大阪ソーダ(4046)企業分析レポート

注)本資料は公開情報の整理であり、投資助言ではありません。数値は特記なき限り連結・百万円。分割(1→5、2024/9/27)反映後ベース。

1. 企業情報

  • 概要
    • 1915年創業の化学メーカー。基礎化学(クロール・アルカリ、エピクロルヒドリン等)に加え、機能化学(アクリルゴム、アリル系樹脂・エーテル等)、ヘルスケア(医薬品精製材料、原薬・中間体)を展開。
    • HPLC用充填剤「DAISOGEL」、HPLCカラム「CAPCELL PAK」など医薬品精製材料は世界トップクラスの地位。
    • 主な製品:カセイソーダ、塩酸、液体塩素、次亜塩素酸ナトリウム、エピクロルヒドリン、アリルクロライド、アリルエーテル類、合成ゴム(EPICHLOMER、RACRESTER)、ダイアリルフタレート樹脂(DAISO DAP)等。
  • 事業内訳(売上比率/セグ利益率、カッコ内は利益率の目安)
    • 基礎化学品 39%(営業利益率約6%)
    • 機能化学品 30%(同 15%)
    • ヘルスケア 14%(同 51%)
    • 商社部門他 17%(同 5%)
  • 海外売上比率:38%(2025/3期)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内ではカセイソーダ等の基礎化学で中堅、機能化学・ヘルスケアでニッチトップ製品を多数保有。
    • 医薬品精製材料(HPLC関連)は世界トップ水準のシェア・技術力を有し、同分野が高収益の柱。
  • 競争優位性
    • アリル化学・精密分離材料などにおける合成・精製・樹脂設計の積み上げ技術、品質安定性、用途開発力。
    • 需要が景気・市況に左右されやすい基礎化学を、付加価値の高いヘルスケア・機能化学で補完する事業ポートフォリオ。
  • 課題
    • 機能化学の一部(自動車・塗料向け等)は景気・中国市況の影響を受けやすい。
    • 為替・原材料価格変動のマージンへの影響管理。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期経営計画「Shape the Future‑2025」(2023–2025年度)

1) 既存事業の基盤強化:生産効率・コスト競争力の向上、設備更新投資(松山工場新設備完工→2025年7月稼働、尼崎増強工事は2025年9月完工予定)
2) 新製品創出力の強化:次世代蓄電池向け高イオン伝導性ポリマー(NEDO採択、パイロット設備検討)、アクリルゴム能力増強、植物性乳酸菌OS‑1010(ヒト試験・販売網整備)
3) サステナビリティ経営:ESG情報開示、人材投資、本社移転(2025年8月)等
– 2026/3期1Qの進捗
– 売上は微増(+0.7%)ながら、ミックス改善・コスト適正化等で営業利益+19.0%。
– ヘルスケア(糖尿病/肥満治療薬向け精製材料)が伸長。基礎化学は設備不具合解消と市況回復で持ち直し。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 基礎化学:市況連動・ボリューム収益。コスト競争力・安定供給力が鍵。
    • 機能化学・ヘルスケア:用途特化・高付加価値・顧客密着の提案型収益。研究開発・品質保証体制が参入障壁。
  • 適応力
    • 設備増強前倒しや新素材開発で成長分野への供給体制を強化しており、需要変動へのポートフォリオ耐性を高めている。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性
    • アリル化学・エポキシ系技術、分離精製(クロマトグラフィー)技術に強み。
    • 全固体電池向け高イオン伝導性ポリマーの研究開発を加速(NEDO採択)。
  • 収益牽引
    • ヘルスケア(HPLC関連・医薬中間体)が高収益を牽引。
    • 機能化学ではアクリルゴムが増収。一方、エピクロルヒドリンゴムやアリルエーテルは自動車・塗料・中国市況の影響で弱含み。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,634円、時価総額:218,401百万円
  • 予想EPS:97.73円、予想PER:16.72倍(業界平均PER 20.4倍)
  • 実績BPS:931.78円、PBR:1.75倍(業界平均PBR 1.1倍)
  • 配当:年間予想20円、予想利回り1.22%、配当性向23.3%(5年平均利回り1.79%)
  • コメント
    • PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る。収益性・資本効率(ROE 9.17%)と成長見通しを織り込む形で、中立~やや割安/割高感が指標により分かれる構図。

