エン・ジャパン(4849)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資助言ではありません。数値は原則として連結ベース。特記事項がある場合は併記します。
1. 企業情報
- 企業名:エン・ジャパン株式会社(英文社名:2025年10月に en Inc. へ変更)
- 概要:国内外で人材サービスを展開。主力は求人メディア「エン転職」、若手ハイクラス「AMBI」、ミドル層「ミドルの転職」、派遣・アルバイト領域「エン派遣」「エンバイト」等。人材紹介(エンエージェント、エンワールド)、HRテック(engage、HR OnBoard、3E TEST、評価・教育コンサル)も展開。近年はHR・DXソリューションや海外(インドIT派遣、ベトナム等)を強化。
- 事業内訳(2025/3):HR-Tech engage 14%、人財プラットフォーム12%、国内求人サイト37%、国内人材紹介15%、国内他8%、海外15%
- 上場区分:東証プライム/業種:サービス業(情報通信・サービスその他)
- 本社:東京都新宿区/代表者:越智通勝/設立:2000年
- 従業員:3,652人、平均年齢30.8歳、平均年収533万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の中堅〜大手求人メディア運営企業。中途採用領域(「エン転職」)に強みを持ち、口コミ「Lighthouse」等のコンテンツ資産を活用した集客力が特徴。Indeed/リクルート、パーソル、マイナビ、ディップ等の大手と競合。
- 競争優位性:
- メディア×エージェント×HRテックの複合モデルで顧客接点が広い
- 口コミ・教育・評価領域のコンテンツやSaaS(engage等)を通じた継続的接点
- 課題:
- 求人広告市況・企業の採用投資の変動に業績が影響されやすい
- メディアの投資抑制や人件費増の影響、海外の会計処理変更(グロス→ネット計上)により、見かけの売上推移が読みづらい
- 市場シェア:公表なし(—)
3. 経営戦略と重点分野
- セグメント再編(メディア/エージェント/HR・DXソリューション/グローバル)により成長領域の明確化を図る。
- 重点施策(2026年3月期1Q開示等):
- メディア:投資配分の見直しと採算性重視。新卒採用による人員強化の費用吸収が課題。
- エージェント:生産性向上(エンワールドで実績)。両手型での収益性改善。
- HR・DX:VOLLECT子会社化、ゼクウ等の拡大。採用支援SaaS「engage」やオンボーディング・適性検査等のクロスセル。
- グローバル:インドIT派遣・ベトナムなど実質増収(計上方法変更により見かけは減収)。
- 資本政策:2025/5/14自己株式取得を決議。1Q末の自己株式は約1,590.7万株と大きく、資本効率・1株価値の向上に寄与。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:求人広告(掲載料)+人材紹介(成功報酬)+HRテック(SaaS/ソリューション)+海外派遣(手数料/マージン)。
- 強み:複数収益源の組合せにより景気感応度を分散。プラットフォーム(engage等)により顧客獲得コストの相対的低減が見込める。
- リスク:採用需要・広告投資の循環、会計上の表示変更による売上見え方のブレ、為替影響。
- 適応力:セグメント再編・SaaS/海外の拡大で環境変化への対応を進める姿勢。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・プロダクト:採用管理・求人作成支援「engage」、オンボーディング離職リスク可視化「HR OnBoard」、適性検査「3E TEST」、動画面接、口コミ「Lighthouse」、IT/DX支援(ゼクウ、VOLLECT等)。
- 収益牽引:
- 国内求人メディア(エン転職等)が規模の柱
- エージェントは生産性改善で増収増益
- HR・DXはM&A/内製強化で伸長
- グローバルはインドIT派遣・ベトナムが伸長(表示上はネット計上で減収)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,634円
- 予想EPS:50.87円(会社予想)、BPS:828.95円(実績)
- 指標(会社予想・実績)
- PER:約32.1倍(=1,634/50.87)[業界平均約17倍より高い]
- PBR:約1.97倍(=1,634/828.95)[業界平均約1.8倍よりやや高い]
- 補足:直近12か月EPSは一過性損益の影響が含まれる可能性があり、会社予想ベースのPERが妥当性高め。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,634円は50日移動平均1,732円、200日移動平均1,743円を下回る。
- レンジ感:年初来高値2,125円・安値1,400円の下寄り〜中位レンジ。52週ベースでも上値余地と下値リスクの双方が意識される位置。
- 売買動向:直近10日出来高平均が3か月平均を上回り、商いはやや活発。信用倍率0.68倍(売り超)でセンチメントは中立〜弱含み。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2022/3:54,544 → 2023/3:67,716 → 2024/3:67,661 → 2025/3:65,678(LTM同水準)
- 直近期(2026/3期1Q):14,991(前年同期比-7.7%)
- 収益性
- 粗利率:約79.9%(LTM、52,437/65,678)
- 営業利益率:約8.9%(LTM、5,894/65,678)/1Qも約8.9%
- 当期純利益率:11.4%(LTM、特殊要因含む可能性)
- ROE:22.2%(実績)/ROA:7.0%(LTM)
- コスト構造・特殊要因
- 海外の一部で売上計上をグロス→ネットへ変更し、売上原価が大幅減(見かけの売上も縮小)。
- 販管費は広告費抑制も、人件費増(新卒中心)で総額は横ばい。
- キャッシュ・資本
- 現金等:193.5億円(直近四半期)
- 流動比率:約2.21倍、自己資本比率:約65%と健全
- 自己株式:期末発行株式4,971.6万株、自己株式約1,590.7万株(1Q末)保有
- トレンド評価
- 売上は2024/3→2025/3で減少、営業利益率は2023/3の底から回復基調も、過去水準(2022/3)には未達。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間24円(期末一括、予想配当利回り約1.47%)
- 直近実績:前期合計70.10円(今期は減配見通し)
- 自己株式取得:2025/5/14に決議、1Qで自己株式が増加。還元手段の多様化を示唆。
- 参考配当性向:会社予想ベースで約47%(=24円/予想EPS50.87)。実際の方針は業績・投資バランス次第。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の値動き:10日間で1,600円台前半〜半ばのレンジ推移で方向感は限定的。
- 出来高:直近10日平均が3か月平均を上回り、イベント(決算、自己株買い等)を意識した売買参加が増加。
- 需給:信用売り超(倍率0.68倍)。自己株式の厚い保有は市場流通株の減少要因。
11. 総評
- 事業面:メディアの投資抑制と人件費増で短期的な減益圧力が続く一方、エージェントの生産性向上、HR・DXや海外の実質成長でポートフォリオの分散が進む。
- 財務面:自己資本比率・流動比率ともに健全。自己株式取得により資本効率の改善余地。
- バリュエーション:予想PERは業界平均を上回る水準。LTMの一過性要因を除けば、会社予想ベースの評価が参考となる。
- テクニカル:主要移動平均線を下回り、中立〜弱含みのレンジ。需給は売り優位だが、イベントドリブンで変化余地。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上YoYで減少(-2〜3%)、直近四半期も-7.7%。3年CAGRはプラスだが足元は減速。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高水準だが、営業利益率は約9%で同業上位とは言えず。ROEは高いが一過性影響を除外して中立〜やや良好。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約65%、流動比率2.2倍、ネット有利子負債面でも保守的。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER32倍・PBR約2倍は業界平均(PER17倍、PBR1.8倍)よりプレミアム。
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データ出所:提供データ(株価・財務・決算短信要約)。記載の数値は誤差・更新タイムラグを含む可能性があります。最新のIR資料・決算短信本文も併せてご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4849 |
企業名 | エン・ジャパン |
URL | http://corp.en-japan.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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