1. 企業情報
デジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT)は、独立系の情報サービス会社です。主な事業は、金融機関、通信企業、医療・製薬、製造業、公共機関など幅広い顧客向けのソフトウェア開発です。特に、ビジネスソリューション、組込み開発・検証サービス、WebARGUSやxoBlosなどの自社プロダクトによるソリューション提供に注力しています。サイバー攻撃対策となるセキュリティシステムの構築も得意分野としています。事業の約96%をソフトウェア開発が占めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は独立系情報サービス会社として、特定のベンダーに縛られない柔軟なITサービス提供を強みとしています。自社開発のWebサイトセキュリティソリューション「WebARGUS」や、Excel業務効率化プラットフォーム「xoBlos」といったプロダクトは、独自の競争優位性を構築しています。また、車載機器やIoT関連の組込み開発・検証サービスでは、専門性の高い技術力を有しています。DX、AI、クラウド、サイバーセキュリティ分野への市場ニーズが拡大する中、これらの需要を捉えることで成長機会を得ています。M&Aによる事業領域や顧客基盤の拡大も競争力の一環となっています。業界全体のソフトウェア投資が好調に推移していることは、同社にとって追い風です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「50・50・50超えへの挑戦」をスローガンに、2030年ビジョンとして売上高500億円、営業利益50億円、配当性向50%以上を目指す積極的な成長戦略を掲げています。新中期経営計画(2024~2026年度)では、Purpose経営の推進、事業構造改革、成長軌道の実現を目標としています。
具体的な施策としては、ソフトウェア開発事業において、金融回帰戦略の推進、クラウド領域の拡大、ローコード/アジャイル開発の導入、車載IVIやIoTといった先端技術分野での開発・検証体制強化、北米市場への展開を進めています。自社プロダクトではサブスクリプションモデルの強化を図り、安定収益の積み上げを目指しています。また、M&Aにより製品群や顧客基盤の拡充を図ることも重点分野の一つです。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、多様な業界へのカスタムソフトウェア開発と、自社プロダクトの販売・サービス提供を組み合わせることで構成されています。特に自社プロダクトは、WebARGUSやxoBlosなど、サイバーセキュリティや業務効率化といった現代の企業が抱える課題解決に直結するものであり、市場ニーズの変化に強い適応力を持っています。サブスクリプションモデルへの転換を推進することで、安定した継続的収益基盤の確立を図っています。DX、AI、クラウドへの投資トレンドやサイバーセキュリティの重要性向上は、同社の主要事業にとって持続的な追い風となるでしょう。M&Aを成長戦略に取り入れることで、新たな市場・技術に対応できる柔軟性も持ち合わせています。
5. 技術革新と主力製品
同社の技術革新は、主に以下の主力製品・サービスを通じて行われています。
* WebARGUS: Webサイトの改ざんを自動検知・防御するセキュリティソリューション。ウェブサイトの信頼性維持に不可欠な技術を提供しています。
* xoBlos: Excelを用いた業務の自動化・効率化を実現するプラットフォーム。日本企業の多くがExcelに依存している現状において、高いニーズに応えています。
* Anti Phishing Mail Gateway: フィッシングメール対策に特化した電子署名ゲートウェイソリューション。サイバー攻撃の高度化に対応する技術です。
* エンベデッドソリューション: 車載インフォテインメントシステム(IVI)、IoT機器、半導体関連の開発・検証など、最先端の組込み技術分野で強みを持っています。
自社プロダクトのサブスクリプション化や、DX、AI、クラウドといった先端技術を活用したソリューション開発に継続的に投資しています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,508.0円です。
* EPS(会社予想): 149.55円 (2026年6月期予想)
* PER(会社予想): 16.77倍
* PBR(実績): 4.57倍 (2025年6月期実績)
* BPS(実績): 548.77円 (2025年6月期実績)
業界平均と比較すると、
* 同社のPER(16.77倍)は、業界平均PER(23.2倍)を下回っており、PER基準では割安感があることが示唆されます。
* 同社のPBR(4.57倍)は、業界平均PBR(2.3倍)を上回っており、PBR基準では割高感があることが示唆されます。ただし、実績ROEが約29%と高い水準にあるため、PBRが高くなる傾向は一定程度説明可能です。
PER基準でみると、業界平均PERを適用した場合の理論株価は、23.2倍 × 149.55円/株 = 約3,469円となります。現在の株価2,508.0円は、この理論株価を下回っています。
7. テクニカル分析
現在の株価2,508.0円は、年初来高値2,679円、52週高値2,679.00円と比較するとやや下回った水準にあります。一方で、年初来安値1,955円、52週安値1,940.00円からは上昇しています。
直近10日間の株価推移を見ると、2025年9月26日の2,622円をピークに、2025年10月9日には2,508円まで緩やかな下降傾向が見られます。
50日移動平均線(2,451.44円)および200日移動平均線(2,383.33円)を両方とも上回っており、中長期的な上昇トレンドは継続している可能性がありますが、短期的には調整局面に入っていると見ることができます。
8. 財務諸表分析
過去数年間の財務データを見ると、堅調な成長が伺えます。
