フォーラムエンジニアリング(7088)企業分析レポート
株価:1,267円(2025-10-09)/市場:東証プライム/時価総額:678億円
1. 企業情報
- 概要:機械・電気系を中心とするエンジニアに特化した人材派遣・紹介を主力とし、「コグナビ(Cognavi)」ブランドで新卒就職支援、転職支援、企業向け研修なども展開。インドではCognavi Indiaを通じジョブポータルやメディアを展開。
- 事業構成:単一セグメント(エンジニア派遣・紹介 100%)
- 従業員:5,362人、平均年齢38.6歳、平均年収460万円
- 特色:機電系エンジニア特化の派遣が柱。自社プラットフォーム「コグナビ」による集客・マッチング力を活かし、国内外で人材需給の課題解決を志向。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内位置づけ:エンジニア派遣に特化した中堅規模のプレイヤー(大手にはテクノプロHD、メイテックグループなど)。正確な市場シェアは非開示。
- 強み
- 機電系に特化した採用・マッチングノウハウ(派遣稼働人員4,563名、前年同期比+226名)
- プラットフォーム「コグナビ」による人材獲得力(新卒・転職・教育まで多面的に展開)
- 低借入・高自己資本比率による財務耐性
- 課題
- 採用競争の激化による採用コスト上昇・人材確保難
- 景気変動や製造業の設備投資動向の影響
- 派遣法制・同一労働同一賃金など制度対応
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/基本方針:「コグナビ」を軸に派遣・新卒・転職・教育の“複数収益柱”を形成し、持続的成長を目指す。
- 重点施策
- 派遣:採用強化と稼働人員の増加、単価改善(人手不足・インフレ環境を価格改定に反映)
- 新卒:課金体系を掲載料型へ移行しスケール性を重視(2027年卒:登録5,208名、掲載133社)
- 転職・教育:コグナビ転職/コグナビカレッジの拡充
- 海外:インドでのユーザー基盤拡大(学生会員約34万人、導入企業約12,000社)、有料化・サブスク導入を計画
- 業績予想(会社計画、2026/3期)
- 売上高 382億円(+10.1%)
- 営業利益 50億円(+19.0%)
- 親会社純利益 34億円(+17.9%)
- EPS 64.68円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:派遣は稼働人員×稼働率×時間単価がドライバー。紹介・新卒は成功報酬/掲載料、教育は受講・研修料。インドは将来的にサブスク収益化を見込む。
- 構造要因:国内の慢性的なエンジニア不足は派遣需要を下支え。一方、景気後退時の稼働率調整リスクは残存。
- 適応力:プラットフォーム活用による採用効率化、事業ポートフォリオの多角化で循環影響の平準化を志向。資産ライトかつ高自己資本・豊富な現金で機動性あり。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:エンジニア派遣(売上の大半)。採用・配置アルゴリズムやデータベース活用が差別化要素。
- プロダクト
- コグナビ派遣/転職/新卒:集客とマッチングの一貫運用
- コグナビカレッジ:企業向け研修(大学教授等による講座)
- Cognavi(インド):ジョブポータル、将来の有料化・サブスクが収益オプション
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS:64.65円、BPS:228.44円
- 現在株価:1,267円
- 倍率(概算)
- PER(予想):19.6倍(=1,267/64.65)
- PBR(実績):5.55倍(=1,267/228.44)
- 配当利回り(予想):約4.93%(=62.5/1,267)
- EV/売上高(LTM):約1.64倍(EV≒569.8億円、売上346.9億円)
- EV/EBITDA(LTM):約12.1倍(EBITDA約46.9億円)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:約17倍 → 予想PERは平均比で高め
- 業界平均PBR:約1.8倍 → PBRは平均比で高め
- 参考水準(単純比較)
- 業界平均PER適用株価:64.65円×17倍 ≒ 1,099円
- 業界平均PBR適用株価:228.44円×1.8倍 ≒ 412円
(注:単純比較であり、事業特性・成長性・資本効率の差異は未反映)
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド位置:株価1,267円は50日移動平均(1,283円)をわずかに下回り、200日線(1,125円)を上回る水準。中期上昇トレンドの中で短期はもみ合い。
- 価格帯:年初来高値1,360円(-6.8%)、安値833円(+52%)
