、それに伴う今後の業績推移、自動車市場全体の動向(新車販売、中古車市場、EV化の進展など)が主要な影響要因になると考えられます。

11. 総評

株式会社オートバックスセブンは、国内カー用品市場における最大手としての強固な基盤を持つ企業です。中期経営計画に基づき、事業の多角化と新領域(EVソリューション等)への取り組みを進めており、変化するモビリティ社会への適応を目指しています。
直近の第1四半期決算は売上・利益ともに前年同期を大幅に上回る好調な結果となり、通期でも増収増益を予想しており、業績面では成長トレンドが見られます。財務体質は自己資本比率58.9%、流動比率224%、D/Eレシオ26.22%と非常に健全です。
株価はPBRが1倍を下回っており、純資産価値から見ると割安感がある一方、PERは業界平均を上回っています。配当利回りは約3.88%と魅力的な水準で、安定した株主還元が行われています。株価のモメンタムは中長期では上昇傾向にあり、需給面では売り長の状況が注目されます。

12. 企業スコア

  • 成長性: A
    • LTM売上成長率(YoY)は約8.56%、第1四半期の四半期売上成長率(前年比)は18.90%と高く、2026年3月期の通期売上高も前期比+10.6%の増収を予想しており、堅調な成長が見込まれます。
  • 収益性: B
    • LTM営業利益率4.18%と第1四半期営業利益率4.18%は卸売業としては中程度です。ただし、第1四半期の営業利益は前年同期比+154.1%と大幅な増益を達成しており、今後の収益性改善に期待が持たれます。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率は58.9%、流動比率は224%、D/Eレシオは26.22%と、いずれの指標も非常に健全な水準です。
  • 株価バリュエーション: B
    • PER(会社予想14.81倍)は業界平均PER(12.1倍)と比較してやや割高な水準です。しかし、PBR(実績0.92倍)は業界平均PBR(1.0倍)を下回っており、割安感も見られます。総合的に判断すると中立的な評価となります。

企業情報

銘柄コード 9832
企業名 オートバックスセブン
URL http://www.autobacs.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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