こころネット(6060)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、こころネット(6060)の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
こころネット株式会社は、福島県を地盤に冠婚葬祭事業を展開する持株会社です。葬祭事業が全体の売上の約67%を占める主要事業であり、その他に墓石販売を主とする石材事業(20%)、婚礼事業(5%)、生花ショップ(6%)、高齢者向け住宅(その他事業の一部)などを手掛けています。1971年12月に設立され、1892年創業の歴史を持つ企業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は福島県を中心に事業を展開しており、地域に根差したサービス提供が特徴です。具体的な市場シェアのデータは提示されていませんが、決算短信によると、葬祭業界では小規模化・簡素化が定着し、地域における死亡者数の減少が受注に影響を与えています。また、石材事業では少子化に伴い「墓じまい」の増加や埋葬形態の多様化が進み、市場ニーズが変化しています。婚礼事業も小規模化の傾向が強い状況です。同社は、2013年に郡山の互助会と統合し、福島県外への事業展開も模索することで、競争環境下での成長を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、2026年3月期から2028年3月期を対象とする「第5次中期経営計画」を策定しており、基本方針として「グループ改革で、成長を加速」を掲げています。重点施策は以下の3点です。
– グループの抜本改革: 組織再編や業務効率化の検討。
– シナジーの極大化: グループ内での連携強化と新規事業領域の開拓。
– ステークホルダーとの関係強化: 株主懇談会の再開など。
具体的な取り組みとして、第1四半期にはグループ再編の検討を開始し、データ活用整備を進めるとともに、小規模葬儀会館の新規開設や開設準備を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、冠婚葬祭サービスとそれに付随する石材、生花、互助会事業が中心です。主要事業である葬祭、婚礼市場では、ニーズの小規模化・簡素化が定着しており、この市場変化への適応力が事業持続の鍵となります。同社は小規模葬儀専用会館の展開や運営体制の見直しで経費圧縮を図っており、市場の変化に対応しようとしています。また、互助会事業は会員制度を通じて安定的な顧客基盤を構築し、将来の施行を確保する役割を担っています。しかし、石材事業では円安や物流コスト高騰による仕入価格の高止まりが課題となっています。
5. 技術革新と主力製品
冠婚葬祭サービスは、製造業のような大規模な技術革新が起こりにくい特性があります。しかし、同社は「データ活用整備」を通じて業務効率化や顧客サービス向上を図ろうとしています。主力製品・サービスは、連結事業の売上構成比から見て「葬祭事業」であり、これが収益を牽引する主要な事業です。小規模葬儀専用会館の展開などは、変化する市場ニーズへのサービス対応と位置付けられます。
6. 株価の評価
現在の株価1,083.0円に対し、以下の指標が算出されます。
– PER(会社予想): 5.72倍
– PBR(実績): 0.43倍
同社が属するサービス業の業界平均PERが15.0倍、業界平均PBRが1.2倍であることと比較すると、現在のPERとPBRはともに業界平均より低い水準にあります。このことから、株価は市場や業界平均と比較して割安な水準にあると評価できます。
7. テクニカル分析
現在の株価1,083.0円は、年初来高値1,100円に近く、52週高値1,100.00円のレンジ内にあります。年初来安値は880円、52週安値は880.00円です。
– 50日移動平均線: 1,044.56円
– 200日移動平均線: 982.96円
現在の株価は50日移動平均線および200日移動平均線を上回って推移しており、短期・中期的に見ると比較的堅調な上昇傾向を示しています。直近の株価推移は高値圏で取引されている状況です。
8. 財務諸表分析
過年度の損益計算書を見ると、総売上高は86億円台(2022年3月期)から101億円台(過去12ヶ月)へと緩やかな増加傾向にあります。営業利益も2.9億円台(2022年3月期)から7.4億円台(過去12ヶ月)へと増加傾向を示しており、本業の収益性が改善していることが伺えます。
純利益は2023年3月期に大幅な特別損失を計上したことで一時的に落ち込みましたが、2024年3月期には5.7億円と大きく回復しました。過去12ヶ月では3.7億円となっていますが、2026年3月期通期では6.6億円の親会社株主に帰属する当期純利益を見込んでいます。
財務健全性を示す指標として、自己資本比率は44.7%(実績)と比較的健全な水準にあります。流動比率は4.11倍と非常に高く、短期的な支払い能力に優れています。総資産利益率(ROA)は2.43%(過去12ヶ月)、自己資本利益率(ROE)は5.98%(過去12ヶ月)となっています。現金及び預金も増加傾向にあり、キャッシュポジションは安定しています。
9. 株主還元と配当方針
同社の配当利回り(会社予想)は2.77%で、1株配当は年間30.00円を予想しています。配当性向は29.32%と、利益に対する配当の割合は比較的安定しています。2025年3月期の実績でも年間30.00円の配当を実施しており、安定的な株主還元策を継続する方針が見られます。自社株買いについては、株主情報に自己株式の保有が示されていることから、過去に実施された実績があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価推移を見ると、1,022円から1,083円の間で取引されており、多少の変動はありますが、概ね堅調な動きを見せています。50日移動平均線および200日移動平均線を上回っており、株価は上昇トレンドにあると見られます。
しかし、平均出来高(3ヶ月平均1.34千株、10日平均1.1千株)は少なく、市場での流動性は低い傾向にあります。信用取引では信用買残が77,900株あるものの、信用売残が0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、今後の決済需要を考える上で留意が必要です。株主構成では特定の合同会社や個人、自社株口が多い一方、機関投資家の保有比率は4.56%と低めであり、投資家からの強い関心や大規模な資金流入は現状では限定的であると考えられます。
11. 総評
こころネットは福島県を地盤とする冠婚葬祭事業を中核に、多角的なサービスを提供する企業です。高齢化社会や市場ニーズの変化に対応するため、小規模葬儀へのシフトやデータ活用、グループレベルでの改革を進める中期経営計画を策定しています。
財務面では自己資本比率や流動比率が高く、非常に健全な状態を維持しています。本業の収益性も緩やかに改善傾向にありますが、純利益は前期に特別利益を計上しており、今後の継続性には注視が必要です。
現在の株価はPER、PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあり、配当も安定して実施されています。株価は移動平均線から高値圏で推移し上昇トレンドにありますが、出来高が少ないため、流動性には注意が必要です。
12. 企業スコア
観点 | 評価 | 理由 |
---|---|---|
成長性 | B | LTM売上成長率は0.8%と緩やか。3年CAGRは5.25%だが、直近四半期の売上成長率は前年比-4.8%と減少。通期予想ではプラス成長を見込む。 |
収益性 | B | LTM営業利益率は7.38%。ただし、第1四半期決算では売上高営業利益率が前年同期比で減少傾向。概ね安定しているが、業界平均との具体的な比較が難しいため中立評価。 |
財務健全性 | S | 自己資本比率44.7%、流動比率4.11倍、D/E比率2.79%と、いずれも財務が非常に健全な水準にある。 |
株価バリュエーション | S | PER(会社予想)5.72倍、PBR(実績)0.43倍と、業界平均(PER15.0倍、PBR1.2倍)と比較して著しく低い水準にあり、割安と評価される。 |
企業情報
銘柄コード | 6060 |
企業名 | こころネット |
URL | http://cocolonet.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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