1870 矢作建設工業 分析レポート(2025-10-11時点)
株価:2,125円/時価総額:947.9億円/市場:東証プライム
セクター:建設業(建設・資材)/配当利回り(会社予想):4.24%
1. 企業情報
- 概要:中部(名古屋)地盤の総合建設会社。建築(マンション、物流、商業、オフィス、空港、耐震補強)と土木(道路、鉄道、造成、斜面補強)を主力。不動産売買・賃貸、ビル・施設の保全・診断、環境関連コンサル、資材販売も展開。名古屋鉄道(名鉄)と関係が深い。
- 事業構成(2025/3 連結):建築62%、土木23%、不動産15%(カッコ内は営業利益率目安ではなく資料中の括弧表現)
- 従業員:1,499人/本社:名古屋市東区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:中部地区の有力ゼネコン。地域基盤と民間建築案件に強み。名鉄グループとの関係から、沿線開発・再開発や鉄道関連での安定的な案件機会が見込まれる。
- 競争優位性:
- 地域密着の顧客基盤(民間建築)と鉄道・耐震分野の実績
- 不動産事業を併営し、景気局面に応じたポートフォリオ運用が可能
- 課題:
- 資材・労務コスト上昇、時間外上限規制対応(いわゆる建設業の「2024年問題」)
- 受注環境の地域偏在リスク、民間投資サイクルの影響
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(開示情報・事業構成からの整理)
- 民間建築の拡大維持(物流・商業・オフィス・分譲マンション等)
- 耐震補強や鉄道・インフラ関連(公共含む)での安定収益確保
- 不動産事業(売買・賃貸)の収益貢献強化と循環サイクル管理
- 2026年3月期 会社計画(5/7公表、8/6時点修正なし)
- 売上高 1,680億円(前期比+19.4%)、営業利益 100億円(+15.5%)、純利益 66億円(+16.9%)、EPS 153.38円
- 重点施策(短信要点)
- 受注積み上げ(第1Q受注高+25.7%、繰越工事高+13.2%)
- コスト上昇対応(原価・工期管理)、生産性向上
- 財務安定性維持と配当の継続
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:建築・土木の元請収益+不動産売買・賃貸の併営。市況連動性はあるが、鉄道・公共分野や保全・耐震など非景気敏感領域も持つ。
- 適応力:
- コスト上昇環境下での原価・工程管理が鍵
- 不動産(高採算)と建設(ストック・フロー)のバランスで景気変動に対応
- 受注残の積み上がりにより短中期の業績可視性は一定程度あり
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:耐震補強、鉄道関連工事、斜面補強など専門性の高い領域に強み。建築・土木の施工ノウハウと地域ネットワークを活用。
- 収益牽引領域(2026年3月期1Qセグメント)
- 建築 売上 2,879.9億円相当/四半期(注:単位は百万円→28,799百万円)、セグ利益 27.45億円(マージン約9.5%)
- 土木 売上 712.9億円相当/四半期、セグ利益 7.8億円(約10.9%)
- 不動産 売上 522.4億円相当/四半期、セグ利益 13.1億円(約25.1%)
- 不動産が高採算で全体利益に厚み
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 2,125円、EPS(会社予想)153.38円、BPS 1,617.63円、配当予想 90円
- PER(予想):2,125 / 153.38 ≈ 13.85倍(業界平均 14.0倍とおおむね同水準)
- PBR(実績):2,125 / 1,617.63 ≈ 1.31倍(業界平均 1.1倍を上回る)
- 配当利回り(予想):90 / 2,125 ≈ 4.24%、配当性向目安 約46%
- 参考EV倍率(概算):EV ≈ 時価総額947.9億 + 有利子負債421億 – 現金163.6億 ≈ 1,205億円
- EV/S(LTM売上1,552億円前提)≈ 0.78倍
- EV/EBITDA(LTM EBITDA 127億円前提)≈ 9.5倍
- 参考比較:
- 業界平均PER×予想EPS ≈ 14.0×153.38 ≈ 2,147円(理論比較の一例)
- 業界平均PBR×BPS ≈ 1.1×1,617.63 ≈ 1,779円(簿価基準比較の一例)
(注)EV/S・EV/EBITDAの業界平均は本データに未記載。上記は機械的比較であり、投資判断を示すものではない。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:現在値 2,125円
- 50日移動平均 2,178円の下(約-2.5%)、200日移動平均 1,696円の上(約+25%)
