イチネンホールディングス(9619)企業分析レポート
株価(10/15終値):1,981円/時価総額:472.9億円/市場:東証プライム
セクター:サービス業(Rental & Leasing Services)
注記:本資料は公開情報の整理であり、投資助言を行うものではありません。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:自動車リース・車両整備受託を中核に、ケミカル、パーキング、機械工具販売、合成樹脂、農業関連など複合事業を展開。整備工場ネットワークが強み。M&Aに積極的。1930年創業、大阪本社。
- 連結事業構成(売上構成比/参考:括弧は利益率目安)
- 自動車リース関連 40%(11%)
- 機械工具販売 23%(0%)
- 合成樹脂 12%(2%)
- 農業関連 11%(7%)
- ケミカル 7%(7%)
- パーキング 5%(16%)
- その他 1%(11%)
- 事業の特徴:リース起点のメンテ受託・燃料販売など周辺領域で継続収益を確保。非自動車の分散ポートフォリオ(工具、樹脂、農業、駐車場)で景気局面の平準化を志向。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:自動車リースでは中堅。大手総合リース(東京センチュリー、三菱HCキャピタル等)に比べ、地方・中小企業顧客やメンテ受託に強み。パーキングは大手(Park24等)に次ぐ規模群。機械工具はEC・卸の競争が激しい分野で、品揃えと価格競争が課題。
- 競争優位:整備工場ネットワークによるメンテナンス品質・コスト管理、複合事業による需要平準化、M&A活用の事業補完。
- 課題:
- リース資産の調達コスト(金利)上昇感応度
- 機械工具・樹脂はマージンが薄く、価格競争が厳しい
- 合成樹脂の需要変動・大口案件の反動で業績ブレが発生
3. 経営戦略と重点分野
- 方針:既存事業の深掘りとM&A・海外展開等による規模拡大を継続(会社開示)。
- 重点施策(短信・開示より要約)
- 自動車リース関連:契約台数増(96,754台、前期末比+637台)、メンテ受託拡大、未経過契約残高増。
- ケミカル:付加価値製品へシフト、原材料高の価格転嫁。
- パーキング:管理件数・台数増で収益性維持。
- 機械工具:EC強化・品揃え拡充で粗利改善を志向。
- 合成樹脂:前期大口案件の反動を吸収し需給の平準化。
- 資本政策:自己株式の消却(500千株)と処分(125千株)を実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- リース料・メンテ受託料のストック性収益が基盤。
- パーキング運営、工具・肥料等の販売収益で分散。
- 適応力:価格転嫁(ケミカル)、EC化(工具)、台数積み上げ(リース・駐車場)などで環境変化に対応。
- リスク:金利上昇(調達コスト)、残価・中古車価格変動、原材料価格、M&AのPMI(統合)実行、景気循環の影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用:整備ネットワーク運用、フリート管理のデジタル化、ECによる販路拡大。
- 主力領域:
- 自動車リース・メンテ受託が利益の柱(1Qセグメント利益比率約59%)。
- パーキングは高めの利益率で全社利益に貢献。
- ケミカル・農業関連は利益改善が進展。合成樹脂は反動減。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,981円、予想EPS 262.78円、BPS 2,787.19円、現預金803億円、総有利子負債1,098億円、LTM売上1兆5,654億円(=1,565.4億円)
- 指標比較
- PER(予想):1,981 ÷ 262.78 ≈ 7.5倍(業界平均17.0倍)
- PBR(実績):1,981 ÷ 2,787.19 ≈ 0.71倍(業界平均1.8倍)
- EV/売上:EV ≈ 4,728.7 +(10,981 – 803)= 約14,906億円相当 → EV/S ≈ 0.95倍
- EV/EBITDA:約14,906 ÷ 3,370 ≈ 4.4倍
- 配当利回り(参考)
- 会社計画:年間70円 → 70 ÷ 1,981 ≈ 3.5%
- データ差異あり:73円ベースでは約3.7%(会社開示は26/3期70円予想)
- 所感(定量比較):PER・PBRとも業界平均を下回るレンジ。負債活用型(リース)の特性を踏まえても、EV/EBITDAは中位〜やや低位水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価1,981円は50日移動平均1,876円、200日移動平均1,731円を上回る上昇トレンド。
- 範囲:52週高値2,064円に対し約4%下。年初来レンジ上限付近=高値圏寄り。
