住友電気工業(5802)企業分析レポート

株価(直近):4,450円(2025-10-17)
市場:東証プライム/33業種:非鉄金属/17業種:鉄鋼・非鉄
時価総額:3.52兆円 発行株式数:7.94億株
決算期:3月 直近四半期:2025年6月期1Q

1. 企業情報

  • 概要:電線・ケーブルの国内最大手。報告セグメントは「環境エネルギー」「情報通信」「自動車」「エレクトロニクス」「産業素材他」。自動車用ワイヤハーネスで世界上位、光ファイバー・光デバイスなど通信インフラでも大手。工具・超硬・ダイヤ/CBN工具、粉末冶金部品、半導体放熱材等まで幅広い素材・部品を展開。
  • 事業構成(売上比・セグメント利益率カッコ内は会社計数):自動車58%(6%)、環境エネルギー22%(7%)、エレクトロニクス7%(8%)、情報通信5%(9%)、産業素材他8%(6%)。海外売上比率62%(2025.3)。
  • 代表:井上 治/本社:大阪市中央区

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • 電線・ケーブル:国内首位、「電線御三家」の中核。
    • 自動車用ワイヤハーネス:世界上位(主要プレーヤーの一角)。
    • 光通信:光ファイバー、光デバイス、融着接続機などで世界的顧客基盤。
  • 競争優位性:
    • 素材から部品、システムまでの垂直統合と広い製品ポートフォリオ。
    • 自動車・通信・エネルギーの複数成長領域に跨る分散ポートフォリオ。
  • 課題:
    • 銅など原材料価格の変動影響(価格転嫁のタイムラグ)。
    • 為替・関税等のマクロ要因。
    • 自動車産業の構造変化(EV化・E/Eアーキテクチャの変化)への継続対応。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(短信等からの示唆):
    • 情報通信:生成AI拡大に伴うデータセンター向け光デバイス・光配線の需要取り込み。
    • 自動車:ワイヤハーネス等の需要は堅調。EV・高度化に対応した製品群に注力。
    • 環境エネルギー:電力ケーブル、モーター用平角巻線、受変電設備等。資源価格変動への耐性強化。
  • 2026年3月期会社計画(修正後、2025/7/31公表):
    • 通期売上高 4.60兆円、営業利益 2,950億円、純利益 2,050億円、EPS 262.85円を見込む(1Qの堅調を反映し上方修正)。
  • 重点施策(1Q短信要旨):
    • 情報通信:光デバイス・配線機器の能力増強・需要増対応。
    • 自動車:生産増に対応し収益性改善を継続。
    • 環境エネルギー:原材料高の影響緩和と利益率改善。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:自動車(58%)を核に、情報通信・環境エネルギー・電子材料・産業工具の分散で景気敏感度を平準化。
  • 需要変化への適応:
    • AI・データセンター投資拡大=光製品増。
    • EV・車載電装化=ハーネス高度化需要。
    • 電力インフラ更新・再エネ拡大=高圧ケーブル等。
  • リスク耐性:原材料価格や為替の影響を受けるが、多様な製品群と価格転嫁で吸収余地。財務健全性も高い(自己資本比率51.6%)。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:光ファイバー・光デバイス、融着接続機、車載用高機能ハーネス、FPC、超硬・ダイヤ/CBN工具、放熱材など、材料・加工・デバイスにわたる総合力。
  • 収益牽引:
    • 自動車:ワイヤハーネスが量・売上面で主力。
    • 情報通信:データセンター向け光デバイス・配線機器が伸長。
    • 環境エネルギー:電力ケーブル、モーター用巻線等。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 4,450円
  • 会社予想EPS:262.85円 → PER=約16.9倍(提供値と一致)
  • 実績BPS:2,917.93円 → PBR=約1.52倍(提供値と一致)
  • EV/Sales(概算):
    • EV ≒ 時価総額3.52兆 + 有利子負債0.73兆 − 現金0.31兆 = 約3.94兆円
    • 売上高TTM 4.68兆円 → EV/S ≒ 0.84倍
  • 業界平均との比較(提供値):PER 80.4倍、PBR 0.8倍
    • PERは業界平均を大幅に下回る一方、PBRは上回る。総合すると中立寄り。