- 52週高値 2,323円、安値 1,170円に対し上限寄り(高値比-8.5%)
- 短期モメンタム:直近10日で戻り売り優勢の調整局面(2,244→2,125)。出来高は平常域。
- 需給:信用買残 14.54万株(前週比+1.27万)、信用倍率 9.32倍。短期の上値では手仕舞いによる振れに注意感。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(通期実績ベース)93,089→111,110→119,824→140,698百万円と拡大傾向(3年CAGR約15%)
- 2026年3月期1Q 売上 41,153百万円(前年同期比+54.5%)
- 収益性:
- 2025/3期 営業利益 8,654百万円(営業利益率約6.1%)
- 2026/3期1Q 営業利益 3,647百万円(約8.9%)へ改善
- LTMの参考指標(別ソース)では営業利益率8.86%、純利益率4.91%とされるデータもあり(期間差に留意)
- ROE/ROA:
- ROE(実績)8.34%、(LTM参考)11.24%
- ROA(LTM参考)5.34%
- キャッシュフロー・財政状態:
- 自己資本比率 47.7%、流動比率 約184%、D/E(総)約60%(Net D/E概算 ~37%)
- 現金 163.6億円、有利子負債 421億円(短期借入中心)
- コスト・一過性:
- 原価圧力(資材・労務)下での利益率維持が焦点
- 特別項目は通期で小幅のマイナスあり(除外ベースのNormalizedも確認)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3期 80円(記念配20円含む)、2026/3期予想 90円(中間45・期末45)
- 予想配当性向:約46%(会社予想EPS基準)
- 自己株式:期末自己株式数 157.8万株(比率目安 ~3.5%弱、主要株主表では自己株口2.7%記載)
- 自社株買い:本データでは新規の自己株買い方針は未記載
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で+44%の上昇。直近は50日線下での調整。低ベータ(0.32)で市場連動性は相対的に低い傾向。
- 投資家関心:信用買い残の増加や機関・事業会社の安定株主構成(名古屋鉄道18.6%など)が確認できる。
- 影響要因:
- 受注高・繰越工事高の推移
- 原価(資材・労務)と工期の管理
- 不動産市況(分譲マンション等)の動向
- 配当・株主還元方針の維持
11. 総評
- 地域密着の受注基盤(民間×名鉄関連)と耐震・鉄道などの専門領域、不動産事業の高採算性が収益を下支え。受注・繰越の積み上がりで短中期の見通しは一定程度の可視性。
- 2026/3期は売上・利益とも増加計画。1Qは建築・不動産が牽引し高い伸びを示した一方、コスト上昇と労務規制への対応が引き続きの管理ポイント。
- バリュエーションはPERで業界平均近辺、PBRはやや上回る。配当利回りは4%台と水準感がある。足元の株価は52週レンジ上側で、短期は50日線下の調整基調。
(注)本レポートは提供データに基づく情報整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
理由:売上は3年CAGR約15%、1Q売上+54.5%と高い伸び。
– 収益性:B
理由:2025/3期の営業利益率約6%→1Q約9%と改善も、通期平準では同業平均並み~やや上の水準と判断。
– 財務健全性:A
理由:自己資本比率約48%、流動比率約184%、Net D/Eも適正範囲。
– 株価バリュエーション:B
理由:PERは業界平均並み、PBRは平均超。総合して中立評価。
参考データ抜粋
– 会社予想(2026/3):売上1,680億円、営業利益100億円、純利益66億円、EPS 153.38円、配当 90円
– 1Q(2025/4-6):売上 411.5億円、営業利益 36.5億円、純利益 25.6億円、営業利益率 8.9%
– 指標:PER 13.85倍、PBR 1.31倍、ROE(実績)8.34%、自己資本比率 47.7%、配当性向 ~46%(予想)
– 需給:信用倍率 9.32倍、買残増加
– テクニカル:50日線 2,178円、200日線 1,696円、52週高値 2,323円/安値 1,170円
(不明項目は記載を省略しています)
企業情報
銘柄コード | 1870 |
企業名 | 矢作建設工業 |
URL | http://www.yahagi.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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