8304 あおぞら銀行 分析レポート(個人投資家向け)
注意:本資料は公開情報の整理であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース中心。銀行業の特殊性により一般事業会社の指標と単純比較できない場合があります。
1. 企業情報
- 概要:旧日本不動産銀行(旧日債銀)。法人向け・ストラクチャードファイナンス、投資銀行業務、国際・市場業務に強み。リテールはグループのGMOあおぞらネット銀行が担う。
- 主なセグメント(2025年度より再編)
- 投資銀行ユニット:法人・M&A、LBO、プロジェクト/不動産/構造化、シンジケート等
- 市場国際ユニット:マーケット・国際業務、デリバティブ等
- カスタマーリレーションユニット:顧客リレーション・コンサル
- GMOあおぞらネット銀行:ネット銀行(API連携に強み)
- バランスシート(2025/3末、概算構成)
- 資金調達:預金99%、譲渡性預金1%
- 資産:現預け金18%、有価証券17%、貸出金54%、その他10%
- 融資:中小企業等向け73%、住宅・消費者向け0%
- 特色:国内外の専門的な投融資・ストラクチャードで実績。地域銀行との協業、四半期配当。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:メガバンク・大手地銀とは異なる「中堅・専門性重視」の独立系銀行。投資銀行・不動産/構造化・国際分野に強み。
- 競争優位性
- ストラクチャードファイナンスやM&A等の専門性
- 地銀連携・シンジケートで案件組成力
- ネット銀行(GMOあおぞら)によるデジタル接点
- 課題
- 海外不動産(特に米国オフィス)エクスポージャーの信用コスト変動
- 規模の経済でメガに劣る中での調達コスト・資本効率の管理
- 銀行業特有のレバレッジに伴う資本バッファー確保
定量的な市場シェアは開示無し。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(2025–2027)
- 組織再編(6→4ユニット)と収益配賦方法の見直し(資金調達の貢献度を各ユニット粗利益に反映)
- 重点:投資銀行ユニットの収益牽引、国際・市場ビジネスの安定化、カスタマーリレーション強化、GMOあおぞらの成長
- リスク対応:海外不動産ノンリコースの引当強化(米国オフィス市況を考慮)、ポートフォリオの健全化
- 通期見通し(変更なし)
- 経常利益 300億円、純利益 220億円、EPS 158.98円(会社計画)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:貸出金利息を中心に、手数料(役務収益)、市場関連収益。2026/3期1Qの経常収益6,074.5億円に対し、資金運用収益が主力(貸出金利息2,920.9億円/四半期ベースの区分内数)。
- 適応力:
- 金利上昇局面では貸出利回り改善余地がある一方、調達コスト増を管理する必要
- 海外CREなど景況連動リスクに対し、引当・保全率の改善が進捗(開示債権比率1.6%、保全率90.6%、2025/6末)
- デジタル(GMOあおぞら)を通じた非金利収益拡大の余地
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:GMOグループ連携のAPIバンキング、オンラインでの迅速な口座・決済・与信ワークフロー。法人取引でのデリバティブ(IR/FX/コモディティ)提供。
- 収益を牽引する分野:投資銀行ユニットが1Qビジネス利益の約75%を占める構成。市場国際ユニットも寄与。
6. 株価の評価(ファンダメンタル)
- 株価:2,247円、時価総額:約3,141億円
- 会社予想EPS:158.98円 → 想定PER:約14.1倍(業界平均PER 10.7倍)
- 実績BPS:3,317.34円 → PBR:約0.68倍(業界平均PBR 0.4倍)
- 配当:年間予想88円、配当利回り:約3.92%、配当性向:約51%
- コメント:PER・PBRはいずれも業界平均より高い水準。PBRは1倍未満(株価/簿価=0.68)。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド指標:50日移動平均 2,311.95円、200日移動平均 2,189.74円
- 現在値は50日線を下回り、200日線を上回る位置
- 価格帯:年初来高値 2,517円、年初来安値 1,671円。直近は2,350円近辺から2,250円台へ調整。
- 出来高:直近10日平均約89.5万株、3カ月平均約106万株。10/14出来高102.9万株と平常並み。
- 信用動向:信用倍率1.90倍。信用売残が前週比約100万株減でショート解消の動き、買残は緩やかに増加。
