大真空(6962)企業分析レポート
本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資勧誘・投資助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要:大真空は、水晶デバイス(クリスタル振動子・発振器、モノリシッククリスタルフィルタ、MEMS発振器、気密封止製品)を製造・販売。ウェアラブル、スマホ、IoT/M2M、無線通信、ネットワーク、車載、情報通信機器、AV、ゲーム、FAなどに用途。人工水晶素材からの一貫生産が強み。
- 特徴:水晶デバイス総合大手。音叉型・民生用振動子で高シェア。海外売上比率88%(2025/3期)。
- 市場区分:東証プライム(電気機器)
- 本社:兵庫県加古川市
- 従業員:3,216人(平均年齢43.9歳、平均年収616万円)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の水晶デバイス大手の一角。音叉型などでシェア首位級とされ、一貫生産による品質・コスト競争力を持つ。
- 競争環境:同業他社(国内外)との価格競争が強く、特に通信向けTCXOで競争激化との開示あり。車載分野は堅調だが、産業分野は設備投資の弱さが続く。
- 課題:為替変動(台湾ドル/米ドルの急変)、一部製品のコモディティ化による単価下落、地域別・用途別の需要ボラティリティ。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示・業界動向の整理):
- 高信頼性・高付加価値領域(車載、産業、通信インフラ)での設計採用の拡大
- 小型化・高安定化(TCXO/VCXO等)、MEMS発振器などの開発・拡販
- 一貫生産体制とグローバル拠点の最適活用によるコスト・品質の高度化
- 2026年3月期の会社計画(通期予想、前期比):
- 売上高 410億円(+6.2%)、営業利益 20億円(+118.6%)、経常利益 10億円(+142.4%)、純利益 5億円(+75.1%)、EPS 15.73円
- 重点施策の示唆(短信より):
- 地域別では中国・台湾・日本が主力。車載が概ね堅調、通信向けの価格競争に対応。台湾子会社の為替影響が課題。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:大量生産領域(民生・通信)と高付加価値領域(車載・産業)を組み合わせ。設計採用(デザインイン)による継続受注と、為替・単価・稼働率の影響が収益性を左右。
- 適応力:一貫生産やグローバル供給体制は強み。価格競争下でのミックス改善(車載・高周波/高安定品の比率向上)、為替リスク対応(自然ヘッジ・コスト最適化)が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:高精度・高安定・小型化要求の高まり。水晶発振器の温度補償(TCXO)/電圧制御(VCXO)やMEMS発振器の活用拡大。
- 主力製品:クリスタル振動子・発振器、モノリシッククリスタルフィルタ、MEMS発振器。音叉型で高いシェア。
- 収益牽引:車載・通信向けが中核。Q1では車載は堅調、通信向けは価格競争が逆風。
6. 株価の評価(ファンダメンタル)
- 前提:株価 575円、時価総額 約184.8億円、予想EPS 15.73円、BPS 1,140.4円、現金約177億円、借入約351億円、LTM売上約381.7億円
- 指標と簡易試算
- 予想PER:約36.6倍(= 575 / 15.73)[業界平均PER 24.2倍より高い]
- PBR:約0.50倍(= 575 / 1,140.4)[業界平均PBR 1.6倍より低い]
- EV/S:約0.94倍(EV≈時価総額184.8 + 有利子負債351.1 − 現金177.0 = 約358.9億円、EV/S ≈ 358.9 / 381.7)
- 配当利回り:約4.9%(= 28 / 575)
- 所見:利益ベース(PER)は高め、水準感としてPBRは低め。収益回復度合いが評価分岐点。
7. テクニカル分析
- 現在値と移動平均:株価575円、50日線585.7円(下回り)、200日線562.4円(上回り)
- 52週レンジ:447〜657円の中間域(安値比+29%、高値比−12%程度)
- 直近10日:600円近辺から一時548円まで下落後、575円に戻す動き。短期は戻り基調だが、50日線下で上値はやや重い局面。
- ボラティリティ:β 0.12と低め。
8. 財務諸表分析
