デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916)企業分析レポート
株価:2,508円(2025-10-09終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:独立系の情報サービス企業。エンドユーザー向けの受託開発を主軸に、金融・通信・医療・製造・公共など幅広い業種の情報システムを提供。組込みソフト(車載・通信機器等)や第三者検証も展開。
- 自社プロダクト:
- WebARGUS/SentinelARGUS:ウェブ改ざんの検知・自動復旧などセキュリティ製品
- xoBlos:Excel業務の自動化プラットフォーム
- Anti Phishing Mail Gateway:通常メールを自動で電子署名メールに変換しフィッシング対策
- shield cms:CMS
- Phants:調剤薬局チェーン向け管理システム
- DD-CONNECT:電子契約アウトソーシング
- 事業構成(2025年6月期・連結):ソフトウェア開発 96%(利益率目安13%)、システム販売 4%(同9%)
- 従業員:1,532人、平均年齢37.5歳、平均年収566万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:独立系SIerの中堅クラス。受託開発を基盤に、セキュリティ・業務自動化など自社プロダクトを併せ持つ点が特徴。
- 競争優位性(示唆):
- 金融・通信向けの実績と顧客基盤
- WebARGUS等の自社製品によるサブスク収益の積み上げ
- 組込み・検証分野(車載、IoT、半導体)までの裾野の広さ
- 課題(一般論):
- 人材獲得・定着コストの上昇
- 価格競争・大型SIer/クラウドベンダーとの競合
- 季節要因・特需(例:年賀状関連)の剥落による変動
※正確な市場シェアデータは未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中計:
- 2030年ビジョン「売上高500億円・営業利益50億円・配当性向50%以上(50・50・50超え)」を掲げる
- 2024–2026中計:Purpose経営、事業構造改革、成長軌道の持続
- 重点施策:
- 自社プロダクトのサブスクリプション強化(WebARGUS、xoBlosなど)
- DX/クラウド/生成AI/セキュリティ分野での付加価値拡大
- M&Aによる製品・顧客基盤の拡充(前期にジャングル等を連結化)
- 組込み・検証(車載/IoT/半導体)および海外(北米)展開の強化
- 人材投資(平均約9%の昇給など)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:受託開発・保守運用の継続収益に、自社製品のサブスク収益が上乗せ。複数分野・顧客への分散で景気循環の平準化に寄与。
- 適応力:クラウド移行、ローコード/アジャイル、AI・セキュリティ需要の取り込みで単価・生産性の改善余地。M&Aで新商材・チャネルを補完。
- リスク:IT投資の変動、人件費・パートナー単価上昇、特需剥落、製品開発の投資負担。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:生成AI活用、ゼロトラスト/EDR等のサイバー対策、クラウドネイティブ、車載ソフトの高度化、検証自動化。
- 主力・収益牽引:
- 受託開発(金融・通信・製造などの業務/基盤開発、運用)
- 組込み/検証(車載IVI、半導体関連)
- プロダクト(WebARGUS、xoBlos等)のサブスク積み上げ
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(2025-10-09、株価2,508円)
- 時価総額:約388.8億円
- 予想EPS:149.55円 → 予想PER:約16.77倍(業界平均PER 23.2倍と比較して低位)
- 実績BPS:548.77円 → PBR:約4.57倍(業界平均PBR 2.3倍より高位)
- 予想配当:75円 → 配当利回り:約2.99%(想定配当性向 約50%)
- LTM売上:約241.6億円、EBIT:約30.3億円、EBITDA:約32.8億円
- 現金同等物:約53.5億円、総有利子負債:約0.24億円 → ネットキャッシュ約53.3億円
- EV(概算):約335.5億円 → EV/S:約1.39倍、EV/EBITDA:約10.2倍、EV/EBIT:約11.1倍
- コメント:
- PERは業界平均を下回る一方、ROEが高水準(約29%)でPBRは相応に高い。成長性・資本効率とバリュエーションのバランスで評価されている。
7. テクニカル分析
- 位置づけ:年初来高値2,679円に対して約6.4%下、年初来安値1,955円からは約28%上。50日線(約2,451円)、200日線(約2,383円)を上回る推移。
