タチエス(7239)企業分析レポート

注記: 本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資助言ではありません。

1. 企業情報

  • 概要: 独立系の自動車用シート大手。1954年設立、本社は東京都青梅市。国内外で製造・販売を行い、ホンダ向け約4割、日産向け3割弱が主力。北米・中南米・中国・東南アジアに生産・販売拠点を展開。欧州は前期にセグメントから除外。2026年3月期1Qで中国の一部連結子会社を持分法適用会社へ変更。
  • 事業: 乗用車(高級車・スポーツ・軽自動車)および商用車向けのシート(骨格、クッション、表皮、メカ・電装を含む)設計・製造・供給。
  • 連結事業構成(売上構成・利益率: 2025.3実績の参考)

日本40(6)、北米15(0)、中南米36(3)、欧州0(-436)、中国6(-2)、東南アジア1(10)/海外比率60%。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 日本の独立系シート専業大手。完成車メーカーの系列色が薄く、多様なOEMに供給できる柔軟性が特長。グローバル大手(Lear、Adient等)と国内勢(トヨタ紡織、TSテック等)が競合。
  • 競争優位性:
    • 独立系ならではのマルチOEM供給能力とプログラム獲得の機動力
    • 中南米・東南アジアなど成長市場への生産配置とコスト競争力
  • 課題:
    • 顧客集中(ホンダ・日産比率が高い)
    • プログラム収益性の変動(モデルライフサイクル、価格改定、為替・原材料の影響)
    • 中国事業のスコープ見直しに伴う規模縮小(連結範囲変更)

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性(短信・開示の要旨)
    • 事業ポートフォリオの選択と集中:欧州事業の整理、中国の一部を持分法へ移行し資本効率改善
    • コスト最適化と固定費抑制:販管費削減で営業利益を改善
    • 地域別最適生産:中南米・東南アジアの成長取り込み、北米収益性の立て直し
  • 通期見通し(2026年3月期会社予想据え置き)
    • 売上高 2,570億円(前年比▲9.9%)
    • 営業利益 90億円(同▲6.5%)
    • 当期純利益 80億円(同▲29.3%)、EPS 233.36円
  • 重点テーマ(一般的業界動向を踏まえた取り組み領域)
    • 軽量化・薄型化・快適性(ヒート/ベンチレーション)・安全性の高度化
    • 電動化に伴う車室内設計の変化への対応(電動リクライナ、パワースライド等)
    • サステナ素材・工程の活用(環境規制・顧客要求への対応)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: OEM別プログラムごとの長期取引(4–6年程度のモデルライフ)が基盤。量産立上げ・設計開発費の回収と、原材料・為替のコスト転嫁が収益性の鍵。
  • 変化への適応: EV普及テンポの見直し、車種ミックス変動、地政学・関税政策に応じた生産配置の最適化が進展。連結範囲の見直しで資本効率を意識した運営。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発: シート骨格の軽量化、薄型化、快適装備(ヒーター/ベンチレーション)、リクライニング・電動化機構、サイドエアバッグ対応などのモジュール最適化。
  • 収益牽引領域:
    • 日系OEM向け主力プログラム(ホンダ・日産)
    • 地域別では中南米・東南アジアの伸長(2026年3月期1Qで東南アジア売上+34.6%、利益拡大)
    • 中国は連結範囲変更で売上は縮小も、セグメント利益は改善

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価 1,931円、時価総額 約680億円
  • 指標と比較
    • 予想EPS: 233.36円 → 予想PER 約8.27倍(業界平均 13.3倍)
    • BPS: 2,662.18円 → PBR 約0.73倍(業界平均 0.8倍)
    • 予想配当: 103.8円 → 予想配当利回り 約5.38%、配当性向 約31.9%
    • 自己資本比率 56.0%、D/E 11.9%(実質ネットキャッシュ)
  • 参考EV/S(概算): EV ≒ 3,746億円、LTM売上 ≒ 2,854億円 → EV/S ≒ 0.13倍
  • コメント: 予想PER・PBRはいずれも業界平均を下回る水準。ネットキャッシュ基調と高配当利回りが指標面に反映。