- 売上高:LTM 3,862億円→ではなく38,621百万円(約386億円)。2022/3 413億円 → 2023/3 384億円 → 2024/3 393億円 → 2025/3 386億円と横ばい〜やや減。
- 利益:
- 粗利:2025/3 93.3億円(粗利率約24%)で縮小傾向。
- 営業利益:2022/3 51.9億円 → 2023/3 42.1億円 → 2024/3 21.4億円 → 2025/3 9.15億円と低下。
- LTMの純利益は短信Q1の赤字影響もありマイナス(企業財務指標:純利益▲5.3億円、純利益率▲1.4%)。
- キャッシュフロー・財政状態:
- 現金同等物:約177億円、総資産:約906億円
- 有利子負債:約351億円、純有利子負債は約174億円
- 自己資本比率:41.2%(前期末)→ 40.0%(2025/6末)
- 流動比率:1.78倍
- 金利負担:受取利息22.2億円、支払利息31.6億円(LTM、差し引きマイナス)
- 効率性:2026年3月期1Q営業利益率約0.75%と低水準。
- セグメント(2026年3月期1Q):
- 売上構成概算:中国32%、台湾23%、日本20%、欧州11%、北米7%、アジア7%
- 台湾は為替急騰で大幅減益、アジアその他は赤字。日本/欧州/北米は小幅増収、車載堅調。通信向けで価格競争が逆風。
- 収益性指標:ROE(実績)0.75%、LTM ROEはマイナス(企業財務指標:-0.72%)、ROA 0.39%(LTM)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間28円(前期実績・今期予想ともに28円、中間14円・期末14円)
- 配当利回り:現株価で約4.9%
- 配当性向:LTMベースは高水準(企業財務指標:315%)。今期予想EPS15.73円に対しても高めの水準。
- 自社株買い:開示資料に記載なし。自己株式保有は約1.13%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近は一旦下押し後に戻り。50日線下・200日線上で中立〜やや弱含み。
- 信用動向:信用買残61.9万株(前週比+12.5万株)、信用倍率15.9倍と買い越しが厚い。短期的な需給の影響に留意が必要。
- 出来高:直近はイベント日周辺で増加する場面あり。3カ月平均出来高17.2万株、10日平均20.3万株。
- 参考イベント:次回配当落ち予定日 2026/3/30。通期決算発表時期は別途公表。
11. 総評
- 事業面:音叉型などで強みを持つ水晶デバイス総合メーカー。車載は概ね堅調。一方、通信向けの価格競争と為替変動(特に台湾ドル)が収益の重し。
- 財務・収益:売上は横ばい圏、利益率は低下基調。2026年3月期1Qは為替差損もあり赤字。会社は通期での回復(増益)を見込むが、為替と価格競争の影響が変動要因。
- バリュエーション:PERは業界平均を上回る一方、PBRは大きく下回る水準。収益回復の進捗とミックス改善が評価の焦点。
- テクニカル:株価はレンジ中央付近で中立。短期は戻りつつも50日線が上値目線。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年から微減、1Q YoYも-4.6%。3年では横ばい〜微減。
- 収益性:C
- 根拠:粗利率約24%・営業利益率1桁前半、LTM純利益は赤字。業界平均比で見劣り。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約40%、流動比率1.78倍。D/Eも許容範囲。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは平均大幅下。EV/Sは約0.94倍で中庸。総合して中立評価。
参考データ一覧
– 株価・出来高:575円、出来高11.3万株(2025-10-16)
– 予想PER:36.55倍、PBR:0.50倍、配当利回り:約4.9%
– 50日/200日移動平均:585.7円 / 562.4円、52週高安:657円 / 447円
– 財務:現金約177億円、借入約351億円、自己資本比率40.0%(2025/6末)
– 2026年3月期1Q:売上937.6億円→ではなく9,376百万円、営業利益7,000万円、純損失4.39億円(為替差損影響)
企業情報
銘柄コード | 6962 |
企業名 | 大真空 |
URL | http://www.kds.info/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。