タムラ製作所(6768)企業分析レポート

株価:508円(2025-10-17終値)/市場:東証プライム
時価総額:421億円/単元株数:100株

1. 企業情報

  • 概要:トランス・リアクタ等の電源用磁気部品を主力に、はんだ材料・ソルダーレジストなどの電子化学材料、実装装置、放送用情報機器を展開。海外売上比率が高く(海外68%)、生産も海外が中心。
  • 事業構成(連結):電子部品関連 67%、電子化学・実装関連 30%、情報機器関連 3%(括弧内はセグメント営業利益率の目安:電子部品4%、電子化学・実装9%、情報機器-6%)
  • 製品例:大型トランス・リアクタ、ゲートドライバ、電源モジュール、電流センサ、ソルダーペースト/レジスト、リフロー炉等

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:弱電用トランス・リアクタの有力企業。データセンター電源、HVAC、UPS、産機・工具向けなどに納入。電子化学材料では車載・スマホ・産機向けに供給。
  • 競争優位性(示唆):
    • 磁気部品の設計・量産ノウハウ、海外生産体制(コスト競争力)
    • 電子化学材料・実装装置との組み合わせによる顧客接点の広さ
  • 課題:
    • 製品価格競争・銅など素材価格変動の影響、為替感応度の高さ
    • 産業機器・放送設備など投資サイクルに左右されやすい領域を一部含む
  • 市場シェア:公開データでは定量比較なし(記載見当たらず)

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画「One TAMURA for Next 100」(2025年度開始・最終年度2027年度)
    • 目標:ROE 8%以上、PBR 1倍以上
    • 方針:事業集中・拠点最適化、収益性改善(原価・ミックス改善、研究開発の選択と集中)
    • 具体策:ネットワークソリューション事業の譲渡(2025/6)、坂戸事業所でモジュール製品の生産体制構築、全社費用(未来開発・基幹システム)を管理しつつ成長投資を継続
  • 注力領域:
    • データセンター/AI関連向け大型トランス・リアクタ
    • 電子化学材料(ソルダーペースト・レジスト等)の高付加価値品
    • 車載・産機向けの高信頼部品

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:量産型部品(トランス・リアクタ等)の安定供給+用途拡大、高付加価値の電子化学材料でマージン確保、装置は景気感応度高め。
  • 構造的追い風:AIデータセンター拡張、電装化進展に伴う電源・熱設計需要の増大。
  • リスク:為替・素材価格、地政学、地域別投資減速(中国等)、顧客在庫調整。事業ポートフォリオの見直しで感応度低減を図る方針。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:高効率・低損失の大型磁気部品設計、車載・高信頼向け材料配合、鉛フリー/低Agなどコスト・環境対応。
  • 収益牽引:
    • 電子部品:データセンター/UPS/HVAC向け大型トランス・リアクタが堅調
    • 電子化学・実装:ソルダーペースト、ソルダーレジストなどが堅調
    • 情報機器:放送設備投資の停滞で縮小傾向

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価508円、時価総額421億円、現金172億円、借入332億円、LTM売上1,140億円、LTM EBITDA約97億円、BPS 753.82円、会社予想EPS 19.62円、LTM EPS 33.86円
  • 指標比較
    • 予想PER:25.9倍(業界平均 24.2倍)
    • 実績PER(LTM):約15.0倍(= 508 / 33.86)
    • PBR:0.67倍(= 508 / 753.82、業界平均 1.6倍)
    • EV/売上:約0.51倍(EV約581億円 / 売上1,140億円)
    • EV/EBITDA:約6.0倍(= 581 / 97)
  • 所見:PBR/EV系は低位、予想PERはやや高め(今期減益計画に起因)。実績PERは中位。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:50日線506円、200日線502円のやや上に位置(508円)。中立~小幅上向き。
  • 52週レンジ:374~642円の中間域(下限から約50%水準)。
  • 短期値動き(直近10日):529→503→487→505→514→508と戻り一服。出来高は10日平均45万株>3カ月平均35万株と短期関心はやや高め、直近日は細り。
  • 信用動向:信用倍率4.43倍、買残・売残ともに減少(買残-2.99万株)。需給はやや整理進行。

8. 財務諸表分析

  • 成長性:
    • 売上高推移:883億円(2022)→1,080億円(2023)→1,066億円(2024)→LTM 1,140億円。3年CAGR約+9%程度、LTM YoYも増収。
    • 2026/3期1Q:売上+18.1%と堅調(データセンター向け寄与)。
  • 収益性:
    • 粗利率:約26.6%(LTM)
    • 営業利益率:約4.1%(LTM目安、1Qも約4.1%)
    • ROE:4.6%、ROA:2.8% と中位。為替差損等で1Q純利益は減少。
  • 安定性・流動性:
    • 自己資本比率:約51%
    • 流動比率:約184%
    • D/E(有利子負債/自己資本):約54%
  • キャッシュフロー:詳細データ不足(記載なし)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・計画:前期年間13円 → 今期会社予想10円(中間5円・期末5円)。
  • 配当利回り(予想):約1.96%(508円ベース)
  • 配当性向(予想):約30%
  • 自己株式:保有あり(期末自己株式1,930,776株、2026/3期1Q)。足元で大規模な自己株買いの開示は確認情報なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:年初来高値642円からは調整局面後、200日線近辺で推移。短期はイベント(決算・為替)で振れやすい地合い。
  • 投資家関心:10日平均出来高が3カ月平均を上回り、短期は回転効いている一方、当日は出来高低下。ベータ0.69で指数連動性は低め。
  • 影響要因:AI/DC関連需要、為替(円高時の目減り懸念)、素材価格、産業投資動向、放送設備需要の弱含み。

11. 総評

  • データセンター/AI電源向け大型磁気部品と、電子化学材料の堅調が全体を牽引。LTMで増収・増益基調だが、営業利益率は約4%台とまだ改善余地。
  • 中計は「ROE 8%・PBR 1倍超」を掲げ、事業選択と拠点最適化を進行。1Qは増収ながら為替差損・一過性費用の影響で純利益は伸び悩み。
  • バリュエーションはPBR・EV/売上が低水準で資産面での割安感が示唆される一方、今期予想EPS前提のPERは業界平均をやや上回る。
  • 財務は自己資本比率51%、流動比率184%と安定。需要の柱が明確で、中計での収益性向上(ミックス・原価・設備効率化)が実現できるかが焦点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+約7%(YoY)、3年CAGR約+9%、1Q売上+18%と堅調。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率26%台、営業利益率約4%台。業界トップ水準ではないが安定的(平均比較データ不足のため中立評価)。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率約51%、流動比率約184%、D/E約54%と健全域。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PBR0.67倍・EV/売上0.5倍台は低位だが、予想PERは平均超。総合で中立。

(注)本レポートは公開データに基づく情報整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値は四半期ベース/LTM/会社予想など出所により差異が生じる場合があります。


企業情報

銘柄コード 6768
企業名 タムラ製作所
URL http://www.tamura-ss.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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