8. 財務諸表分析
- 売上(総収益)
- LTM:108.4〜115.0億円相当(情報源により差異、短信では108,414百万円)
- 年次推移:2022年 116,124 → 2023年 104,581 → 2024年 105,760 → 2025年 108,414(百万円)
- 直近期(四半期)増収率:+16.0% YoY(四半期ベース)
- 利益
- 2024年は米国オフィス関連等の損失で純損失(-499億円)。2025年は純利益205億円に回復。LTM純利益約192〜205億円。
- LTM営業利益率:約23.9%、純利益率:約16.8%(定義上、銀行での「営業利益率」は参考値)
- 収益性指標
- ROE:4.33〜4.92%(LTM/実績)
- ROA:0.24%(LTM)
- 財政状態(2025/6末)
- 総資産:7.88兆円、純資産:4,679億円、自己資本比率(短信算式):5.8%(銀行の規制自己資本比率とは異なる算定)
- 貸倒関連:開示債権比率1.6%(3月末2.1%から改善)、保全率90.6%、引当率も改善傾向
- キャッシュフロー:四半期CFは未作成(短信注記)。銀行特性上、運転CFの見方は一般企業と異なる。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:四半期配当を継続。2026/3期通期予想88円(利回り約3.92%)。5年平均利回り4.91%に比べ現状は低めの水準。
- 自己株式:期末自己株式数 約140.8万株(発行比約1.01%)
- 自社株買い:直近短信に明確な施策記載はなし(不明)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変動:-15.5%(β 0.17と低ボラティリティ)
- 短期モメンタム:10月初の高値圏から調整して50日線割れ。信用売残の減少は短期の需給改善要因。
- 近々のイベント:配当権利落ち(6/27)通過、次回決算は11/13予定。米国オフィス市況・引当動向が注目材料。
11. 総評
- 収益構造は投資銀行・市場業務が牽引し、GMOあおぞらでデジタル領域の拡張を図る体制。2024年の大幅損失からは回復し、1Qも引当を織り込みつつ利益を確保。開示債権比率や保全率は改善傾向。
- 指標面ではROEが4〜5%台で、国内銀行平均と比べ高水準とは言いにくい。自己資本比率(短信算式)は5.8%と低く見えるが、銀行は規制自己資本比率が主要管理指標であり単純比較は要注意。
- バリュエーションはPER/PBRとも業界平均より高い水準。株価は50日線を下回るが200日線上で推移しており、イベント(11月決算)を前に材料待ちの様相。
- リスクは海外不動産(特に米国オフィス)に係る与信費用の変動、有価証券評価、金利・為替動向。引当・保全の着実な進捗と収益源の分散がカギ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM増収は小幅(2024→2025で約+2〜3%)、四半期ベースは+16%と改善。一方、3年CAGRは2022比でマイナス。
- 収益性:B
- 根拠:LTM純利益率16〜17%、営業利益率20%超(参考値)。ROEは4〜5%台で高くはない。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率(短信算式)5.8%。銀行特性により一般企業の閾値とは非比較だが、開示指標上は厚くない。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER約14.1倍(業界平均10.7倍)、PBR約0.68倍(同0.4倍)と相対的に高水準。
参考データ抜粋
– 株価:2,247円/時価総額:約3,141億円/発行株式数:約1.398億株
– PER(会社予想):14.13倍/PBR:0.68倍/EPS(予想):158.98円/BPS:3,317.34円
– 配当:年間予想88円(利回り3.92%、性向約51%)
– ROE:4.92%(実績)/ROA:0.24%(LTM)
– 50日線:2,311.95円/200日線:2,189.74円/年初来高値:2,517円・安値:1,671円
不明または未開示事項は記載を省略しました。追加の確認事項があればご指定ください。
企業情報
銘柄コード | 8304 |
企業名 | あおぞら銀行 |
URL | http://www.aozorabank.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 銀行 – 銀行業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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