- イベント:2025-09-29の配当落ち(31円)によるギャップ影響が直近の価格系列に含まれる
- 需給:信用買残151.9万株、売残1.2千株、信用倍率約1,267倍と買いに偏在。浮動株が少なく(フリーフロート約1,646万株)、需給の影響を受けやすい構造。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高:26,914(2022)→28,751(2023)→31,279(2024)→34,688(LTM)
- 営業利益:1,835→1,622→3,029→4,202
- 親会社純利益:1,248→1,163→2,039→2,884
- マージン(LTM目安)
- 粗利率:約30.3%(=10,502/34,688)
- 営業利益率:約12.1%(会社開示ベースでは約12.8%)
- 純利益率:約8.3%
- 資本効率・安全性
- ROE:約22〜23%
- ROA:約14.6%
- 自己資本比率:68.8%(期首)→65.0%(1Q、配当支払い反映)
- 流動比率:2.55倍、D/E比率:約0.5%
- 現金・預金:109.3億円、借入:6.4千万円(実質無借金)
- 四半期動向(2026/3期1Q)
- 売上+8.2%、営業利益+3.9%、純利益+4.7%と増収増益
- 派遣稼働人員増と単価上昇が寄与
9. 株主還元と配当方針
- 配当(実績/予想)
- 2025/3期:年53円(実績)
- 2026/3期:年62.5円(予想:中間31円、期末31.5円)
- 配当性向:予想ベース約97%(EPS64.65円、DPS62.5円)
- 自己株式:約1.5%前後(801千株、1Q末)
- 株式分割:2023-11-29に2分割
- 方針メモ:高配当を継続。自社株買いの積極的な開示は見当たらず(直近短信ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週騰落+38.1%、ベータ0.26(相場連動性は低め)
- 需給・オーナーシップ:インサイダー保有約59.7%、機関保有約6.0%、浮動株小さめ。信用買いの積み上がりが短期ボラティリティの要因になりやすい構造。
- 取引活況度:3カ月平均出来高約8.7万株、直近10日平均約12万株。直近は配当落ち後にもみ合い。
11. 総評
- 収益面では、エンジニア不足を背景に派遣稼働と単価の伸長が続き、売上・利益ともに拡大基調。営業利益率は約12〜13%と同業内でも高水準。
- 財務は実質無借金で自己資本比率も高く、配当原資の安定性がうかがえる。一方、配当性向は高位で内部留保は相対的に限定的。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均比で高め。高ROE・資本効率や安定的な配当、プラットフォーム戦略への評価が織り込まれている可能性。
- 短期は50日線近辺でのもみ合い。信用買い偏重・浮動株の少なさから、需給の振れに留意。
- 中期は「コグナビ」を軸とした多柱化とインド事業の収益化進展が注目点。採用環境・法規制・マクロ需給の変化が主なリスク。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+10.9%、3年CAGR約+8.8%。稼働人員増・単価上昇を確認。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約30%、営業利益率約12〜13%、ROE約22〜23%と高水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率65〜69%、実質無借金、流動比率2.55倍。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER19.6倍(業界平均17倍超)、PBR5.55倍(平均1.8倍超)、EV/EBITDA約12倍。
参考データ(抜粋)
– LTM:売上346.9億円、営業利益42.0億円、純利益28.8億円、EBITDA46.9億円
– 1Q(2026/3期):売上92.3億円(+8.2%)、営業益11.9億円(+3.9%)、純益8.1億円(+4.7%)
– 配当:予想62.5円、配当性向約97%、予想利回り約4.9%
– テクニカル:50日線1,282.7円、200日線1,125.3円、年初来高値1,360円・安値833円
– 今後の主な予定:配当権利落ち予定 2026-03-30(予想)
企業情報
銘柄コード | 7088 |
企業名 | フォーラムエンジニアリング |
URL | https://www.forumeng.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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