- 直近10日:10/2に2,381円まで下落後、切り返して2,500円台を回復。上値2,540〜2,590円帯での攻防が確認できる一方、出来高は平常域(3カ月平均約6.1万株)。
- ボラティリティ/需給:β(5年)0.65で相対的にディフェンシブ。信用倍率2.38倍、買い長寄りだが過熱感は限定的。
8. 財務諸表分析
- 業績(連結、LTMベース)
- 売上高:約241.6億円(YoY+21.5%)
- 営業利益:約30.1億円(YoY+24.3%)
- 当期純利益:約21.8億円(YoY+29.1%)
- 収益性
- 粗利率:約25.4%(6,145/24,159)
- 営業利益率:約12.5%(3,014/24,159)
- 当期純利益率:約9.0%
- ROE:約29%、ROA:約17.5%
- キャッシュフロー
- 営業CF:約23.9億円、フリーCF:約20.5億円(黒字継続)
- 財政状態
- 自己資本比率:約71.6%、流動比率:約3.39倍、D/E約0.0x(実質無借金、ネットキャッシュ)
- トレンド(売上)
- 2022:161.6億 → 2023:181.5億 → 2024:198.9億 → 2025:241.6億
- 3年CAGR(売上):約+14%前後
- セグメント
- ソフトウェア開発が売上・利益の大宗。システム販売は安定収益源。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(実績/予想)
- 2025年6月期:年間72円(中間30円+期末42円)
- 2026年6月期(会社予想):年間75円(中間37円+期末38円)
- 予想配当性向:約50%
- 自己株式:期中の自己株式取得あり(財務CFで流出計上)。自己株式保有比率4.38%。
- 方針:配当性向50%超を長期目標に掲示。5年平均配当利回り約2.0%(現状は約3%)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:中長期移動平均線上で推移し、押し目後の戻り基調。52週ベースでは上昇率+約16–17%。
- 投資家構成・流動性:
- インサイダー保有:約35.8%、機関保有:約11.3%、フリーフロート約903万株と流通株式は多くない
- 3カ月平均売買高:約6.1万株、日次売買代金は概ね10〜20億円未満で安定推移
- 近接イベント:権利落ち日 2025-12-29(予定)
11. 総評
- 受託開発を基盤に、自社セキュリティ/業務自動化プロダクトのサブスク化、M&A効果を取り込み、15期連続の増収増益を達成。高ROE・高自己資本比率・ネットキャッシュと、財務安全性と収益性が両立。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは高位。資本効率の高さや製品収益(サブスク)の拡大期待が織り込まれている可能性。
- 技術面ではセキュリティ、生成AI、クラウド、車載・半導体関連の需要が追い風。人材コスト上昇や特需剥落などの変動要因には留意が必要。
(本レポートは事実関係の整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 理由:LTM売上YoY+21.5%、3年CAGR約+14%と高成長を維持。
- 収益性:A
- 理由:営業利益率約12.5%、ROE約29%と業界平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 理由:自己資本比率約72%、流動比率約3.4倍、実質無借金のネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 理由:PERは業界平均を下回る一方、PBRは平均超。EV/EBITDA約10倍台前半は中立圏。
参考データ(主な数値)
– 売上高:241.6億円、営業利益:30.1億円、純利益:21.8億円(LTM)
– EPS(LTM):147.3円、EPS(会社予想):149.55円
– BPS:548.77円、ROE:28.98%、自己資本比率:71.6%
– 予想配当:75円、配当利回り:約2.99%、配当性向:約50%
– 50日移動平均:2,451円、200日移動平均:2,383円
– 年初来高値:2,679円、年初来安値:1,955円、β(5年):0.65
企業情報
銘柄コード | 3916 |
企業名 | デジタル・インフォメーション・テクノロジー |
URL | http://www.ditgroup.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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