7. テクニカル分析

  • 位置取り: 現在値 1,931円は
    • 50日移動平均 1,947.98円をやや下回り
    • 200日移動平均 1,773.47円を上回る
  • レンジ: 年初来高値 2,075円(現状▲約7%)、年初来安値 1,350円(現状+約43%)→ 中長期では上昇基調の中段ゾーン。
  • 直近10日: 1,900〜1,980円でのもみ合い。出来高は10日平均約11.4万株で3カ月平均約14.8万株を下回り、短期は様子見気配。
  • 需給: 信用買残 266.6千株、信用倍率 11.2倍と買い長。短期の上昇・下落の振れに注意。

8. 財務諸表分析

  • 売上高推移(連結・百万円)
    • 2022/3: 206,441
    • 2023/3: 243,436
    • 2024/3: 292,947
    • 過去12か月: 285,394(前年比▲約2.6%)
  • 収益性(LTM, 目安)
    • 粗利率 約10.4%(29,763/285,394)
    • 営業利益率 約3.4%(9,625/285,394)
    • 当期純利益率 約4.0%(11,310/285,394)
    • EBITDAマージン 約7〜8%
  • 2026年3月期1Q(対前年同期)
    • 売上高 ▲12.5%、営業利益 +41.1%(販管費減少の寄与)、純利益 ▲98.6%
    • セグメント: 日本は減収減益、北米は赤字縮小、中南米は損失転化、中国・東南アジアは改善
  • 効率・安全性
    • ROE 12.16%、ROA 約3.6%
    • 自己資本比率 56%・流動比率 1.82倍、総借入 109.7億円に対し現金等 415.6億円でネットキャッシュ
  • キャッシュフロー: 四半期CFは未開示(短信)。EBITDAはプラスで投資・負債対応余力は確保。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績/予想: 年間103.8円(中間51.9、期末51.9)を継続予定
  • 予想配当利回り: 約5.38%(5年平均利回り 4.38%)
  • 配当性向: 約31.9%(予想ベース)
  • 自己株式: 期末自己株約96万株保有(増減詳細は未記載)。自社株買い方針は資料上の範囲で不明。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • パフォーマンス: 過去52週で+5.17%(S&P500 +11.82%を下回る)
  • 需給動向: 機関保有27.3%、インサイダー9.1%。信用買い優勢で短期のモメンタムはもみ合い。直近の売残減少は売り方の買い戻し一巡を示唆。
  • 価格ドライバー(足元)
    • 地域別収益性の改善進捗(特に北米・中南米)
    • 原材料・為替の変動と価格転嫁状況
    • 顧客OEMの生産計画・車種ミックス
    • 連結範囲見直しの影響(中国の持分法化)

11. 総評

  • 収益体質: 2024/3までの増収とコストコントロールで損益は大幅改善。LTMでは減収に転じるものの、営業利益率は約3%台を維持。1Qは減収下で販管費抑制により営業増益。
  • 財務基盤: 自己資本比率56%、ネットキャッシュで健全。資本効率はROE二桁。
  • バリュエーション: PER・PBRとも業界平均を下回り、配当利回りは高水準。
  • 課題: 顧客集中と地域別収益性のばらつき。中南米の採算改善、北米の黒字定着、連結範囲変更後の中国での持続的収益確保が焦点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B

理由: LTMは減収(前年比▲約2〜3%)だが、過去数年は増収基調。短期マイナスと中期プラスを総合し中立。
– 収益性: B

理由: 粗利率約10%、営業利益率約3%台、ROE二桁。改善傾向だが、絶対水準は限定的。
– 財務健全性: A

理由: 自己資本比率56%、流動比率1.82倍、D/E約12%のネットキャッシュ。
– 株価バリュエーション: A

理由: 予想PER8.3倍、PBR0.73倍と業界平均を下回る水準。配当利回りも高め。

補足データ(主要指標)

  • 株価: 1,931円(年初来高/安: 2,075/1,350)
  • 時価総額: 680.5億円
  • 予想EPS/BPS: 233.36円 / 2,662.18円
  • 予想PER/PBR: 8.27倍 / 0.73倍
  • 配当/利回り(予想): 103.8円 / 5.38%
  • ROE/自己資本比率: 12.16% / 56.0%
  • 50日/200日移動平均: 1,947.98円 / 1,773.47円
  • 信用倍率: 11.20倍

注記: 数値は提供データに基づく。四半期と通期/LTMで定義が異なる指標は水準が一致しない場合があります。


企業情報

銘柄コード 7239
企業名 タチエス
URL http://www.tachi-s.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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