8707 岩井コスモホールディングス 企業分析レポート(2025-10-10時点)

以下は公開データに基づく客観的な情報整理です。投資判断を目的とした助言は行いません。

1. 企業情報

  • 概要:関西地盤の証券グループ持株会社。中核子会社「岩井コスモ証券」が対面営業主体でリテール(個人)向けに国内株・米国株、投信等を提供。オンライン取引も併営。
  • 沿革:1944年設立。岩井証券がコスモ証券を買収・統合し現体制へ。2010年に持株会社へ移行。
  • 事業構成(2025/3期 連結):受入手数料38%、トレーディング損益52%、金融収益10%
  • 上場区分:東証プライム(証券・商品先物取引業)
  • 本社:大阪市中央区今橋1-8-12
  • 代表者:沖津 嘉昭
  • 従業員:884人(平均年齢39.3歳、平均年収約866万円)
  • グループ:岩井コスモホールディングス、岩井コスモ証券、岩井コスモビジネスサービス ほか

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:関西では大手クラスの地域密着型フルライン証券。全国的には大手証券(野村・大和・SMBC日興)やネット証券(SBI・楽天・松井等)との競争環境。
  • 競争優位性:
    • 対面×オンラインのハイブリッド体制と地域密着のリレーション。
    • 米国株提案力を強化(収益源の一つ)。
  • 課題:
    • トレーディング損益(株式トレード)依存度が相対的に高く、相場変動の影響を受けやすい。
    • 低コストのネット証券との価格競争、手数料自由化の進展。
    • 安定収益(投信の信託報酬等)の拡大が継続課題。
  • 市場シェア:公表データなし(不明)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(開示等から読み取れる方針):
    • リテール中心の対面コンサルティング強化とオンラインの利便性向上。
    • 国内株に加え米国株の品揃え・情報提供を強化。
    • 投信販売・信託報酬等のストック型収益の積み上げ。
    • コスト抑制・生産性向上(販管費の抑制が進捗)。
  • 中期経営計画:具体的な数値目標の開示は直近期なし(短信ベース)。合理的見積り可能時に開示方針。
  • 直近四半期(2026/3期1Q)の示唆:
    • トレーディング損益が好調(株式トレーディング中心)で利益を牽引。
    • 受入手数料(委託手数料・投信関連)は前年割れ。費用は抑制。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:手数料(委託・募集等)+トレーディング損益+金融収益。現状はトレーディング寄与が大きく、収益変動は市場環境に連動しやすい。
  • 持続性の観点:
    • 相場環境のボラティリティに左右されやすい一方、ストック型(信託報酬等)拡大が安定化に寄与。
    • 規制環境・手数料動向・為替/金利の変動が業績感応度を左右。
    • 対面営業の関係資産を活かし、米国株や資産形成提案で裾野拡大を図る取り組み。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・サービス:
    • オンライン取引基盤や情報提供機能の強化(詳細な技術開示は限定的)。
    • 米国株取扱いの拡充、投信ラインアップ・投資情報の提供。
  • 収益牽引領域:
    • 株式トレーディング損益(2026/3期1Qは前年同期比+25.5%)。
    • 手数料では投信販売・信託報酬などのストックが安定度向上に寄与。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 2,718円、BPS(実績)2,823.3円、LTM EPS 約286.3円
  • 指標(計算値):
    • PBR(実績)= 2,718 / 2,823.3 ≈ 0.96倍(開示値と一致)
    • PER(LTM参考)= 2,718 / 286.3 ≈ 9.5倍
    • 配当利回り:トレーリング145円→約5.33%、フォワード185円(会社予想未開示・外部推定ベース)→約6.8%相当
  • 業界平均との比較(参考):
    • 業界平均PER 13.3倍に対し、同社LTM PERは約9.5倍。
    • 業界平均PBR 1.0倍に対し、同社PBRは約0.96倍。
  • 参考換算(単純比較):LTM EPS×業界平均PER=約3,808円相当(方法論比較であり、投資判断ではありません)。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日移動平均(約2,633円)、200日移動平均(約2,368円)を上回り、上昇基調。
  • 位置づけ:年初来高値2,762円に接近(本日終値2,718円)。相対的には高値圏寄り。
  • 需給:
    • 信用買残 165.9千株、信用倍率 40.46倍(売り残が小さく買い長)。短期の需給変動に留意点。
    • 出来高は直近10日平均で約11.1万株、3カ月平均約10.2万株と増加気味。
  • 近接水準(参考):レジスタンス=年初来高値ゾーン(2,750〜2,760円台)、サポート=50日線近辺(2,630円前後)。
  • 直近イベント:2025/9/29配当落ち通過。

