7921 TAKARA & COMPANY 企業分析レポート(プライム)
株価(終値): 4,185円(2025-10-07)
時価総額: 551億円 / 配当利回り(会社予想): 2.86% / PER: 17.48倍 / PBR: 1.78倍
1. 企業情報
- 概要: 上場企業向けディスクロージャー(法定開示・任意開示・株主総会運営支援等)と通訳・翻訳を主力とする事業持株会社。グループに開示支援大手の宝印刷、通訳・翻訳のサイマルを擁する。IFRS移行支援、IPO支援、ESG/統合報告アドバイザリー、M&A/上場審査支援、IR/ERツール、システム・アプリ開発、AI翻訳システム提供などへ領域拡大。
- 事業構成(2025.5データ):
- ディスクロージャー関連: 売上比率 73%(カッコ内数値は資料表記: 15)
- 通訳・翻訳: 売上比率 27%(同: 4)
主な提供価値は「高度に専門的・規制準拠が求められる日本企業の開示業務のアウトソーシング」と「グローバル対応(翻訳・通訳/ローカライズ)」。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内ディスクロージャー支援の大手プレイヤー。宝印刷ブランドの信頼性、案件運営能力、規制対応知見、XBRLや多言語対応の実務力が強み。
- 競争優位性:
- 上場企業・IPO企業のニーズを一気通貫でカバー(法定開示~任意開示~ESG/統合報告~総会運営~IRツール)。
- 通訳・翻訳(サイマル)を内製し、グローバル開示/IRでの総合提案力。
- 高いスイッチングコスト(開示体制やテンプレ、年次イベントの定常化)。
- 課題:
- デジタル化・自動化(EDINET/XBRL、生成AI、機械翻訳)により、単純作業の収益性が低下するリスク。
- 印刷から電子提供へのシフト、ESG/統合報告の基準変化に伴う継続的なアップデート需要への投資負荷。
- PR/IRコンサル、監査・アドバイザリー、SaaSベンダーなど隣接領域からの競合。
(注)市場シェアの定量値は開示なし。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(公開情報からの整理):
- 規制・基準対応の高度化(IFRS、ESG/統合報告、サステナビリティ開示)へのアドバイザリー強化。
- IPO/上場審査・TOKYO PRO Market対応、M&A関連IR/翻訳の獲得。
- 自動化・効率化ツールの開発・提供(WizLaboBudget等の管理系/ER・SRツール、ワークフロー/ガバナンス整備を支援)。
- AI翻訳/ローカライズ高度化と秘匿性の高い翻訳案件の品質・セキュリティ差別化。
- 重点テーマ:
- 高付加価値のコンサル・アドバイザリー比率の引き上げ
- デジタル/サブスクリプション型の収益基盤拡大
- グループ横断のクロスセル(開示×翻訳×IRツール)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 年間の定常イベント(決算・有報・総会・統合報告)に基づくリピート性が高い一方、繁閑の季節性あり。通訳・翻訳は都度案件に加え、継続契約・運用で準安定。
- 持続性評価:
- 規制/基準の変化は構造的な需要を生む一方、自動化で単価圧力も。付加価値領域(コンサル/設計/多言語IR/ESG戦略)へのシフトが鍵。
- ツール・システム化によりスケーラビリティ向上余地。AI活用は効率化と差別化の両面。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・サービス: 自動化ツール、WizLaboBudget(予算管理)、ER/SRツール、IR/コーポレートサイト構築、AI翻訳システム、IFRS/ESGアドバイザリー。
- 収益ドライバー:
- ディスクロージャー関連(売上の約7割超)が収益を牽引。
- 通訳・翻訳はグローバルIR/M&A/秘匿情報翻訳など高難度領域で差別化。
- 備考: 生成AI等による翻訳の一般化に対し、機密性/専門性/品質保証での優位確保が重要。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 4,185円
- 会社予想EPS: 239.75円 → PER 17.48倍(業界平均 14.5倍)
- BPS: 2,358.62円 → PBR 1.78倍(業界平均 1.3倍)
- 配当利回り(予想): 2.86%(5年平均 2.84%)
- EV/Sales(概算):
- EV ≒ 時価総額551億 + 有利子負債0.18億 − 現金198.6億 ≒ 354億円
