帝国電機製作所(6333)企業分析レポート
最終更新日: 2025-10-17
注記)本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値は連結ベース。単位は特記なき限り円・百万円。
1. 企業情報
- 概要
- 帝国電機製作所は、漏洩リスクを極小化する密閉(シールレス)構造のキャンドモータポンプを中核とするポンプメーカー。化学・医薬・食品・石油化学・発電(原子力含む)・変電設備向けなど幅広い用途で採用。
- 主な製品群:キャンドモータポンプ/メータリングポンプ/キャンドモータ攪拌機/電動オイルポンプ/保護装置/高温溶融塩循環ポンプ/SF6ガス用シールレスブロワ/回転方向指示器/ロールスタビライザ用モータ 等。
- 海外拠点を展開(米・中・台・星・独・印・韓など)。1939年設立、兵庫県たつの市に本社。
- 事業構成(2025/3期)
- セグメント構成:ポンプ96%、電子部品3%、その他1%(2026/3期1Qよりポンプ単一セグメントへ移行)
- 海外売上比率:73%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- キャンド(無漏洩)ポンプの国内最大手。国内シェア約6割、世界で4割弱とされる高シェア。
- 競争優位性(示唆)
- 漏洩抑制・安全性が要求される化学・エネルギー領域での実績、製品ラインアップの広さ、海外拠点網。
- 規制やESG観点から揮発性有機化合物(VOC)漏洩低減ニーズが追い風となる構造。
- 課題
- 需要は設備投資サイクルの影響を受けやすく、大型案件の有無で変動が生じやすい(会社開示より)。
- 地域・為替の影響(特に米国政策・中国景気)、素材市況など外部環境への感応度。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(開示・記載事項の整理)
- 事業ポートフォリオの再編:2026/3期1Qから「ポンプ単一セグメント」へ。子会社の電子部品事業停止の影響を織り込み、主力事業へ集中。
- 海外展開の強化:米国企業の買収や中国(大連)工場など、グローバル供給体制・販売網の拡充。
- 高付加価値領域:高温溶融塩循環ポンプ、原子力関連、SF6ガス用シールレスブロワなど、専門性・安全性ニーズが高い分野を保有。
- 会社計画(2026/3期見通し:2025/5/12公表から変更なし)
- 売上高 27,520、営業利益 5,000、経常利益 5,120、純利益 3,700、EPS 222.77円(いずれも会社予想)
- 重点施策(推察を交えずに整理)
- 地域別の需要動向への対応(米国堅調、日本・中国での需要弱含みへの対応)
- 単一セグメント化による経営管理の明確化・効率化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 主要顧客は化学業界などのプロセス産業。無漏洩・安全要求に合致するニッチ高機能製品を提供。
- 持続性の観点
- 規制・環境対応の要請は構造的追い風。一方、設備投資のサイクルや大型案件のタイミングでボラティリティが残る。
- 2026/3期1Qは投資有価証券売却益等の一過性要因で純利益が増加しており、平常収益力との峻別が必要(営業外・特別要因の影響)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- キャンドモータ(密閉)構造により、液漏れ・ガス漏れを抑制し安全性を高める技術領域で強み。
- 高温溶融塩循環、原子力関連、SF6ガス向けなど、難易度の高い用途に対応する製品群。
- 収益ドライバー
- ポンプ事業が売上の約96%を占める主力。地域別では日本・欧米・アジアに分散(2026/3期1Q:日本2,072/欧米1,721/アジア2,440)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価:3,080円、時価総額:約519.9億円、EPS(会社予想):222.77円、BPS:1,907.63円
- PER(会社予想):13.83倍、PBR:1.61倍
- 業界平均:PER 16.6倍、PBR 1.4倍
- 相対評価
- PERは業界平均を下回る一方、PBRは平均を上回る水準。
- 参考計算(機械的比較)
- 業界平均PER適用の参考株価:222.77円 × 16.6倍 ≈ 3,700円
- 業界平均PBR適用の参考株価:1,907.63円 × 1.4倍 ≈ 2,671円
- 概算EV/Sales(LTM):EV≒時価総額−現金(有利子負債軽微前提)= 約519.9−126.2=約393.7億円、売上約305.5億円 → EV/S ≈ 1.29倍
- 配当利回り
- 予想年間配当110円 → 利回り約3.57%、配当性向約50%(会社データ)
7. テクニカル分析
- トレンド・位置づけ
- 終値3,080円は50日移動平均3,279.7円を下回り、200日移動平均3,058.8円近辺。短期的にはやや弱含み、長期線付近での攻防。
- 52週レンジ:2,509~3,455円。現水準はレンジ中程(安値から約60%地点)。
- 直近10日値動き
- 10/7の3,330円付近から段階的に反落し、10/16に3,080円。出来高は概ね3カ月平均(約19千株)並み。
