4617 中国塗料(Chugoku Marine Paints, Ltd.)企業分析レポート
最終更新: 2025-10-13
1. 企業情報
- 概要: 船舶用塗料の世界大手。工業用・コンテナ用・重防食・建材向けなど機能性塗料をグローバルに展開。世界20カ国・約60拠点。1917年創業、東京本社。
- 事業構成(連結、2026/3期1Qまでの情報):
- 船舶用塗料 88%
- 工業用塗料 10%
- コンテナ用塗料 1%
- その他 0%
- 海外売上比率 67%
- 特徴: 船舶用は国内シェア約6割、世界2位。修繕船向けが堅調。価格適正化と環境対応の高付加価値製品の拡販を継続。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 国内船舶用塗料で圧倒的シェア(約6割)。
- 世界市場でも大手(世界2位)。
- 国内塗料専業として上位グループ。
- 競争優位:
- 船舶分野の長期トラックレコードと顧客基盤(造船・修繕ネットワーク)。
- グローバル供給体制とサービス網(港湾近接でのタイムリー供給)。
- 環境規制(IMO等)対応の製品群を拡充。
- 課題:
- 原材料・物流・人件費の上昇圧力。
- 造船・修繕需要のサイクル、地域政治リスク(東南アジアなど)。
- 為替変動の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示要旨より):
- 価格適正化と製品ミックス改善による収益性の持続的改善。
- 環境対応・高付加価値塗料の拡販(省エネ・環境規制対応需要の取り込み)。
- 造船増勢の中国・韓国、新造・修繕双方での出荷増に対応。
- 直近の施策・重点:
- 地域別に新造船向け増収(中・韓)、修繕向けは欧米中心に堅調。
- 一部地域で重防食・コンテナ向けの需要調整に対応。
- 通期計画は据え置き(売上1,330億円、営業利益160億円、純利益110億円の会社予想)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 船舶の新造・修繕サイクルに連動。修繕は定常需要があり下支え。価格適正化と高付加価値化でマージンを確保。
- 適応力:
- 規制対応(防汚・省エネ)への製品転換を進捗。
- 地域分散と幅広い顧客基盤により単一市場の変動を緩和。
- リスク対応: 原材料・物流コスト上昇は価格施策で吸収を図る方針。為替・地政学リスクは分散で緩和。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- 環境対応(低摩擦・防汚)塗料や高耐久・省メンテナンス製品の拡販。
- 規制強化(燃費・環境)を背景に高付加価値領域へシフト。
- 主力領域:
- 船底防汚・防食塗料、修繕向け製品群。
- 重防食・工業用途(橋梁・鉄構等)、コンテナ向けは需要調整局面あり。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 3,555円、EPS(会社予想)221.87円、BPS 1,633.04円
- 指標:
- 予想PER: 16.0倍(業界平均20.4倍比で低め)
- 実績PBR: 2.18倍(業界平均1.1倍比で高め)
- 参考(トレーリング)PER: 約12.8倍(3,555円 / LTM EPS 276.78円)
- 配当利回り(会社予想): 2.73%(年間97円、配当性向約35%)
- EV/売上高(概算): 約1.4倍
- EV ≒ 時価総額1,955億円 − 正味現金約114億円(現金296億円−有利子負債183億円)= 約1,841億円
- 売上高(LTM)1,311億円
- 所感(定量比較):
- PERは業界平均より低位、PBRは平均より高位。収益性・ROEの高さや事業特性をPBRが織り込み、利益水準の持続性をPERが反映している可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均: 3,434.7円、200日: 2,565.5円。株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
- 位置づけ:
- 年初来高値 3,715円に接近(現値は高値圏寄り)。
- 直近10日では3,700円接近後に押し目(本日終値3,555円)。
- 需給:
- 信用倍率 5.45倍(買い残優勢)。短期的な変動には留意。
- 出来高は3カ月平均(約30.8万株)と同水準。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益):
- 売上高(百万円): 84,295(2022)→ 99,481(2023)→ 116,174(2024)→ 131,152(LTM)
- LTM YoY: 約+12.9%
- 3年CAGR: 約+15%前後
- 営業利益(百万円): 688(2022)→ 3,887(2023)→ 12,185(2024)→ 15,382(LTM)
- 収益性(LTMベースの概算):
- 粗利率: 32.5%(= 42,599 / 131,152)
- 営業利益率: 11.7%(会社公表LTM近似 12.0%)
- EBITDAマージン: 15.6%(= 20,432 / 131,152)
- 純利益率: 10.5%(= 13,721 / 131,152)
- ROE(実績): 17.81%、ROA(LTM): 7.24%
- キャッシュフロー・財政:
- 営業CF(LTM): 121.7億円、レバードFCF: 68.5億円
- 自己資本比率: 57.7%、流動比率: 2.38倍、D/E: 約0.21倍
- 現金等: 296億円、有利子負債: 183億円(正味現金)
- 補足(2026/3期1Q):
- 売上+12.1%、営業+16.5%。純利益は前年同期の特別利益(固定資産売却益)の反動で減少。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:
- 2025/3期 実績: 年間97円
- 2026/3期 予想: 年間97円(中間48円・期末49円)
- 配当指標:
- 予想配当利回り: 2.73%
- 予想配当性向: 約35%
- 5年平均利回り: 3.61%(株価上昇で現行利回りは低下)
- 自社株:
- 自己株式比率 約9.86%(保有残高あり)。直近の新規取得は情報なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 52週騰落: +74.8%(上昇トレンド継続)
- 年初来安値 1,674円 → 直近高値 3,715円
- 変動要因(直近決算要旨より):
- 中国・韓国の新造船向け出荷増、環境対応製品需要。
- 価格適正化とミックス改善による利益率向上。
- 一方、特別利益の反動や一部地域の需要調整が純利益に影響。
- 需給・保有状況:
- 信用買い残優勢(倍率5.45倍)。機関投資家保有比率 約36%、インサイダー約9%。
11. 総評
- 船舶用塗料で強固な地位とグローバル供給網を背景に、売上・利益ともに回復・拡大基調。価格適正化と高付加価値製品の拡販により、粗利率・営業利益率が改善。
- 財務は自己資本比率が高く、正味現金を維持するなど健全。配当は安定的で配当性向は約35%。
- バリュエーションは予想PERで業界平均を下回る一方、PBRは上回る水準。ROEの高さや成長回復が織り込まれている可能性。株価はテクニカルには高値圏寄り。
- 主な留意点は、原材料・物流コスト、為替、地域リスク、造船・修繕需要サイクルの変動。特別損益の反動にも注意。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY +12.9%、3年CAGR約+15%。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約32.5%、営業利益率約12%、ROE約18%(業界平均を上回る水準とみられる)。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率57.7%、流動比率2.38倍、D/E約0.21倍、正味現金。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: 予想PERは業界平均比で低め、PBRは平均超。総合して中立評価。
参考データ
– 株価: 3,555円(本日高/安: 3,690/3,535、年初来高/安: 3,715/1,674)
– 時価総額: 約1,955億円
– 出来高: 289,500株(3カ月平均約308千株)
– 次回決算予定ウィンドウ: 2025-07-29〜2025-08-04(参考)
– 権利落ち予定日: 2026-03-30
企業情報
銘柄コード | 4617 |
企業名 | 中国塗料 |
URL | http://www.cmp.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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