東京エネシス(1945)企業分析レポート
株価:1,609円(2025-10-03終値)/市場:プライム/時価総額:約562.7億円
– 企業情報
– 概要:発電所・変電所など電力インフラを中心に、企画・設計・施工・保守まで一貫提供するエンジニアリング会社。火力・原子力・水力・再生可能エネルギー設備、変電設備、環境・プラント、通信・電気設備、建築・土木も手掛ける。機器の製造・販売・リース、不動産、発電・電力供給、倉庫、人材派遣など周辺事業も展開。
– 特徴:東京電力グループ向け案件が中心(東電HDが筆頭株主)。原子力(福島第一廃止措置・安全対策)、変電・系統強靭化、蓄電池、データセンター関連など需要領域に強み。
– 事業構成(2025/3期):設備工事 約91%(営業利益率7%)、その他 約9%(同1%)。
– 業界のポジションと市場シェア
– 業界内位置づけ:電力設備に強みを持つエンジニアリング&コンストラクション(E&C)。電力会社・大手産業向けの大型・専門性の高いプロジェクト比率が高い。
– 競争優位性
– 長年の電力会社向け実績・安全品質・原子力/高電圧設備の専門ノウハウ。
– 保全(メンテナンス)・改修が多く、受注の継続性が比較的高い。
– 再エネ接続・系統増強、データセンター用変電など新規需要に適合。
– 課題
– 取引先集中(東電向けが大きい)、案件採算の変動、資材・人件費上昇、慢性的な人手不足。
– プロジェクト型のため収益変動が起こりやすい。
– 経営戦略と重点分野
– 中期方針(2024–2026年度):「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」。
– 重点施策
– 変電分野強化(2025年4月 変電工事部新設):データセンター・再エネ接続・系統強靭化需要の取り込み。
– 原子力:再稼働・安全対策、廃止措置(福島第一)関連の継続需要。
– 水力:更新・改修需要(S&B)。
– 地域展開強化:拠点活用・施工力の底上げ。
– 新規事業:バイオガス発電(熊本県合志市)など。
– 進捗(2026/3期1Q):受注+31%(184.4億円)、手持工事高+28%(1,242億円)と積み上がりを確認。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:一括受注の工事収益+保全・改修のストック性。電力安定供給・脱炭素・データセンター拡張など構造需要がある一方、入札競争・コスト上昇・人員制約でマージン圧力。
– 適応力:原子力・高電圧・溶接・検査などの専門技能を核に、再エネ・蓄電池・系統強靭化へ領域拡張。バックログ増加が中期的な事業継続性を支える。
– 技術革新と主力製品
– 技術・独自性:原子力関連の安全・廃止措置、特高変電・系統連系、溶接・検査センターによる品質管理、BESS(蓄電池)導入工事、データセンター向け電源設備。
– 収益牽引領域:変電(新設・増設)、原子力安全対策・廃止措置、再エネ連系・蓄電池、化学・産業向け発電・プラント。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 現状指標(連結・会社予想/実績)
– PER:約15.8倍(業界平均14.0倍)
– PBR:約0.78倍(業界平均1.1倍)
– EV/Sales:約0.84倍(EV≒571億円=時価総額562.7+有利子負債93−現金84.3、売上677億円LTM)
– EV/EBITDA:約10.3倍(EBITDA 55.8億円ベース)
– 配当利回り(予想):約3.54%(年57円)、予想配当性向:約55.8%(57円/予想EPS102.07円)
– 同業平均との比較
– PERはやや上、PBRは低位(簿価割れ水準)。指標は割高・割安が混在。
– コンパラブル水準の参考価格
– 業界平均PER×EPS(予想):約1,429円
– 業界平均PBR×BPS(実績):約2,271円
(計算値は理論価格ではなく単純比較の参考)
– テクニカル分析
– トレンド認識
– 50日移動平均:1,702円、200日:1,284円。現値は50日線を下回り、200日線を上回る。
– 直近は配当落ち後(9/29)から調整基調。出来高は3カ月平均(約17.2万株)をやや下回る日が多い。
– 位置:年初来高値1,898円から約−15%、安値915円からは大幅上昇後の押し目圏。
– 信用動向:信用倍率15.0倍と買い長。買残は前週比で減少(−4.2万株)し、需給の偏りはやや緩和。
– 財務諸表分析
– 売上・利益の推移(連結、百万円)
– 売上高:72,578(2022)→79,055(2023)→88,467(2024)→67,722(2025/LTM)
– 営業利益:3,158→3,459→3,959→2,667
– 当期純利益:1,226→2,120→2,960→2,900
