8278 フジ 分析レポート(プライム・小売)
注記:本レポートは公開情報の整理であり、金融商品取引法上の投資助言ではありません。数値は連結ベース。単位は特記なき限り円、百万円。
1. 企業情報
- 概要:四国・中国エリアを主力に展開する総合小売。スーパーマーケット(フジグラン、マックスバリュ、マルナカ、ザ・ビッグ)を中心に、日配・生鮮・惣菜など日常消費を主力とする。2024年3月にフジ・リテイリング、マックスバリュ西日本と合併し、中四国での店舗網とスケールを拡大。イオングループ。
- 事業構成:総合小売95%、その他5%(不動産、物流、加工、介護、移動販売など)(2025.2)。
- 本社:広島市南区段原南。代表取締役社長:山口 普。
- 特徴:イオンPB「トップバリュ」の品揃え、EDLP(毎日低価格)、移動スーパー、地域密着商品などで差別化。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:中四国エリアで最大級の食品スーパーグループ。合併により仕入・物流・ITのスケールを獲得。
- 競争環境:ドラッグストア・ディスカウント(DS)・ECとの業態横断競争が継続。地域ではイズミ、ハローズ等とも競合。
- 競争優位性:
- イオングループ調達・PB(トップバリュ)による価格競争力と商品開発力
- 物流再編・プロセスセンター活用による供給効率
- 地域密着(移動販売、地産地消、スクラップ&ビルドでの商圏最適化)
- 課題:小売特有の低利益率、賃金・電力等コスト上昇、人口減少による需要縮小、既存店の生産性改善余地。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(2024–2026年度)の柱
- 既存事業の改革(既存店改装、即食・簡便ニーズ対応、EDLP強化)
- 事業インフラ統合とシナジー(物流再編、プロセスセンター整備、PB拡充)
- 省人化・デジタル投資(電子棚札134店舗、セルフレジ等375店舗まで展開)
- ESG推進(太陽光設備等)
- 直近期の施策進捗(2025/3–8中間)
- 改装:上期15店舗、新店2・スクラップ&ビルド1
- WAON POINTをフジ屋号で導入(グループ横断の顧客データ活用)
- 移動スーパー777ルートまで拡大(売上+7.4%/前年同期)
- 通期見通し(会社予想、変更なし)
- 売上高 815,000百万円(+0.8%)
- 営業利益 15,500百万円(+19.7%)
- 親会社純利益 5,500百万円(+44.0%)
- 1株利益(EPS)63.48円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:日常必需の食品中心でディフェンシブ性。DS(ザ・ビッグ)とPBで価格対応力を確保しつつ、改装・惣菜強化で荒利改善を志向。
- 適応力:
- 高齢化・買物弱者対応:移動販売、近隣型小型店
- 需要変化:即食・簡便、健康・美容、環境配慮領域を強化
- コスト圧力:省人化投資・物流統合でオペ効率化
- 留意点:流動比率0.66と短期負債の比重は高い(業態特性)。継続的な生産性向上とエネルギー価格動向が利益の鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・オペ面:電子棚札、セルフレジ、プロセスセンターによる加工・集中仕入、物流拠点再編で在庫回転・人時生産性を改善。
- 商品・サービス:
- トップバリュ(PB)の拡充が粗利・集客を下支え
- 惣菜・ベーカリー等の即食・簡便が収益牽引領域
- 地域密着のオリジナル商品、移動スーパーのサービス価値
6. 株価の評価(2025-10-14終値 1,968円)
- バリュエーション
- PER(会社予想):31.0倍(業界平均21.3倍)
- PBR(実績):0.78倍(業界平均1.8倍)
- BPS:2,533.09円 → PBR一致
- EV/S(概算):約0.23倍[EV=時価総額170,934+純有利子負債約15,870=約186,804百万円、売上約815,770百万円]
- 配当
- 予想配当:30円、配当利回り約1.52%、配当性向約66%
- 5年平均利回り1.36%をやや上回る
- 参考比較(機械的逆算)
- 業界平均PER適用の理論株価:63.48×21.3≈1,354円
- 業界平均PBR適用の理論株価:2,533×1.8≈4,560円
- 指標間で評価は分かれる(利益ベースではプレミアム、簿価ベースではディスカウント)
7. テクニカル分析
