応用地質(9755)企業分析レポート
株価:2,825円(時価総額 702.3億円、プライム市場)
1. 企業情報
- 概要:地質調査業の最大手。国内外で地盤・地質に関わる調査・解析・コンサルティングに強みを持ち、防災・インフラ保全、環境・エネルギー、国際(機器製造・資源探査含む)の3本柱で事業を展開。
- 主な提供価値
- 防災・インフラ:社会インフラの点検・長寿命化支援、地中可視化、3D地質解析、空洞探査、非破壊検査用レーダー、地質リスク管理、交通環境マネジメント
- 防災・減災:地震動計算・被害予測、津波シミュレーション、ハザードマッピング・センサー、土砂災害対策、流域治水、火災延焼予測、火山・地震観測ネットワーク
- 環境:災害廃棄物処理計画・迅速処理、福島復興支援、グリーンインフラ、土壌・地下水汚染対策、アスベスト調査・除去、環境アセスメント
- 資源・エネルギー:洋上風力支援、メタンハイドレート研究支援、エネルギー施設防災、地中熱・地熱発電支援、資源探査機器の製造販売
- 会社データ:本社=東京都千代田区、設立=1957年、従業員=2,733人、平均年齢45.2歳、平均年収730万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:地質調査分野の首位。公共投資関連の売上比率が大きく、国内外で計測機器の展開も実施。
- 競争優位性
- 地質・防災・環境領域における長年の実績と技術資産(地中可視化、3D解析、センサー・観測網)
- 公共・インフラ案件への強いアクセスと信頼
- 機器製造(探査機器)を持つ垂直統合的な提供体制
- 課題
- プロジェクト型収益の季節性・案件偏重、政策予算動向の影響
- 国際事業・一部セグメントの利益率の伸び悩み(後述のセグメント利益率参照)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 長期ビジョン「OYO サステナビリティ ビジョン 2030」
- 中期経営計画「OYO 中期経営計画2026」:社会・環境価値と事業収益の両立を深化
- 重点分野(抜粋)
- インフラメンテナンス・長寿命化、地中可視化・3D地質解析の高度化
- 防災・減災のデータ利活用(シミュレーション、観測ネットワーク、ハザードマップ)
- 環境・エネルギー(洋上風力、地熱・地中熱、汚染土壌・地下水対策、復興支援)
- 国際展開と計測・探査機器の収益性向上
- 25年通期会社計画(予想)
- 売上高 750億円、営業利益 45億円、経常利益 51億円、純利益 33億円、EPS 144円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:調査・解析・コンサル等のプロジェクト収益+計測・探査機器の製販。公共投資や防災・環境規制、再エネ拡大の構造的需要が下支え。
- 持続性評価
- 需要の安定性:インフラ老朽化対策、防災・気候変動対応、環境修復・再エネは中長期テーマ。
- 変化対応力:3D解析・センサー・シミュレーション等の技術蓄積と現場実装力を併せ持つ点が強み。
- リスク:予算執行のタイミング・為替・海外プロジェクトリスクに注意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:地中可視化、3D地質解析、非破壊検査レーダー、広域観測(地震・火山等)やシミュレーション(津波、土砂、流域)に強み。
- 収益牽引領域(24年実績ベースの利益率)
- 環境・エネルギー:営業利益 29.09億円/売上 287.04億円(営業利益率 約10.1%)
- 防災・インフラ:10.69億円/271.54億円(同 約3.9%)
- 国際:4.02億円/188.66億円(同 約2.1%)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標
- 株価 2,825円
- 予想PER 19.69倍(業界平均 17.0倍)
- 実績PBR 0.85倍(業界平均 1.8倍)
- 予想EPS 143.5円、実績BPS 3,313.99円
- トレーリングPER(目安):2,825円 / LTM EPS 200.73円 ≈ 14.1倍
- EV指標(概算)
- 総現金 328億円、総有利子負債 36億円 → ネットキャッシュ 約292億円
- EV ≈ 時価総額702億円 − ネットキャッシュ292億円 ≈ 410億円
- EV/Sales(LTM)≈ 410億円 / 763億円 ≈ 0.54倍
- EV/EBITDA(LTM)≈ 410億円 / 68.6億円 ≈ 約6.0倍
- 評価の要点
- 予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは大幅に下回る水準。ネットキャッシュを踏まえたEV倍率は相対的に低位。
