1. 企業情報
- 概要:半導体・電子部品の専門商社。電子デバイス(半導体、受動部品、表示デバイス、モジュール等)の販売に加え、組込ソフトやASIC/FPGAの受託開発、EMS(設計・製造受託)まで一貫で提供。産業機器・車載・通信・OA・コンシューマ・アミューズメント向けに展開。IoTソリューションや空中映像操作デバイス「AIplay」等も扱う。
- セグメント構成(売上/利益率):電子部品 79%(営業利益率約2%)、アセンブリ 14%(同約4%)、その他 6%(同約5%)
- 特記事項:ルネサス製品が主力だったが、2024年に代理店契約が解消。事業ポートフォリオの再構築が進行中。アミューズメント向け部材に強み。海外売上比率 34%(2025.3期)。
- 基本情報:設立1953年、従業員577人、本社:東京都品川区。市場区分はプライム。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の中堅クラスの半導体・電子部品商社。大手(例:加賀FE、マクニカ、リョーサン、レスターホールディングス等)に比べ規模は小さいが、産業用・アミューズメント領域や設計・EMSまで含むソリューション対応に特徴。
- 競争優位性:
- 設計受託〜EMSまでの一貫提供(Design-in力と量産立ち上げサポート)
- 産業機器・アミューズメント用途の知見・顧客基盤
- 海外比率34%による地理的分散
- 課題:
- 主要サプライヤー(ルネサス)契約解消の影響は大きく、売上縮小とマージン低下が顕在化
- 低マージンな商社モデルの構造的制約(業界平均OPMは概ね低位だが、同社は直近さらに低下)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(推察を含む事業方針の整理):
- 特定サプライヤー依存からの脱却とマルチベンダー化の推進
- 産業機器・車載向けなど中長期需要が見込める領域への集中
- 設計受託・組込ソフト・ASIC/FPGA・EMSなど高付加価値サービスの拡大
- 在庫・与信を含む運転資本マネジメントの強化と資本効率の回復
- 具体的重点(公開情報ベースの範囲):
- アセンブリ/EMS事業の拡大(生産支援・品質保証を含む)
- IoT/エッジAIやアミューズメント向けソリューションの深耕
- 海外売上の維持・拡大
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:仕入販売の粗利(薄利)+設計受託やEMSの付加価値で補完するハイブリッド型。景気・半導体サイクル、主要サプライヤー動向の影響を受けやすい。
- 適応力:
- サプライヤー契約の再構築・ラインアップ拡充が鍵
- 設計・EMSの比率を高めることで景気変動耐性とマージンの改善余地
- 財務基盤が厚く(自己資本比率64.6%、流動比率3.01)、再編・投資余力は確保
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:組込ソフト、ASIC/FPGA設計、評価/検証、製品企画支援など、開発上流から量産までの支援能力を保有。
- 主力領域:産業用/車載向けデバイス、アミューズメント向け部材・システム、IoT/エッジ向けモジュールやソリューション、「AIplay」などの独自性ある商材。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,038円、時価総額 322.5億円、BPS 1,731.98円、EPS(会社予想)24.54円、EPS(LTM)15.75円
- 指標比較:
- 予想PER:約42.3倍(業界平均PER 12.1倍に対し高位)
- トレーリングPER:約65.9倍(EPS LTMベース)
- PBR:約0.60倍(業界平均PBR 1.0倍に対し低位)
- EV/S:約0.10倍[EV=322.5+93.0-296.8=118.7億円、売上LTM=1,160.1億円]
- 解釈:利益ベースでは割高に見える一方、PBRとEV/Sは低位。足元の利益落ち込み(サイクル・構造要因)を織り込む一方、資産/売上対比ではディスカウントが示唆される、混合的な評価。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:50日線 994円、200日線 955円を上回り、52週高値1,113円の約6.7%下。52週レンジ内では上部ゾーン(安値703円対比で約82%地点)。
- 直近値動き:10/1以降に出来高を伴う上昇で年初来高値を更新後、10/6に急伸・反落、10/7は戻し(終値1,038円)。
- 需給:信用倍率6.61倍と買いに偏り。自己株(18.8%)やインサイダー・機関の保有により浮動株は限定的で、短期的な値動きが振れやすい可能性。
8. 財務諸表分析(単位:百万円)
- 売上推移:2022/3 135,205 → 2023/3 179,076 → 2024/3 175,847 → LTM 116,008(YoY -34%、3年CAGR 約-4.8%)
- 利益水準(LTM):
- 粗利 9,245(粗利率 約8.0%)
- 営業利益 637(営業利益率 約0.55%)
- 当期純利益 505(純利益率 約0.44%)
- EBITDA 1,668(EBITDAマージン 約1.4%)
- 収益性指標(実績):ROE 0.94%、ROA 0.07% と低位
- コスト/費用:販管費 8,608、売上減に対し費用調整は限定的で、レバレッジ負担が顕在化
- 財務健全性:
- 自己資本比率 64.6%、流動比率 3.01、D/E(簿価)約0.18と健全
- 現金同等物 296.8億円 > 有利子負債 93.0億円(ネットキャッシュ基調)
- コメント:2024年の代理店契約解消と半導体サイクルの逆風が重なり、売上・利益とも急低下。高水準の自己資本・流動性が下支え。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想1株12.5円(予想利回り約1.20%)。直近トレーリング配当15.5円(利回り約1.51%)。5年平均利回り4.44%。
- 配当性向:LTMベースで約98%と高水準(利益減少の影響)。
- 自社株:自己株式18.81%保有。過去の自己株取得の積み上げにより、浮動株は限定的。
- スケジュール:次回権利落ち予定 2026/3/30。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近10日で年初来高値更新後に反落、当日は反発。3カ月平均出来高10.6万株に対し、イベント日周辺は出来高増。
- ボラティリティ/ベータ:5年ベータ0.19と低めだが、短期は需給要因で変動拡大の局面あり。
- 関心要因(一般論):サプライヤー再構築の進捗、産業/車載の受注動向、在庫循環の転換点、アミューズメント関連需要など。
11. 総評
- 強み:産業・アミューズメント分野の顧客基盤、設計受託〜EMSの一貫支援、海外売上比率の分散、堅固な財務基盤(ネットキャッシュ、自己資本比率高)。
- 課題:主要サプライヤー契約解消後の売上縮小と低い収益性。半導体サイクル・需給の影響を受けやすい商社モデル。
- バリュエーション:PERは業界平均比で高い一方、PBR・EV/Sは低位。利益水準が落ち込む局面特有のミックス。中期的には高付加価値領域の拡大やポートフォリオ再構築による収益性回復が焦点。
- テクニカル:52週レンジ上部で推移。信用買い優勢・浮動株少なめで短期の値動きは振れやすい。
本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:D
- 根拠:LTM売上YoY -34%、3年CAGR 約-4.8%(一過性要因は除外しつつも減収トレンド)
- 収益性:C
- 根拠:粗利率約8%、営業利益率約0.55%、ROE 0.94%と業界感(商社平均2〜4%程度)比で低位
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率64.6%、流動比率3.01、D/E約0.18、ネットキャッシュ
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超で割高、PBRとEV/Sは割安圏。相殺により中立評価
以上。
企業情報
銘柄コード | 8141 |
企業名 | 新光商事 |
URL | http://www.shinko-sj.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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