- モメンタム(10日):2,000円近辺での往来後、直近は出来高(6.1千株)が3カ月平均(約4.3万株)を下回り、上昇一服感。
- 信用需給:信用倍率10.9倍(買い長)だが残高は小さめ。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上:120,644(22/3)→127,822(23/3)→138,253(24/3)→154,920(LTM)百万円
- 3年CAGR:約8〜9%/LTM YoY:約+12%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約22%(34,024/154,920)
- 営業利益率:約6.6〜7.9%(短信1Q:7.9%)
- 当期純利益率:約4.4%
- EBITDA:3,337〜3,348億円(データ範囲)、EBITDAマージンおおむね19%前後
- ROE:10.6%、ROA:3.1%
- 安全性
- 自己資本比率:31.5%(リース業特性で負債活用)
- D/E(Debt/Equity):約165%
- 流動比率:173%
- 特記事項
- 2024/3は特別要因(不調整項目)が純利益を押し上げ。Normalizedベースでは利益水準は安定推移。
- 1Q(26/3期):売上+4.1%、営業微減、純利益+8.7%。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2025/3期 実績:年間70円(期末に記念配当4円含む)
- 2026/3期 予想:年間70円(中間35円・期末35円)
- 配当性向:概ね24%(LTMベース)。
- 自己株式:当期に自己株式消却(50万株)とストックオプション行使に伴う処分(12.5万株)を実施。
- 方針:安定配当を志向(会社開示ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:200日線を上抜け後、年初来高値圏で推移。短期は出来高低下で勢いはやや鈍化。
- 投資家構成:インサイダー保有約25%、機関保有約15%、フロート1,624万株程度。β0.35でボラティリティ低め。
- 需給・材料:M&A、セグメントミックス改善(パーキング・農業・ケミカルの利益寄与)、金利・原材料価格・中古車市況などが株価要因。
11. 総評
- 事業:自動車リース・メンテ受託の収益基盤と、駐車場・農業・ケミカル等の分散で安定性を志向。
- 業績:売上は中期的に拡大傾向。1Qは増収・営業微減・純利増。
- 収益性:全社営業利益率は高くはないが、パーキング等の高採算領域が底上げ。
- 財務:リース業特性で負債水準は高めだが、流動比率は良好。自己資本比率は3割強。
- バリュエーション:PER・PBR・EV/EBITDAはいずれも相対的に抑制的。安定配当(配当利回り約3.5%)も確認できる。
- 留意点:金利・残価・原材料、M&Aの統合、合成樹脂の需要変動など。四半期ごとのセグメント動向のブレに注意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+12%、3年CAGR約8〜9%。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約7〜8%、粗利率約22%。業界水準と同程度を想定。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率31.5%(40%未満)、D/E約165%は業態特性。流動比率173%は良好。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約7.5倍(業界平均17倍)、PBR約0.71倍、EV/EBITDA約4.4倍。
参考データ抜粋
– 1Q(26/3期):売上高4,114億円(+4.1%)、営業利益325億円(-2.8%)、純利益247億円(+8.7%)
– ROE 10.65%、自己資本比率 31.5%、配当性向 約24%
– 52週高値 2,064円/安値 1,401円、50日線 1,876円、200日線 1,731円
今後の主な予定(会社公表)
– 次回決算関連:直近は1Q(8/8)公表済。通期予想(売上1,620億円、営業利益104億円等)は現時点変更なし。
– 権利落ち予定日:2026年3月30日(予定)
免責:本資料は公開情報に基づく定量・定性的整理であり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9619 |
企業名 | イチネンホールディングス |
URL | http://www.ichinenhd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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