木曽路(8160)企業分析レポート
株価:2,428円(時価総額 693億円)/市場:東証プライム/業種:小売(外食・レストラン)
1. 企業情報
- 概要
- しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」を中核とする外食中堅。焼肉(「大将軍」「くいどん」)、居酒屋(「とりかく」「大穴」)、和食「鈴のれん」、食肉加工・物販、不動産賃貸なども展開。中部地盤。
- 1950年創業、1974年に現社名へ。名古屋本社。
- 事業構成(2025/3 連結)
- 木曽路 79%、焼肉 15%、居酒屋 2%、鈴のれん 1%、その他 3%
- 店舗・運営の特徴(会社開示要点)
- 木曽路:改装推進(1Qで4店)、昼メニュー強化(季節・祝事需要取り込み)
- 焼肉:自社食肉加工工場による品質・原価コントロール。「大将軍」は堅調、「くいどん」は苦戦
- コスト対応:シフト最適化、人件費・光熱費・購買の効率化
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 「しゃぶしゃぶ 木曽路」は同業態での最大手ブランドの一角。高単価・ハレ需要(会食・慶事)を取り込む和食寄りのポジショニング。
- 競争環境(例示)
- 大衆寄り食べ放題型(例:しゃぶ葉、温野菜など)から、会食・慶事向けの高付加価値型まで価格帯は広い。木曽路は後者寄り。
- 競争優位と課題
- 優位:長年のブランド力、和食・会席需要、祝事領域の安定顧客、自社加工による品質と原価管理
- 課題:コスト高(人件費・食材・エネルギー)、季節性(冬季偏重)、焼肉「くいどん」の立て直し、昼需要の強化・客数確保
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示要点の整理)
- 主力「木曽路」の改装・商品強化で客数・客単価を底上げ、祝事・会食需要を確実に取り込む
- 焼肉は自社加工のバリューチェーンで差別化、アプリ会員獲得・販促で認知拡大
- コスト構造の平準化(人員・購買・エネルギー)
- 中期施策(定量目標は未開示)
- 既存店の磨き上げ(改装・メニュー・サービス)
- デジタル活用(アプリ・会員基盤)
- 収益性改善(原価・労務・設備の最適化)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 店内飲食が中心。ハレ需要(慶事・法要・会食)と季節商材(鍋)で需要が高まる時期がある。補完として外販・物販、不動産賃貸も保有。
- 持続性評価の観点
- 祝事・会食という価格弾力性が比較的高い顧客層の存在は安定要因。一方で、季節性と消費動向の影響は受けやすい。
- 自社加工による品質・原価コントロールはコスト上昇局面での適応力に寄与。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営上の独自性
- 自社食肉加工工場を活かした品質保証・原価管理。シフト・在庫・ロス管理の最適化で収益性改善を志向。
- アプリ会員施策による販促・CRM。
- 収益ドライバー
- 主力「木曽路」(売上構成比約8割)。焼肉は第二の柱として育成中(「大将軍」堅調、「くいどん」改善途上)。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 指標(現在株価2,428円ベース)
- PER(実績LTM換算):約21.6倍(2,428 ÷ EPS 112.44)
- PER(会社予想):33.52倍(EPS 72.44)
- PBR:2.33倍(BPS 1,042.35)
- EV/売上高:約1.21倍[EV ≒ 693億 + 有利子負債74億 − 現金126億 ≒ 642億円、売上532億円]
- 配当利回り(会社予想):1.24%(配当30円)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 21.3倍、PBR 1.8倍
- 実績PERは業界平均に概ね近接、予想PERは平均を上回る水準。PBRは平均を上回る。
- 参考換算(単純比較)
- 業界平均PER適用(実績EPS 112.44):約2,394円
- 業界平均PER適用(予想EPS 72.44):約1,543円
- 業界平均PBR適用(BPS 1,042.35):約1,876円
- 上記は相対比較の目安であり、成長性・収益力の差や一過性損益、季節性等を織り込まない単純試算。
7. テクニカル分析
- 位置取り
- 52週高値:2,669円(現状 −9.0%)/52週安値:1,957円(現状 +24.1%)
- 50日線:2,492円(現状やや下)/200日線:2,306円(現状上)
- 直近10日終値は2,383〜2,428円のレンジで推移し、短期はもみ合い。
- 判定の目安