- 需給
- 信用買残増(+3,100株)、信用倍率6.22倍。買い残偏重のため、価格調整局面での需給影響に留意。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(連結):2022/3 22,244 → 2023/3 28,451 → 2024/3 29,218 → 過去12か月 30,546(百万円)。3年CAGR約+11%、LTM対前年+4.6%。
- 2026/3期1Qは売上高6,232(前年同期比▲10.2%)と足元は調整(大型案件反動・中国など)。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約45~46%(粗利13,886/売上30,546)
- 営業利益率:18.59%(会社データ)
- EBITDAマージン:約22~23%(EBITDA 6,899/売上 30,546)
- 当期純利益率:13.26%(会社データ)
- ROE:実績11.8%、LTM 13.01%。ROA LTM 8.92%。
- 損益の質
- 1Qは投資有価証券売却益等の特別要因が純利益を押し上げ。一過性を除いた平常収益力の把握が必要(Normalized指標は増益傾向)。
- 安全性・効率
- 自己資本比率:77.2%(期末)、流動比率:426%、当座比率:約314%(1Q試算)
- 現金等:126億円(1Q)、ネットキャッシュとみられる構造。
- キャッシュフロー
- 1QのCF計算書は未作成。減価償却費は四半期で2.18億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期実績:年110円、2026/3期予想:年110円(中間55・期末55)。想定配当性向約49~50%。
- 自己株式
- 自己株式比率:約1.6%。自社株買いの方針・規模は資料上明示なし。
- その他
- 5年平均配当利回り:3.45%(データ)。安定配当を志向する印象(記載範囲内)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日線割れ・200日線近辺での推移。短期は弱含み、長期は中立域。
- 投資家関心
- 機関保有比率約49%、インサイダー約13%。
- 信用買い優勢(倍率6.22倍)。イベントでは決算発表や配当権利落ち(2026/3/30予定)が関心材料。
- 株価ドライバー(会社コメント等の整理)
- 化学業界の設備投資、米国の政策、対中需要、原子力・大型案件の獲得有無、為替動向。
11. 総評
- 同社は無漏洩ポンプの高シェア企業で、規制・安全性ニーズに適合する製品群と海外展開を有する。中期的な市場構造は追い風だが、短期的には設備投資サイクル・地域需要・大型案件の反動で業績が変動しうる。
- 収益性・財務健全性は機械セクター内で良好な水準。LTMでは増収増益基調だが、2026/3期1Qは売上が減少、一方で特別益により純利益は増加しており、一過性要因の影響を見極めたい。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは平均超。テクニカルには50日線を下回りつつ、200日線近辺での推移。需給(信用)面の影響にも留意。
- 重点観点:受注動向(地域別・案件別)、為替影響、米国・中国の投資サイクル、原子力関連の案件獲得、単一セグメント化後の効率性。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+4.6% YoY、3年CAGR約+11%。1Qは▲10.2%だがLTMでは増加。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率45%台、営業利益率18.6%、EBITDAマージン22%台と機械業界で高水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率77%、流動比率426%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均以下、PBRは平均超、EV/S概算約1.3倍と中立域。
【参考データ抜粋】
– 株価関連:株価3,080円、時価総額約519.9億円、PER13.83倍、PBR1.61倍、配当利回り約3.57%
– 52週:高値3,455/安値2,509、50DMA 3,279.7、200DMA 3,058.8
– 財務(LTM):売上30,546、営業利益率18.59%、純利益率13.26%、ROE13.01%、自己資本比率77.2%
– 2026/3期1Q:売上6,232(▲10.2%)、営業利益1,158、純利益964(+17.7%、特別益寄与)
注)一過性損益は評価から除外するよう努めています。不明確な事項は記載を控えています。
企業情報
銘柄コード | 6333 |
企業名 | 帝国電機製作所 |
URL | http://www.teikokudenki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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