- トレンド:終値1,968円は50日線2,031円、200日線2,061円を下回り、モメンタムは弱め。
- レンジ:年初来高値2,262円/安値1,928円。現状は安値圏に近い水準。
- 需給:信用倍率1.30倍で偏りは小さい。直近出来高は増加局面(10/10・10/14)。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上)
- 2022: 320,865 → 2023: 784,967 → 2024: 801,021 → 2025: 808,926 → LTM: 814,156
- 合併影響後は緩やかな増収(直近YoY+1%前後)
- 収益性
- 粗利率:約30.8%(LTM)
- 営業利益率:約1.3〜1.6%(LTM)
- 純利益率:0.48%(LTM)
- ROE:1.76%、ROA:1.75%(実績)と低位
- キャッシュフロー・財政
- 営業CF:+19,140百万円(LTM)
- 自己資本比率:52.9%、D/E(総負債/自己資本)約0.47、Net Debt/EBITDA≈0.54倍
- 流動比率:0.66(小売特性で低め)
- 金利負担は軽微(EBIT/金利費用≒17倍)
- 特別要因:店舗閉鎖関連引当等の特別損失を計上(中間期で増加)。一過性損益は平準化して評価が必要。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期30円(中間15円・期末15円)を継続予定。特別配当なし。
- 自社株:自己株口は限定的(0.03%)。足元で大規模な自社株買いの記載はなし。
- 株主構成:イオンが50.65%を保有し、グループ戦略の一体運営。インサイダー(関係者等)比率が高く、フロートは限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:過去52週で-7.18%。ベータ0.02と低ボラティリティ。
- 直近の値動き:2000円台から下押しし、年初来安値近辺で推移。移動平均線下方で弱含み。
- 注目材料
- コスト環境(賃金・電力)、物流再編の効率化効果の顕在化
- 既存店改装・DS強化・PB拡充の売上/荒利寄与
- WAON POINT導入による顧客データ活用の成果
- 期末(2H)季節要因と会社計画の達成度
11. 総評
- 合併による規模拡大とイオングループのシナジーを背景に、価格競争力・物流効率・デジタル投資を進める一方、利益率は小売特有の低位で、コスト上昇と生産性改善の綱引きが続く構図。
- 収益は緩やかな増収、営業CFは安定、財務体質は自己資本比率50%超と堅実。短期の流動性指標は低めだが、業態特性の範囲内。
- バリュエーションはPERでプレミアム、PBRでディスカウントと分かれる。株価は年初来安値圏でモメンタムは弱い。通期での利益回復(会社計画)とコスト圧力のバランスが焦点。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 直近の増収率は+1%前後、3年で見ると緩やかな成長。大幅成長ではないため中立評価。
- 収益性:C
- 営業利益率1%台、ROE約2%と業界水準を下回る。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率52.9%、Net Debt/EBITDA約0.5倍。流動比率は低いが小売特性考慮。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均超、PBRは大幅に下回る。総合すると中立。
参考データ
– 株価:1,968円、時価総額:170,934百万円
– EPS(会社予想):63.48円、BPS:2,533.09円
– 配当:30円(予想、利回り1.52%)、配当性向約66%
– 年初来高安:2,262円/1,928円
– 次回権利落ち予定:2026/2/26(予定)
– 直近決算(2026年2月期2Q):売上+1.7%、営業利益-12.9%、中間純利益+4.8%、通期予想据え置き
(注)一過性損益はスコア評価から除外。不明点は—または資料ベースで簡略化しています。
企業情報
銘柄コード | 8278 |
企業名 | フジ |
URL | http://www.the-fuji.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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