1. 企業情報

  • 概要:1871年創業の老舗精肉・惣菜・和菓子メーカー/小売。松阪牛など高級牛肉の調達・販売に強み。「柿安」「Premium Agu」等の自社ブランドを展開し、百貨店中心に精肉・惣菜店舗を構えるほか、和菓子(おはぎ、みたらし団子等)、加工食品、レストラン(和・中ビュッフェ等)も運営。
  • 事業構成(売上構成比・2025.4):精肉38%、惣菜36%、和菓子18%、レストラン4%、食品4%
  • 上場市場:東証プライム
  • 本社:三重県桑名市
  • 従業員:888人、平均年齢43.3歳、平均年収508万円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • 百貨店の精肉・惣菜カウンターで強固なブランドを確立。高付加価値の松阪牛・ローストビーフなど「ハレ需要」に適合。
    • 惣菜は百貨店惣菜で有力ブランド群の一角。和菓子は季節・催事での存在感が拡大傾向。
  • 競争環境(例示的な比較領域):
    • 精肉・食肉流通:エスフーズ、スターゼン等(加工・卸)。高級和牛調達力や目利き、店舗接客品質が競争軸。
    • 百貨店惣菜:ロック・フィールド(RF1)等。商品開発力、鮮度管理、店舗オペレーションが鍵。
    • 和菓子:大手老舗や量販向けメーカーと棲み分け。季節・催事の企画力が重要。
  • 課題:
    • 原材料・人件費・物流費の上昇継続。価格転嫁と付加価値の両立が必要。
    • 百貨店来店トラフィックの変動、節約志向の長期化への対応。

3. 経営戦略と重点分野

  • 短中期の重点(短信・開示より):
    • 高付加価値商品の拡充(プレミアム牛肉、自社製ローストビーフ、季節和菓子、限定商品)。
    • 既存店の収益改善(定番商品の改良、製販一体の原価・廃棄抑制、販管費の抑制)。
    • デジタル活用(予約サイト限定販売、EC的導線の強化)。
    • コラボ企画(キャラクター連携の瓶詰等)で新規需要を開拓。
  • 2026年4月期会社計画(修正なし):
    • 売上高36,400百万円(+0.8%)
    • 営業利益1,500百万円(横ばい)
    • 親会社純利益850百万円(+21.2%)
    • 1株当たり利益(EPS)88.74円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:百貨店内店舗を中心とする対面販売+製造・加工(セントラルキッチン機能)+外食・和菓子の複合。粗利は高めだが、店舗運営コストの管理が収益性を左右。
  • レジリエンス:
    • 価格改定・商品ミックス改善でインフレ環境に対応。
    • 複数セグメント(精肉/惣菜/和菓子/外食/加工食品)により需要の分散が効く一方、全般的な人件費・物流費上昇は横断的な逆風。
  • 財務耐性:自己資本比率78〜79%台、流動比率約318%で安全性が高く、投資余力・耐久力は相対的に良好。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運営面:
    • 自社製ローストビーフなど加工技術・品質管理に強み。商品開発(季節・限定・コラボ)で差別化。
    • 予約サイトによる受注・在庫リスク低減やギフト対応の効率化。
  • 主力・収益牽引:
    • 精肉(松阪牛・柿安牛等)、惣菜(百貨店カウンターの高付加価値商品)、和菓子(季節商品)、瓶詰などの加工食品。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提(株価:2,620円)
    • 予想EPS:88.74円 → 予想PER:約29.5倍
    • 実績BPS:1,501.67円 → PBR:約1.74倍
    • 時価総額:32,610百万円、PSR(LTM):約0.90倍(= 32.61/36.10)
  • 業界平均との比較(食品:平均PER 19.5倍、PBR 1.3倍)
    • PER:会社約29.5倍は平均比でプレミアム水準
    • PBR:会社約1.74倍も平均比でプレミアム水準
  • 参考計算(単純比較)
    • 業界平均PER×会社予想EPS=約1,730円
    • 業界平均PBR×会社BPS=約1,950円
    • 現在株価(2,620円)は、双方の単純指標比較ではプレミアム評価
  • 補足:トレーリングEPS(71.5円)基準ではPER約36.6倍