- 売上高LTM ≒ 304億円 → EV/S ≒ 1.16倍
- コメント:
- PER/PBRは業界平均に対しプレミアム水準。一方、強固な財務・ROE約14%・ディフェンシブな需要がプレミアムの背景。
- ネットキャッシュが厚く、EVベースでは割高感が緩和。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日線3,907円、200日線3,369円を上回り、上昇トレンド維持。52週高値4,355円に近いレンジ。
- 直近推移: 9/24~10/7で4,065円→4,185円。年初来高値圏でのもみ合い。
- 出来高: 3ヶ月平均3.06万株に対し、直近は1.27万株とやや細り。勢いは一服気味。
- 信用需給: 信用買残+7,100株/週、倍率1.96倍。ロング優位だが過熱感は限定的。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高推移(百万円): 25,318(2022)→ 27,568(2023)→ 29,278(2024)→ LTM約303,900(企業財務指標ベース)
- 3年CAGR ≈ 6%台。直近期の四半期売上成長率YoY +8.6%。
- 収益性(LTMベース):
- 粗利率 ≈ 42%(粗利127.6億/売上303.9億)
- 営業利益率 18.85%、純利益率 13.56%
- ROE 13.99%、ROA 7.03%
- キャッシュ・財務:
- 現金等 198.6億円、総負債 1.84億円、ネットキャッシュ大。
- 自己資本比率 75.7%、流動比率 4.13と安全性高い。
- その他:
- 一過性項目の計上が確認でき、Normalized指標は安定的水準。評価では一過性を除外。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当: 120円/株(利回り約2.86%)、配当性向 約28.7%。
- 5年平均利回り: 2.84%と概ね一貫。
- 自己株式: 保有比率 1.32%(過去の自社株買いの痕跡)。直近の新規買付計画はデータ無し。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +59.2%。低β(0.21)ながら安定的に上昇。
- 需給/関心:
- 機関保有比率 約38%、インサイダー約13%。
- 直近出来高は平均を下回るが、年初来高値圏で底堅い価格帯。
- 影響要因:
- 規制・基準変更(ESG/サステナ開示、IFRS)、IPO市況、決算・配当発表、為替(翻訳需要)等。
11. 総評
- ディスクロージャー支援の大手として、規制対応力と運用実務の蓄積、通訳・翻訳を含む総合力が強み。デジタル/AI進展は既存作業の単価圧力となる一方、IFRS・ESG/統合報告・IPO/グローバルIR等の高付加価値領域での需要は継続。
- 財務は極めて健全(高自己資本比率・厚いネットキャッシュ)。収益性は業界水準を上回る。
- バリュエーションはPER/PBRで業界平均に対しプレミアムだが、ネットキャッシュや安定的な収益/低βが背景。テクニカル面では高値圏での推移。
- 重要論点は「自動化/AI時代における高付加価値領域へのシフト速度」と「ツール/サブスクリプションの積み上げ」。これらの進捗が中期的な評価に影響。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM/四半期の増収、3年CAGR約6%と安定成長。
- 収益性: A
- 粗利率約42%、営業利益率約19%、ROE約14%と高水準。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率75.7%、流動比率4.13、実質無借金に近い。
- 株価バリュエーション: C
- PER/PBRは業界平均上回りプレミアム。EV/Sは約1.16倍で中立~やや割高寄り。
参考データ
- 年初来高値/安値: 4,355円 / 2,711円
- 50日移動平均: 3,907円 / 200日移動平均: 3,369円
- 次の主なイベント:
- 権利落ち日(予定): 2025-11-27
- 決算関連ウィンドウ: 2025-07-07〜07-11(直近は経過)
企業情報
銘柄コード | 7921 |
企業名 | TAKARA & COMPANY |
URL | https://www.takara-company.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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