7. テクニカル分析

  • 52週高値:4,671円、52週安値:1,620円 → 現在値は高値レンジ(約95%水準)。
  • 50日移動平均:4,141円、200日:3,102円 → 株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
  • 直近10日:高値圏でのもみ合い。10/9に年初来高値更新(4,671円)後、上下動。出来高は平均並み〜やや高い。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(TTMベース、過去推移):
    • 売上高:3.37兆(2022)→4.01兆(2023)→4.40兆(2024)→4.68兆円(TTM)
    • YoY:約+6.3%、3年CAGR:約+11〜12%
    • 営業利益:1,221億(2022)→1,774億(2023)→2,266億(2024)→3,206億円(TTM)
    • 当期純利益:963億(2022)→1,126億(2023)→1,497億(2024)→1,938億円(TTM)
  • 収益性(TTM):
    • 粗利率:約18.8%(880/4,680)
    • 営業利益率:約6.9%(321/4,680)
    • EBITDAマージン:約11.6%(541/4,680)
    • 純利益率:約4.1%(提供値4.18%)
  • 効率性・安全性:
    • ROE:8.6〜8.9%(実績提供値)/ROA:4.5%
    • 自己資本比率:51.6%(1Qは50.8%)
    • 流動比率:約176%(1Q)
    • D/E(総負債/資本):約0.78(1Q)。有利子負債/自己資本(提供):29.0%
    • 金利負担:利息費用 2,975億円、EBIT 3,338億円 → インタレスト・カバレッジ約11倍
  • セグメント(2026/3期1Q):
    • 自動車:売上 6,702億/利益 266億
    • 情報通信:売上 601億/利益 81億
    • 環境エネルギー:売上 2,543億/利益 136億(原材料高で利益は前年同期比減)
    • エレクトロニクス:売上 778億/利益 63億
    • 産業素材他:売上 861億/利益 56億

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:
    • 前期(2025/3):年間97円
    • 今期(2026/3予想):年間100円(中間50・期末50)
    • 予想配当利回り:約2.25%(株価4,450円前提)
    • 配当性向(提供):約39%
  • 自社株買い:短信に新規大型の記載は確認されず。自己株式比率は約1.75%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム:52週で+90.2%(ベータ0.42)。年初来高値圏で推移。
  • 信用動向:信用倍率5.61倍、買残増・売残も増加。高値圏での攻防を示唆。
  • 需給・材料:
    • 1Q好決算と通期上方修正。
    • AI/データセンター需要、車載需要が追い風。
    • 一方で銅価格、為替、関税のヘッドウインドに留意。

11. 総評

  • 事業面:自動車・情報通信・環境エネルギーの複合ポートフォリオが機能。AI/データセンターと車載電装化の構造需要が追い風。
  • 収益・財務:売上・利益は中期的に増加基調。財務健全性は高く、原材料・為替変動への吸収力がある。
  • バリュエーション:PERは業界平均を大きく下回る一方、PBRは上回る。総合的には中立域。
  • テクニカル:高値圏での推移。直近は高値更新後の持ち合い。需給の影響を受けやすい局面。
  • リスク:原材料価格、為替、関税等の外部要因。自動車分野の技術変化のスピード。

(本レポートは公開情報に基づく一般的な分析であり、投資助言ではありません。)

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY +6.3%、3年CAGR約+11〜12%、1Qも増収増益。
  • 収益性:B
    • 根拠:営業利益率約6.9%、EBITDA率約11.6%。業界平均との厳密比較データ不足のため中立評価。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率51.6%、流動比率約176%、有利子負債/自己資本約29%。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PERは業界平均を大幅に下回る一方、PBRは上回る。EV/Sは約0.84倍で中立〜やや割安水準と解釈余地。

参考イベント
– 2025-10-31:決算発表予定
– 2026-03-30:配当前最終日(予定)


企業情報

銘柄コード 5802
企業名 住友電気工業
URL http://www.sei.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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