ローツェ(6323)企業分析レポート
本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要:半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)工場向けの自動化システム(ウエハ・ガラス基板搬送装置等)で国内有力、ウエハ・ガラス基板搬送で最大手クラス。真空・大気両環境のウエハ搬送ロボット、アライナ、ロードポート、EFEM/ソーター、ストッカー、マスク/レチクル搬送などを展開。制御装置(コントローラ、ステッピングモータ/ドライバ)も提供。
- ライフサイエンス分野:メカトロ式CO2インキュベーター、セルキーパー、デキャッパ、ヒートシーラー等の自動化装置を展開。
- 事業構成(2025.2):半導体関連82%、FPD関連7%、分析装置3%、ライフサイエンス1%、部品・修理他7%。海外売上比率90%。
- 主要顧客:TSMC、Applied Materials(中間期売上構成比 合計約34%)。
- 生産体制:アジアへの生産シフトを進めコスト競争力を強化。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:ウエハ/ガラス基板搬送ロボット、EFEMなど前工程周辺装置で高シェア。大手半導体メーカーおよび装置メーカーの量産ラインで採用。
- 競争優位性:
- 高信頼性・高クリーン度・高精度を要する真空搬送技術の蓄積
- モジュール化(EFEM/ロードポート/ロボット)による実装容易性とスループット
- 大手顧客向けカスタマイズ対応力、制御・インターフェース(EDA/Interface A)対応
- 課題:
- 顧客集中(TSMC 18.1%、AMAT 16.0%:中間期)が収益変動要因
- 半導体設備投資の景気循環影響と為替感応度
- ライフサイエンス事業の収益化は道半ば(現状セグメント損失)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略の要旨:
- 高性能半導体(AI/データセンター/HPC)向け投資に連動し、前工程周辺の自動化比率を一段と引き上げる
- モジュール標準化+システムインテグレーション力で納期・立上げ迅速化
- ライフサイエンスの製品群拡充と安定収益化の推進
- 生産のアジアシフト継続によるコスト最適化
- 中期トピック(足元の施策):
- 自己株式取得(約50億円、2,934,400株)実行
- 通期見通し据え置き(売上+3%、営業利益△5%予想)
- 受注残は前年同期比で縮小(受注残高 4,977億円ベース換算相当のうち前年同期比83%)と管理の厳格化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:装置販売が中心だが、部品・修理(7%)や改造・保守が安定収益に寄与。主要顧客の大型投資期には高い収益弾性が発現。
- 強靭性:
- 高い切替コスト(装置間インターフェース、クリーン要件、信頼性データ)が参入障壁
- グローバルサービス/供給網を背景にリピート需要が見込める
- リスク:半導体設備投資サイクル、顧客集中、為替差損(中間期に営業外で為替差損計上)等。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:大気・真空ウエハ搬送ロボット、EFEM、ロードポート、アライナ、真空プラットフォーム、マスク/レチクル搬送。
- 技術特長:真空環境下での高精度搬送、低パーティクル、スループット最適化、EDA/Interface A対応、専用コントローラ・ステッピングモータの内製。
- 収益牽引:半導体前工程向け搬送モジュール群。FPDは回復基調。ライフサイエンスは売上拡大途上。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:2,294円、時価総額:約4,080億円
- 予想EPS:134.28円 → 予想PER:約17.1倍(会社公表 17.23倍)
- 実績BPS:672.70円 → PBR:約3.41倍(会社公表 3.44倍)
- ネットキャッシュ:約343億円(現金609億円−有利子負債266億円)
- EV/売上(LTM):約2.9倍(EV≒3,737億円、売上1.30兆円換算ではなく約1,298億円)
- EV/EBITDA(LTM):約10.3倍
- 業界平均との比較:PER 16.6倍、PBR 1.4倍に対し、当社はPERは小幅プレミアム、PBRはプレミアム。高収益・高ROE・高成長履歴がプレミアムの背景。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均 1,988円、200日 1,741円を上回り、中期~長期上昇トレンド。
- 水準感:年初来高値2,540円に対し現状約10%下。年初来安値966円からは大幅高で、レンジ内ではやや高値圏。
- 需給:信用買残 368万株、信用倍率 9.46倍と買いに偏重。10日平均売買高(255万株)が3カ月平均(190万株)を上回り、短期的な関心は高い一方、変動性に留意。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(百万円):67,004(2022)→94,518(2023)→93,247(2024)→124,406(2025)→LTM 128,179
- 3年で大幅増(2022→LTM)、直近は+3%程度の増収ペース。中間期は+8.9%。
- 収益性:
- 粗利率:約40%(中間期、LTMも概ね同水準)
- 営業利益率:約24%(中間期24.7%、LTM 24%前後)
- 当期純利益率:中間期16.6%、LTMベース約14~16%帯
- 効率性/資本:
- ROE(実績):22.5%
- ROA(LTM):10.7%
- 自己資本比率:前期末62.8% → 中間期65.6%
- 流動比率:約360%、D/E約0.21(総合的に健全)
- その他:
- 中間期は為替差損計上で経常・純利益が減益。受注残は前年同期比減(83%)で先行きの受注動向が注目点。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年17円(予想)、配当利回り約0.73%、配当性向約16%(余力あり)。
- 自己株式取得:2025年に約50億円実行(約293万株)。
- 株式分割:2024年8月に1→10分割。
- 5年平均配当利回り:0.82%(現状はこれをやや下回る水準)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+28.8%、ベータ1.26で指数より変動性は高い。
- 直近:出来高増・年初来高値圏での推移。AI/データセンター投資や台湾向け需要がセンチメントの支え。為替動向・受注指標のニュースフローで上下に振れやすい地合い。
- 保有構造:インサイダー保有44%とフリーフロートが相対的に小さく、需給の影響が出やすい。
11. 総評
- 半導体前工程の搬送・周辺モジュールで高シェアと技術優位、粗利率・営業利益率ともに業界上位水準。大型顧客の投資動向に連動しやすく、短期的には為替差損や受注残の減少など慎重要素もある一方、AI/HPC関連の中期需要は追い風。財務はネットキャッシュで極めて健全。株価は業界平均に対しPER/PBRでプレミアムだが、収益性・ROE・実績成長で一定の説明余地がある。短期は需給(信用買い偏重・出来高増)とボラティリティに注意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上は前年比+約3%、2022→LTMの3年で大幅成長。足元の中間期も+8.9%増収。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約40%、営業利益率約24%は同業平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率65%前後、流動比率約360%、D/E約0.21、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PERは業界平均比で小幅プレミアム、PBRは高位。EV/EBITDA約10倍、利回りは低位。
参考データ(主要数値)
– 株価:2,294円/時価総額:約4,080億円
– 予想EPS:134.28円/予想PER:約17.1倍
– 実績BPS:672.7円/PBR:約3.41倍
– LTM売上:約1,282億円、営業利益率約24%、ROE(実績)22.5%
– 現金:約609億円、総債務:約267億円、ネットキャッシュ:約343億円
– 年初来高値:2,540円、安値:966円、50日MA:1,988円、200日MA:1,741円
注:数値は会社公表や市場データ(LTM/中間期/実績・予想)に基づく。比較・計算の端数差は四捨五入等による。
企業情報
銘柄コード | 6323 |
企業名 | ローツェ |
URL | http://www.rorze.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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