三菱総合研究所(3636)企業分析レポート

注記:本レポートは公開情報およびご提供データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。不明・不整合なデータは明示・補足のうえ取り扱っています。

1. 企業情報

  • 概要
    • シンクタンク・コンサルティング(TTC)とITサービス(ITS:システム開発・アウトソーシング)の二本柱。
    • 官公庁・公共、金融分野に強み。理系バックグラウンドの研究者・技術者が多数在籍。
    • DX(デジタル)、GX(エネルギー・サステナビリティ)、スマートシティ、モビリティ、ヘルスケア、防災・リスク等の社会課題領域に注力。
    • ForePaaSとの提携等、データ・クラウド領域の共同展開。
  • 事業構成(2024.9 連結)
    • TTC:売上構成比39%、セグメント利益率が相対的に高い
    • ITS:売上構成比61%、大型案件や採算管理の影響を受けやすい
  • 特徴
    • 受注産業の性質上、上期(1Q-2Q)に利益が偏重しやすい季節性。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内大手シンクタンク系コンサル・ITの一角。公共政策や社会インフラ×テクノロジーの交差領域で存在感。
    • 同業比較の参照例:野村総合研究所(NRI:高度なIT×コンサルで高収益)、NTTデータ/TIS/SCSK(大規模SI)、監査系コンサル(デロイト等)。
  • 競争優位性
    • 公共・金融の長期関係、研究知見に根差した政策・制度と技術を橋渡しする提案力。
    • 社会実装やアウトソーシングまで含めた「調査・構想→実装・運用」の一気通貫対応。
  • 課題
    • ITSでの不採算案件リスク、採用・人員配賦・生産性のマネジメント。
    • 同業上位(例:NRI等)と比した収益性の見劣り(利益率水準)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/中計2026(第2年:2025年度)
    • 重点:①DX事業の規模拡大、②基幹事業の質の改善(採算・生産性)、③次世代事業育成。
  • 具体トピック(決算短信・補足資料要旨)
    • TTC:行政DX、半導体、レベル4自動運転、エネルギー・運輸等のテーマで受注拡大。人員増強と生産性向上を進行。
    • ITS:産業・公共向けの更新需要取り込み。上期の不採算案件/本社移転費用の反省を踏まえ採算管理の徹底。
  • 進捗
    • 受注高・受注残が増加(TTC受注高+22.3%、受注残+22.6%)。一方、利益面では期中の先行投資や不採算案件の影響が残存。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • プロジェクト収益(コンサル・SI)+運用・アウトソーシングの継続収益の組合せ。
  • 持続性の視点
    • 政策ドリブン(DX・GX・社会インフラ更新)需要は中期的に底堅い一方、SIは採算ブレの管理が鍵。
    • 受注残の積み上がりは将来売上の可視性向上に資するが、採算品質の確保が前提。

5. 技術革新と主力製品・サービス

  • 技術動向
    • データ利活用、クラウドネイティブ、AI活用、スマートシティ/モビリティ(MaaS、レベル4)、エネルギー最適化等。
  • 収益牽引
    • 公共・産業のDX案件、金融を中心としたシステム開発・アウトソーシング。
    • TTCの利益貢献度が相対的に高く、ITSは規模を生かしつつ採算改善がテーマ。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提(ご提供データ)
    • 株価:5,090円、時価総額:約816億円
    • 会社予想EPS:361.99円、PER:14.06倍(このEPS前提と整合)
    • 実績BPS:4,466.07円、PBR:1.14倍
    • 会社配当予想:年160円(配当利回り約3.14%)
    • 参考:業界平均 PER 23.2倍、PBR 2.3倍
    • 注記:決算短信には通期EPS予想260.37円の記載あり。前提の差異(EPS 362円 vs 260円)に留意。
  • 相対比較
    • PER水準:14.1倍(前提:EPS 362円)で業界平均(23.2倍)より低位。
    • 参考感度:EPS 260円前提なら実質PER約19.5倍。
    • PBR水準:1.14倍で業界平均(2.3倍)より低位。
  • EV倍率
    • EV ≈ 817億 − 現金346億 + 有利子負債9億 ≈ 480億円
    • EV/S ≈ 0.41倍(売上約1,167億円前提)、EV/EBITDA ≈ 4.6倍(EBITDA約104億円)
  • まとめ
    • 指標面は業界平均比で低位のレンジ。EPS前提の相違によりPER解釈は変動。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ
    • 年初来高値:5,350円、安値:3,880円。現値はレンジ上方(高値圏寄り)。
    • 50日移動平均:約4,953円、200日移動平均:約4,750円。現値は両移動平均上。
  • 短期推移(直近10日)
    • 9/29の配当落ち後に4,880円まで調整→5,000円台を回復。出来高は3カ月平均(約3万株)に比べやや軽め(10日平均約2.4万株)。
  • 信用動向
    • 信用買残 14,400株(前週比+2,400)、売残 6,400株(同-3,600)、倍率 2.25倍。需給はやや買い越し方向。