* 売上高: 2022年6月期の161億円から2025年6月期の241億円へと増加しており、過去12ヶ月の売上高成長率は前年比で21.5%と高い伸びを示しています。
* 利益: 売上高の伸びに伴い、売上総利益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も一貫して増加傾向にあります。2025年6月期の営業利益は30億円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億円を超え、それぞれ前年比で24.3%、29.1%の増加となりました。
* 収益性: 営業利益率は12.5%(2025年6月期)と高く、効率的な経営ができていることを示唆します。ROE(自己資本当期純利益率)は29.0%(2025年6月期)と極めて高く、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることがうかがえます。ROA(総資産経常利益率)も28.2%と非常に良好です。
* キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは23.9億円のプラス(過去12ヶ月)と潤沢であり、本業で安定して現金を創出できていることを示します。投資活動によるキャッシュフローはM&Aに伴うものが影響し変動が見られますが、2025年6月期ではプラスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは配当支払いや自己株式取得によりマイナスとなっていますが、株主還元に積極的であることの表れです。
* 財務健全性: 自己資本比率は71.6%(2025年6月期)と非常に高い水準にあり、財務基盤は極めて強固です。流動比率も3.39(2025年6月期)と高く、短期的な支払い能力に問題はありません。有利子負債は極めて少なく、D/Eレシオは0.29%と低く、事実上無借金経営に近い状態と言えます。
9. 株主還元と配当方針
同社は株主還元に積極的な方針を示しています。
* 配当利回り(会社予想): 2.99%
* 1株配当(会社予想): 75.00円 (2026年6月期予想)
* 配当性向: 2025年6月期の実績で49.0%であり、2026年6月期の予想配当性向は50.5%と、50%を超える水準を見込んでいます。これは中長期経営計画の目標である「配当性向50%以上」に沿うものです。
* 自社株買い: 決算短信のキャッシュフロー計算書において、財務活動によるキャッシュフローが自社株式取得によりマイナスとなっていることから、過去に自社株買いを実施し、さらなる株主還元を進めていることが伺えます。
安定的な配当に加え、利益成長に応じた増配や、自社株買いを組み合わせることで、株主価値向上を目指していると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、年初来高値に迫る水準からやや調整局面に入り、緩やかな下降傾向にあります。しかし、50日・200日移動平均線を上回っているため、中長期的には上昇基調を維持しているとも考えられます。
投資家の関心は、DX・AI・クラウド・サイバーセキュリティといった成長市場への対応力、自社プロダクトの競争力、M&Aによる成長戦略の進捗に集まっていると推測されます。
信用買残は増加傾向にあり、一定の買い意欲が見られますが、信用売残も微増しており、売りと買いの攻防が続いている状況です。出来高は特別多いわけではなく、過熱感があるわけではありません。
今後の決算発表(次のEarnings Dateは2025年8月7日~12日)やIRイベント、中期経営計画の進捗報告が、株価モメンタムに影響を与える主要な要因となるでしょう。
11. 総評
デジタル・インフォメーション・テクノロジーは、情報サービス業界において堅調な成長を続ける企業です。DXやサイバーセキュリティといった高成長分野の需要を背景に、売上高・利益ともに過去最高を更新し、15期連続増収増益を達成しています。特に、自社プロダクトとM&Aを組み合わせた成長戦略は、事業モデルの持続可能性と競争優位性を高めています。
財務基盤は自己資本比率71.6%と極めて強固であり、高いROE(約29%)は効率的な資本活用を示しています。株主還元にも積極的で、安定的な配当と増配、自社株買いの方針は株主にとって魅力的です。
株価バリュエーションについては、会社予想PERが業界平均を下回る一方で、PBRは業界平均を上回っており、評価には複数の視点が必要です。直近の株価は高値圏からやや調整していますが、中長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。成長性、収益性、財務健全性ともに優れていますが、過度な期待感や一時的な外部要因が株価に影響を与える可能性も考慮し、今後の詳細な進捗報告を注視することが重要です。
12. 企業スコア
- 成長性: S
- LTM売上成長率(YoY)21.5%と非常に高く、3年CAGR約14.3%も高い水準で推移。15期連続増収増益という実績も評価。
- 収益性: A
- 粗利率25.4%、営業利益率12.5%、EBITDA率13.6%は、情報通信業の業界平均を上回る水準であり、効率的な経営ができていると評価。ROE約29%も極めて高い。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率71.6%、流動比率3.39、D/Eレシオ0.29%と、すべての指標において極めて健全な財務状況と評価。無借金経営に近い。
- 株価バリュエーション: A
- PER(会社予想)16.77倍は業界平均23.2倍を下回り割安感がある。一方でPBR(実績)4.57倍は業界平均2.3倍を上回る。高いROEを考慮するとPBRが高いことも説明できるため、PERの割安性を重視し、総合的にみて高評価とする。
企業情報
銘柄コード | 3916 |
企業名 | デジタル・インフォメーション・テクノロジー |
URL | http://www.ditgroup.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。