7. テクニカル分析

  • 位置づけ:
    • 50日移動平均:2,723円、200日移動平均:2,798円 → 現在値は両線を下回る。
    • 52週レンジ:2,570〜3,185円 → 現在値は安値圏に近い。
  • 直近10日:終値は2,720円台から2,620円へ下落基調。出来高は増加局面ありも総じて低水準(平均出来高1.5万株程度)。
  • 信用需給:信用倍率0.44倍(売り長)で短期的には上値の重さを示唆。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(百万円)
    • 売上高:37,998(2022)→ 37,898(2023)→ 37,052(2024)→ 36,104(LTM)
    • 営業利益:2,777 → 3,044 → 2,201 → 1,500
    • 親会社純利益:1,704 → 1,885 → 1,400 → 701
    • 3年CAGR(売上):約-1.7%/LTM対前年比:約-2.6%
  • 収益性
    • 粗利率(LTM):約54.2%(19,579/36,104)
    • 営業利益率:概ね3〜4%台(Q1は約2.8%)
    • EBITDAマージン(LTM):約5.9%
    • ROE:4.29%(実績)、ROA:5.09%(LTM)
  • コスト・一過性
    • 原材料・人件費・物流費上昇が継続。LTMでは特別要因(Unusual Items)の影響計上あり。
  • 安全性・流動性
    • 自己資本比率:78.4%(前期末)/Q1 78.8%
    • 流動比率:約318%(Q1)
    • 現金及び預金:6,929百万円(Q1)
    • 有利子負債は限定的(詳細非開示)でネットキャッシュ基調。
  • トレンド評価
    • コロナ後の回復を経ても、インフレコストと節約志向で利益率は圧迫。Q1は売上横ばい・利益やや減少。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間85円(中間0、期末85円)予想。配当利回り:約3.24%(株価2,620円)。
  • 配当性向:
    • 直近トレーリング:約119%
    • 会社予想EPS基準:約96%(= 85/88.74)
  • 自己株式:発行株式の約23.1%を保有(自己株口)。過去に自己株買いを実施してきた蓄積がうかがえる(当期の新規実施は短信に記載なし)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:50日・200日線とも下回り、52週安値圏に接近。短期は戻り待ちが意識されやすい位置。
  • ボラティリティ・需給:5年ベータ0.08と低ボラ。信用売り超過(倍率0.44倍)は短期的な上値抑制要因。
  • 関心材料:
    • 百貨店来店動向、インバウンドの質的回復
    • 原材料価格・人件費の動向と価格政策
    • 季節・催事商品のヒット、コラボ施策の効果

11. 総評

  • 事業・競争力:百貨店チャネル×高付加価値の精肉・惣菜で確立したブランド力を持つ。和菓子・加工食品も育成し複合化。
  • 収益性:粗利は高い一方、店舗運営コスト上昇で営業利益率は3%台。Q1も販管費抑制に努めつつ利益はやや伸び悩み。
  • 成長性:直近数年の売上は微減傾向。足元は横ばい〜小幅増収の兆し。
  • 財務:自己資本比率約79%、流動比率約318%と安全性は高い。キャッシュ水準も厚め。
  • バリュエーション:PER・PBRともに業界平均比でプレミアム。高配当方針だが配当性向は高く、利益成長との整合が注目点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上成長率はマイナス、3年CAGR約-1.7%。Q1は+0.4%と持ち直しだが通期で大幅成長トレンドは確認前。
  • 収益性:C
    • 根拠:営業利益率は概ね3〜4%台、EBITDAマージン約6%。同業上位と比較して控えめ。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率約79%、流動比率約318%、実質ネットキャッシュ基調で安全性は高い。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:予想PER約29.5倍、PBR約1.74倍と業界平均(PER19.5倍、PBR1.3倍)に対しプレミアム水準。PSR約0.90倍。

参考データ(主要数値)
– 株価:2,620円、時価総額:32,610百万円、発行株式数:12,446,700株
– 予想EPS:88.74円、実績BPS:1,501.67円、予想PER:29.5倍、PBR:1.74倍
– 配当:年85円(利回り約3.24%)、配当性向(TTM):約119%
– 52週高値:3,185円、同安値:2,570円、50日線:2,723円、200日線:2,798円
– 売上高(LTM):36,104百万円、営業利益(LTM):1,500百万円、純利益(LTM):701百万円
– ROE(実績):4.29%、自己資本比率:78.4%(Q1 78.8%)、現金同等物:6,929百万円

(出所:ご提供データ・決算短信 2026年4月期1Q、各種指標)


企業情報

銘柄コード 2294
企業名 柿安本店
URL http://www.kakiyasuhonten.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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By シャーロット

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