1. 現在の株価の評価
- 株価: 469円
- PER（会社予想）: 10.73倍
- PBR（実績）: 0.81倍
- EPS（会社予想）: 43.69円
- BPS（実績）: 581.94円
PERは業界平均（10.7倍）とほぼ同水準です。PBRは業界平均（0.7倍）を上回っており、株価がBPSを上回っていることから、やや割高感がある可能性も示唆されます。ただし、これはあくまで過去のBPSに基づくものであり、今後の業績次第で評価は変化します。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は466円～479円の範囲で推移しており、大きな変動は見られません。年初来高値649円からはかなり下落しており、現状は高値圏ではなく、むしろ安値圏に近しいと言えるでしょう。ただし、短期的なトレンドのみを分析したものであり、長期的な視点での判断は必要です。
3. 財務諸表分析
2025年3月期第2四半期決算短信（連結）に基づく分析:
- 売上高: 4,439百万円（前年同期比-5.5%）
- 営業利益: 118百万円（前年同期比-46.9%）
- 経常利益: 92百万円（前年同期比-46.9%）
- 純利益: 54百万円（前年同期比-45.0%）
- ROE（過去12か月）: 5.27%
- ROA（過去12か月）: 2.19%
- 自己資本比率（中間期末）: 37.9%
- 総負債/自己資本（直近四半期）: 112.46%
中間決算は減収減益となりました。原材料価格高騰の影響が大きく、収益性を圧迫していることが分かります。自己資本比率は高いものの、総負債/自己資本比率が非常に高く、財務リスクが高い状態であると言えます。通期予想では増収増益を見込んでいますが、原材料価格や為替変動などのリスク要因への対応が重要です。
4. 業界のポジションと市場シェア
鉱研工業は、地下資源工事用掘削機械において国内有数の企業です。温泉開発に強みを持ち、日立建機やエンバイオホールディングスとの提携関係も有しています。市場シェアに関する具体的な数値は不明ですが、ニッチな市場において一定の地位を確立していると推測されます。競合状況については、より詳細な情報が必要です。
5. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「STEPUP鉱研ACTION S2025」に基づき、持続的売上拡大と利益確保を目指しています。具体的な施策や重点分野については、公開情報からは詳細な内容が読み取れません。
6. 事業モデルの持続可能性
ボーリング機器製造販売と土木工事施工の二本柱で事業を展開しています。社会資本整備需要の動向に左右される部分があり、市場ニーズの変化への適応力が今後の課題となる可能性があります。
7. 技術革新と主力製品
主力製品はボーリング機器関連製品です。技術開発の動向や独自性については、公開情報からは詳細な内容が読み取れません。
8. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.56%
- 1株配当（会社予想）: 12.00円
- 配当性向: 39.72%
配当利回りは比較的高い水準です。配当性向も高く、株主還元を重視している姿勢が見られます。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は横ばい傾向にあり、大きな上昇・下降の勢いはありません。信用倍率が高いことから、信用取引による影響も考慮する必要があります。
10. 総評
鉱研工業は、ニッチな市場において一定の地位を確立している企業ですが、原材料価格高騰などの影響を受けやすい事業構造です。中間決算は減収減益でしたが、通期予想では増収増益を見込んでおり、今後の業績回復に期待する声もある一方、高水準の負債比率や市場環境の変化への対応力が課題となります。投資判断にあたっては、今後の業績推移、原材料価格動向、競合状況などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6297 |
| 企業名 | 鉱研工業 |
| URL | http://www.koken-boring.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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