7. テクニカル分析

  • トレンド指標
    • 50日移動平均:1,780.7円、200日移動平均:1,674.6円
    • 現在値は両移動平均を下回り、短期・中期ともモメンタムは弱い局面。
  • 位置取り
    • 52週高値:2,052円、安値:1,328円
    • 現在値は高値比約-20%、安値比約+23%でレンジ中段やや下寄り。
  • 直近10日
    • 終値は1685→1634円へ低下基調。出来高は直近日で3カ月平均(約38.5万株)を上回る増加日あり。
  • 信用動向
    • 信用倍率6.27倍、信用買残は前週比+90.5千株。個人投資家の関心上昇がうかがえる一方、短期需給の変動に留意。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(年度)
    • 売上高:88,084(2022)→104,208(2023)→94,557(2024)→96,434(LTM/2025)
    • LTM成長率(YoY):+2.0%、3年CAGR:約+3.1%
    • 営業利益:12,402(2022)→15,557(2023)→10,492(2024)→13,246(LTM)
  • 収益性(LTMベースの算定)
    • 粗利率:約30.0%(28,946/96,434)
    • 営業利益率:約13.7%(13,246/96,434)
    • EBITDAマージン:約19.4%(18,738/96,434)
    • 当期純利益率:約10.7%(10,332/96,434)
  • 効率性・資本性
    • ROE:9.17%、ROA:5.67%
    • 自己資本比率:75.1%、流動比率:3.18、D/E:約7%
  • キャッシュ・財政状態(2026/3期1Q短信)
    • 現金及び預金:13,419 →(前期末16,339から減少)
    • 有利子負債:約8,230 → ネットキャッシュ約+5,200
  • セグメント動向(2026/3期1Q)
    • 基礎化学品:売上+6.0%、EPI市況回復・設備不具合解消
    • 機能化学品:売上-9.7%、自動車・塗料需要鈍化
    • ヘルスケア:売上+23.6%、医薬品精製材料が伸長
    • 商社他:売上-4.2%

9. 株主還元と配当方針

  • 2026/3期予想配当:中間10円・期末10円(年間20円)
  • 2025/3期実績注記:分割影響を含み年間合計95円相当(参考換算)
  • 配当性向:23.3%(予想)
  • 自己株式:5.84%保有(自己株口)
  • コメント:安定配当を継続。自己株式の保有は資本政策の柔軟性を示す。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:50日・200日線を下回る推移で短期は弱含み。Beta 0.07と市場連動性は低い。
  • 投資家関心:出来高は増加局面あり、信用買残の増加から個人投資家の関心上昇が示唆。
  • 影響要因:為替差損の発生、原材料市況、中国景況、自動車・電子材料需要の動向、米国関税政策など。

11. 総評

  • 事業ポートフォリオは、景気感応度の高い基礎化学を、高付加価値のヘルスケア・機能化学で補完。2026/3期1Qはミックス改善で利益率が改善し、ヘルスケアが牽引。
  • 財務体質は自己資本比率75%台、実質ネットキャッシュで健全。研究開発・設備投資も前倒しで進展。
  • バリュエーションはPERが業界平均を下回る一方、PBRは上回る。成長率は緩やかだが、収益性は堅調。
  • 短期株価はテクニカル的に調整局面のサインが見られ、需給面(信用買い増)と外部環境(為替・中国・自動車)に留意が必要。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:B
    • LTM売上YoY +2.0%、3年CAGR約+3.1%。増加だが伸び率は緩やか。
  • 収益性:A
    • 営業利益率約13.7%、EBITDAマージン約19.4%、粗利率約30%。セグメントではヘルスケアの高い採算が寄与。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率75.1%、流動比率3.18、D/E約7%、ネットキャッシュ。指標は極めて健全。
  • 株価バリュエーション:B
    • PERは業界平均を下回るが、PBRは上回る。指標横断では中立寄り。

— 参考データ —
– 株価レンジ:年初来高値2,029円/安値1,328円
– 1株指標:EPS(予)97.73円、BPS(実)931.78円
– ROE(実):9.17%
– 次回予定:配当落ち日(予定)2026/3/30
– 直近決算:2026年3月期 第1四半期(売上+0.7%、営業+19.0%)

ご希望があれば、同業他社比較(PER・PBR・利益率)、セグメント別の中期成長仮定、為替・原材料感応度シミュレーション等も補足可能です。


企業情報

銘柄コード 4046
企業名 大阪ソーダ
URL http://www.osaka-soda.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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