- 中期は50日線割れでやや弱含み、長期は200日線上で堅調圏。高値圏と安値圏の中間〜やや上寄り。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 2022/3:売上36,778、営業損失▲3,542
- 2023/3:売上45,930、営業損失▲581
- 2024/3:売上52,984、営業利益2,247
- 過去12か月:売上53,229、営業利益2,708、純利益3,166
- 収益性
- 粗利率:約68.2%(36,290/53,229)
- 営業利益率:約5.1%(2,708/53,229)
- 純利益率:約5.9%(3,166/53,229)
- 2026/3期1Qは季節性もあり営業損失▲0.62%(前年▲2.45%から改善)
- 成長性
- 売上の3年CAGR:約+13%(36,778→53,229)
- 直近LTM YoYは小幅増(+0.5%前後)、1Q YoYは+1.8%
- ROE・ROA
- ROE(実績):10.92%/ROA(LTM):4.11%
- キャッシュ・財務体質
- 現金等:126億円/有利子負債:74億円 → ネットキャッシュ約52億円(約183円/株)
- 流動比率:約141%/自己資本比率:64.9%/D/E:約0.25
- EBITDA(LTM):約41億円(マージン約7.6%)、減価償却約16億円
- 特記事項
- 一過性項目:1Qに固定資産売却益174百万円。スコア評価では一過性要因は除外。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期:年間45円(期末に特別配当15円含む)
- 2026/3期(会社予想):年間30円(中間15円、期末15円)
- 予想配当性向:約26.7%
- 自社株
- 自己株式比率:約1.34%(383,350株)。現行の買付方針は開示情報からは不明。
- 参考
- 5年平均配当利回り:0.85%(現行1.24%はこれを上回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 10日平均売買高(約12.7万株)は3カ月平均(約11.0万株)を上回り、直近は出来高やや増加。
- 直近株価はレンジ内で小動き(9/30:2,447円 → 10/14:2,428円)。
- 信用動向
- 信用買残:54,300株(前週比増)、信用倍率:1.18倍。信用売残は前週比減少。
- ボラティリティ
- ベータ(5年):0.06と低水準。個別業績・季節要因・配当権利取り前後の需給要因が中心。
11. 総評
- 主力「木曽路」のブランドと祝事・会食需要、自社加工による品質・原価管理が収益基盤。改装・昼需要強化・コスト最適化で収益性改善を進めている。
- 売上はコロナ後に回復し、3年CAGRは2桁。ただし直近の伸びは小幅で、焼肉の一部ブランドに課題。季節性(冬季偏重)とコスト高が収益の振れを生みやすい。
- 財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で健全。配当は平準化(前期特別配当剥落)。
- バリュエーションは実績PERで業界平均並み、PBRは平均超。予想PERは会社計画EPS低下見込みの影響で高め。収益の平準化と焼肉の立て直しが評価のカギ。
(注)本レポートは提供データに基づく一般的な分析であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:売上3年CAGR約+13%。直近YoYは小幅増(+1〜2%)だが総じて拡大傾向。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約5.1%、EBITDAマージン約7.6%。外食平均と同程度の水準。一過性を除外。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率64.9%、流動比率約141%、ネットキャッシュ保有、D/E約0.25。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:実績PERは業界平均並みだが、予想PERは平均超、PBRも平均超。EV/Sは約1.2倍で中庸。
【補足データ】
– 年初来高値:2,669円/安値:1,957円
– 移動平均:50日2,492円、200日2,307円
– 直近イベント:2026/3期1Q決算(8/8公表)、次回配当権利落ち予定 2026/3/30(予定)
– 大株主:信託銀行口、取引先系(飲料各社)など安定株主が多い構成
(不明・未開示の項目はスキップしています)
企業情報
銘柄コード | 8160 |
企業名 | 木曽路 |
URL | http://www.kisoji.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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