8. 財務諸表分析

  • 成長(売上・利益):
    • 売上高(営業収益に相当):20,706百万円(2022/3)→19,688(2023/3)→24,038(2024/3)→25,748(2025/3、過去12か月)と回復基調。3年CAGR約+7.5%。
    • 営業利益:5,383→4,774→7,603→8,651百万円と増益基調。
    • 営業利益率:2025/3期ベースで約33.6%(別開示LTM値:36.0%)。純利益率:約27.7%。
  • 収益構造(2026/3期1Q):
    • 受入手数料は前年同期比▲23.4%(委託手数料・投信取扱が減少)。
    • トレーディング損益は+25.5%で増加、利益を牽引。
    • 販管費は▲0.5%でコストコントロールが進捗。
  • 資本効率:
    • ROE(実績)約10.0%(LTM指標で約10.8%)、ROA 約3.6%。
  • 財務健全性・流動性:
    • 自己資本比率 36.5%(2025/3期末)→34.4%(2025/6末)。
    • 流動比率 約147%、D/E(LTM)約17%。
    • 現金等 121,380百万円、総資産 192,505百万円(2025/6末)。証券業特性として顧客預り金の振れが大きい点に留意。
  • キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成(短信注記)。詳細は不明。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績(2025/3期):年間145円(中間20円+期末125円)。
  • 今期(2026/3期)配当予想:会社側は未定(外部データではフォワード185円表示あり、会社ガイダンスではない点に留意)。
  • 配当性向(参考):約50.6%(外部データLTM)。
  • 自己株式:発行済の約6.1%を保有(1,523,944株)。自己株活用の可能性はあるが、具体的な還元施策の開示は直近期なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • パフォーマンス:52週騰落率 +35.5%、年初来高値圏。
  • ボラティリティ:5年β 0.10(市場連動性は低位傾向の指標)。
  • 需給・関心:
    • 信用買い優勢(倍率40倍台)。短期的な上昇局面後のポジション調整リスクに留意。
    • 機関投資家保有比率 約15.5%、インサイダー(役員等)約18.2%。
    • フリーフロート 約1,795万株。

11. 総評(要点)

  • 収益はトレーディングの回復が牽引し、売上・利益ともに増加基調。費用抑制で利益率も改善。
  • 一方で手数料収入が弱含み、収益の相場依存度がやや高い構造は続く。ストック型収益の積み上げが安定化の鍵。
  • 財務は自己資本比率が3割半ば、流動性指標は良好。証券業特有の顧客預り金増減で総資産・負債が振れやすい。
  • バリュエーションはLTM PERで業界平均比ディスカウント、PBRは概ね同水準。配当は実績ベースで5%台、外部推定フォワードで6%台の利回り水準(会社予想未開示)。
  • テクニカルは高値圏で推移し、移動平均線上方。信用買い長の需給に注意。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上前年比+7%前後、3年CAGR約+7.5%。利益も増加基調。
  • 収益性:A
    • 根拠:営業利益率30%超、純利益率約28%(LTM)。四半期でも高水準を維持。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率34〜36%台、流動比率約147%、D/E約17%。概ね良好だが同社基準40%目安にはやや届かず。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER約9.5倍は業界平均13.3倍比で低位、PBR約0.96倍は平均並み〜やや低位。赤字ではないためPER評価を主。

参考データ抜粋
– 株価レンジ:52週高値 2,762円/安値 1,800円
– 時価総額:約679.9億円、発行済株式数:25,012,800株、自己株式:約152万株
– ROE(実績):約10.0%、ROA:約3.6%
– 直近1Q(2026/3期):営業収益+1.6%、四半期純利益+19.7%(前年同期比)

注記
– 本資料は公開情報の要約であり、将来予測や投資助言ではありません。
– 配当フォワード数値は外部データベース記載であり、会社公表値ではありません(会社は今期予想未開示)。


企業情報

銘柄コード 8707
企業名 岩井コスモホールディングス
URL http://www.iwaicosmo-hd.jp/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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