8. 財務諸表分析

  • 収益推移(連結、百万円)
    • 売上高:2021/9 103,030 → 2022/9 116,620 → 2023/9 122,126 → 2024/9 115,362 → 過去12か月 114,265
    • 3年CAGR(2021→2024):約+3.8%、直近LTMは前年比微減。
    • 営業利益:2021/9 6,854 → 2022/9 9,165 → 2023/9 8,689 → 2024/9 7,061 → LTM 5,279
  • 収益性
    • 9カ月累計(2024/10-2025/6):売上 91,623(+1.5%)、営業利益 6,633(-6.0%)、営業利益率 約7.2%、粗利率 約24.0%。
    • LTMベースの営業利益率は約4〜5%台(資料間で差異あり)。EBITDAマージンは概ね9%前後。
  • 最終損益・ROE/ROA
    • 9カ月累計 純利益 4,987(+2.8%)、概算ROE約7.1%、ROA約4.1%。
    • 実績ROE 7.5%(ご提供指標)。
  • 財政状態・キャッシュ
    • 自己資本比率 56.5%(3Q末57.2%)、流動比率 約245%、D/E 約1.1%。
    • 現金同等物 約346億円、有利子負債 約9億円と実質ネットキャッシュ。
  • セグメント
    • TTC:売上 36,751(-1.0%)、利益 5,569(+17.2%)。受注高・受注残とも2桁増。
    • ITS:売上 54,872(+3.3%)、利益 2,702(-20.2%)。不採算案件と移転費用が重石。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 年間予想160円(中間80円・期末80円)。現行株価ベース利回り約3.14%。
    • 配当性向参考:直近ベース約68%(160円/希薄化後EPS 235円ベース)、短信予想EPS 260円前提では約61%。
  • 自己株式
    • 2024/11/22に自己株式380,080株を消却。3Q末の自己株式は約29.4万株(信託分含む)。
  • 大株主
    • 旧三菱系企業・金融機関が広く株主に名を連ね、インサイダー保有比率は約39%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落率 約+18.3%。移動平均線上での推移が続き、上方レンジでの保ち合い。
  • 関心材料
    • 受注・受注残の増勢(特にTTC)、政策ドリブンのDX/GXテーマ。
    • ITSの採算是正進捗、案件ミックスの改善、本社移転費用の一巡。
    • 配当利回り3%台、ネットキャッシュの余力。
  • リスク要因(会社開示ベースの整理)
    • 受注タイミング変動、不採算案件の発生、人材確保・生産性、国際情勢・政策動向。

11. 総評

  • 公共・社会インフラ領域を核に、コンサルから運用までの一気通貫体制と受注残の積み上がりはポジティブなファンダメンタル要素。
  • 一方、ITSの採算ブレや先行費用の影響で営業利益率が伸び悩む局面。中計で掲げる「質の改善(採算・生産性)」の実行度が鍵。
  • 指標面は業界平均比で低位のレンジに位置。もっとも、EPS前提(会社開示内のばらつき:362円 vs 260円)によってPERの見え方が変わるため、比較時の前提整合に留意が必要。
  • 財務体質は健全(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。配当は安定的な水準。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

注:一過性損益は除外に留意。欠損・不整合は保守的に評価。
– 成長性:B
– LTM売上は前年比微減だが、3年CAGRはプラス。9カ月累計では売上+1.5%、受注・受注残は増勢。
– 収益性:C
– 9カ月営業利益率約7%、LTMは5%前後。大手同業平均と比べると利益率は控えめ。
– 財務健全性:A
– 自己資本比率56%台、流動比率約245%、D/E約1%台、ネットキャッシュ。
– 株価バリュエーション:A
– PER・PBRとも業界平均比で低位。EV/EBITDAも相対的に落ち着いた水準。
– 但し、EPS前提の相違(362円/260円)によりPER評価は変動。

補足計算・参考値

  • 配当利回り(実効):160円 / 5,090円 ≈ 3.14%
  • PER(提供前提):5,090円 / 361.99円 ≈ 14.06倍
  • PER(短信EPS260円前提換算):5,090円 / 260.37円 ≈ 19.5倍
  • PBR:5,090円 / 4,466.07円 ≈ 1.14倍
  • EV/S:約0.41倍、EV/EBITDA:約4.6倍

必要に応じ、同業比較の詳細、セグメント別の中長期成長仮説、受注残の消化見通しに基づく将来収益性の感応度分析等も追加可能です。


企業情報

銘柄コード 3636
企業名 三菱総合研究所
URL http://www.mri.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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