– LTMは減収・減益だが、2026/3期通期は売上8,200億円(+21.1%)の会社計画。
– 収益性
– 粗利率:約13.3%(LTM)
– 営業利益率:約3.5–3.9%(LTMデータ差異あり)
– 純利益率:約4.3%(LTM)
– 1Q(2026/3期):営業利益率3.5%、特別利益(固定資産売却益)寄与あり。
– 効率・資本
– ROE:4.23%、ROA:2.31%(LTM)
– 自己資本比率:63.3%(期首実績)→72.2%(2025/6期末)
– 流動比率:約303%、ネット有利子負債は軽微(現金84.3億円、借入93.0億円)。
– キャッシュフロー:四半期CFは未提示。減価償却は年50億円規模、EBITDA 55.8億円(LTM)。
– 株主還元と配当方針
– 配当実績:年間52円(2025/3期)
– 配当予想:年間57円(中間28円・期末29円、2026/3期)
– 予想配当性向:約56%
– 自己株式:発行株式の約4.76%(保有)。新規の自己株買いは開示なし。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で+40.5%と中長期は上昇トレンド。直近は50日線割れで短期は調整局面。
- 需給・関心:インサイダー保有51.3%と安定株主中心。浮動株は約1,135万株、出来高は中程度。信用買い残は高め。
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価格ドライバー
- 受注・バックログ動向(変電・原子力・再エネ/BESS・データセンター)
- 資材・労務コスト、人員確保による採算動向
- 特別損益の発生(資産売却、デリバティブ評価等)
- 政策・規制(原子力再稼働、系統増強投資、エネルギー政策)
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総評
- 電力インフラの保全・強靭化、原子力関連、再エネ・蓄電、データセンター需要など構造的な需要が追い風。受注・手持工事高は増加傾向で中期の業務量は確保されつつある。
- 収益性はE&C平均レンジ(営業利益率3–5%)で、コスト上昇と人員制約がボトルネック。特別損益の影響も散見され、平準化が課題。
- 財務基盤は強固(自己資本比率>60%、流動性良好)。配当は増配方針で利回り3.5%前後。
- バリュエーションはPBRで低位、PERは業界平均やや上と分かれる。短期は50日線割れの調整、長期は200日線上で基調は堅調という構図。
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主要リスクは顧客集中、案件採算(資材・労務費)、人材確保、政策・規制変更、為替・金利、原子力関連の進捗など。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年比で減少(88.5→67.7十億円、−23%)。一方、1Qは+5%で通期計画は増収見込みだが、基準はLTMと3年CAGR(概ね横ばい〜微減)を重視。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約13%、営業利益率約3.5–3.9%とE&C平均レンジ。特別要因を除くと大幅ではない。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率63–72%、流動比率約303%、D/E約13.5%と保守的。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均よりやや上、PBRは平均未満、EV/Sは低めで総合中立。
参考データ・指標(抜粋)
– EPS(予想):102.07円、BPS(実績):2,064.68円
– ROE:4.23%、自己資本比率:63.3%(期首)/72.2%(1Q)
– 受注高:184.4億円(+31.1%)、手持工事高:1,242億円(+28.3%)
– 50DMA:1,702円、200DMA:1,284円、β:0.30
– 配当:年57円(予想)、配当利回り約3.54%、配当性向約56%
注記
– 本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資勧誘や助言を目的としません。
– 一過性損益(固定資産売却益・デリバティブ評価損益等)は収益性評価からは除外するよう留意しています。
– 不明・未開示の項目は記載を省略しています。
企業情報
銘柄コード | 1945 |
企業名 | 東京エネシス |
URL | http://www.qtes.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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