1. 現在の株価の評価
- 株価: 2296円
- PER（会社予想）: 5.40倍 (業界平均9.5倍と比較して低い)
- PBR（実績）: 0.42倍 (業界平均0.5倍と比較して低い)
- EPS（会社予想）: 425.52円
- BPS（実績）: 5407.26円
PERとPBRは共に業界平均を下回っており、株価は割安に評価されている可能性を示唆しています。ただし、業績の将来性やリスクなどを考慮する必要があります。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は2026円から2296円の間で推移しており、年初来高値2960円からは大きく下落しています。200日移動平均線（2514円）を下回っており、短期的な株価上昇の勢いは弱まっていると考えられます。
3. 財務諸表分析
損益計算書（過去12か月と過去数年の比較）
| 項目 | 過去12か月(百万円) | 2024年3月期(百万円) | 2023年3月期(百万円) | 2022年3月期(百万円) | 2021年3月期(百万円) | 傾向 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 211,526 | 211,526 | 212,817 | 206,007 | 175,647 | 増加傾向（ただし2024年3月期は微減） |
| 営業利益 | 8,057 | 8,057 | 7,452 | 8,332 | 7,231 | 変動あり |
| 純利益 | 5,308 | 5,308 | 5,251 | 5,980 | 4,887 | 変動あり |
| ROE（実績） | 5.86% | 6.29% |
売上高は増加傾向ですが、営業利益と純利益は変動しており、安定した収益構造とは言えません。ROEは比較的安定しているものの、低い水準です。
4. 業界のポジションと市場シェア
トーモクは段ボール製品加工の専業首位企業であり、特に加工食品向けが主力です。スウェーデンハウス事業や運輸倉庫事業も展開していますが、段ボール事業が収益の大部分を占めています。業界内での競争優位性は高いものの、国内段ボール需要の伸び悩みや原材料価格の高騰といった課題も抱えています。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、３つの事業セグメント（段ボール、住宅、運輸倉庫）を柱に事業展開しています。中期経営計画の具体的な内容は不明ですが、各セグメントの収益性を向上させるための施策が展開されているものと推察されます。
6. 事業モデルの持続可能性
段ボール事業は、食品業界の需要に依存しているため、食品業界の動向に大きく影響を受けます。住宅事業と運輸倉庫事業は、それぞれの市場の動向に左右されます。市場ニーズの変化への適応力は、各セグメントの戦略によって異なると考えられます。
7. 技術革新と主力製品
段ボール事業においては、高機能な段ボールの開発や生産効率の向上などが技術革新のポイントとなります。主力製品は加工食品向け段ボールです。スウェーデンハウス事業では、高品質な住宅の設計・施工技術が重要です。
8. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.92%
- 1株配当（会社予想）: 90.00円
- 配当性向: 26.27%
配当利回りは比較的高い水準ですが、配当性向は低めです。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、投資家の関心は高くないと推測されます。信用倍率が高いこともリスク要因の一つです。
10. 総評
トーモクは段ボール加工で高い市場シェアを有する企業ですが、PER、PBRともに業界平均を下回り、株価は割安に評価されている可能性があります。しかし、営業利益や純利益の変動が大きく、安定した収益構造とは言えない点が懸念材料です。 また、信用倍率が高いこともリスクとして認識しておく必要があります。今後の業績動向や経営戦略、市場環境の変化などを注視していくことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3946 |
| 企業名 | トーモク |
| URL | http://www.tomoku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
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