- 会社計画では25年EPSが低下見込み(170円→144円)で、フォワードPERが切り上がっている点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 50日移動平均:2,997円、200日移動平均:2,809円
- 現在値は50日線を下回り、200日線のやや上。年初来高値3,330円からは約−15%、安値2,253円からは約+25%。
- 直近の値動き(10日)
- 終値は2,940円前後から2,825円へ弱含み。短期は戻り売りが意識される位置。
- 総合所見:中期はレンジ内の中腹〜やや下寄り。高値圏ではなく、かといって安値圏でもない中立ゾーン。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結)
- LTM売上高 763億円(前年比 +3.0%)、24年 741億円、23年 656億円、22年 590億円、21年 517億円
- LTM営業利益 47.3億円、LTM純利益 46.5億円
- 収益性(LTM)
- 粗利率 約31.6%(=241億円/763億円)
- 営業利益率 約6.2%
- EBITDAマージン 約11.4%
- 純利益率 約6.1%
- 効率性・資本
- ROE(実績)5.27%(LTM目安 6%前後)、ROA(LTM)2.85%
- 財務安全性・流動性
- 自己資本比率 72.8%、流動比率 4.09倍、D/E 4.73%、ネットキャッシュ約292億円
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM)45.5億円、フリーCF(LTM)38.5億円と良好
- トレンド
- 21→24年で売上は年平均+12〜13%程度の成長。24年の純利益は横ばいだが、LTMでは増益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想年間配当 86円(予想利回り 約3.04%)
- トレーリング配当 100円(実績利回り 約3.5%)
- 5年平均利回り 2.54%、配当性向(実績)約49.8%
- 自社株買い
- 自己株式の取得を決議済み。自己株保有比率 6.29%(期末時点)
- 参考
- 次回権利落ち予定日:2025/12/29
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近は50日線を下回り、短期は弱含み。200日線付近での攻防。
- 信用動向:信用買残 14.1万株(前週比 +2.43万株)、信用倍率 5.83倍。個人投資家の押し目志向の強まりが示唆される一方、逆日歩等の指標動向は未確認。
- 流動性・ボラティリティ:3カ月平均出来高 約5.2万株、β(5年)0.14と低ボラティリティ。
- 今後の注目材料:公共投資計画、防災・気候関連政策、再エネ(洋上風力・地熱)進捗、年末の配当権利取り動向など。
11. 総評
- 強み:地質・防災・環境のコア技術と公共案件基盤、成長する環境・エネルギー分野の高い利益率、堅固な財務(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。
- 課題:国際・一部セグメントの利益率改善、プロジェクト偏重による収益のタイミング変動、会社計画での25年EPS減少見通し。
- バリュエーション:予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍未満でネットキャッシュを勘案したEV倍率は低位。収益水準の持続・改善が評価の鍵。
- テクニカル:短期は弱含みだが、中長期はレンジの中位圏で中立的な位置。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上成長率 +3.0%、21→24年の3年CAGR 約+12.7%。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率 約6.2%、EBITDA率 約11.4%。セグメントでバラツキがあり、総合では中位水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率 72.8%、流動比率 4.09倍、D/E 4.73%、ネットキャッシュ基調。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:予想PERは業界平均超、PBRは大幅ディスカウント、EV倍率は低位。総合では中立評価。
企業情報
銘柄コード | 9755 |
企業名 | 応用地質 |
URL | http://www.oyo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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