1. 企業情報

石油資源開発株式会社(JAPEX)は、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を主軸とする日本の資源開発大手です。国内の天然ガス田操業を基盤としつつ、欧州や北米、中東など海外での事業も展開しています。近年は、カナダの重質油事業を売却するなど事業ポートフォリオの見直しを進めており、再生可能エネルギー分野への注力も行っています。
主な事業セグメントは以下の通りです(2025年3月期連結事業構成比):
* E&P事業(探鉱・開発・生産): 33%
* インフラ・ユーティリティ事業(ガス供給、LNG、発電など): 49%
* その他: 18%

海外の売上比率は28%です。

2. 業界のポジションと市場シェア

石油資源開発は、日本における主要なエネルギー資源開発企業の一つであり、国内の天然ガス田操業を基盤としています。また、海外でも石油・天然ガス開発を手掛けるグローバルなE&P企業としての地位を確立しています。

競争優位性:

  • 国内における長年の操業実績と実績に基づく技術力。
  • 多様な地域でのE&P事業展開によるリスク分散。
  • 天然ガスパイプラインネットワークやLNG事業など、インフラ・ユーティリティ事業による収益基盤の安定化。

課題:

  • 原油・天然ガス市況、為替変動(円高・円安)による業績への影響が大きい。
  • 脱炭素化の動きが加速する中で、既存の事業モデルの変革と再生可能エネルギーへの投資が求められる。
  • 具体的な市場シェアを示すデータは提供されていませんが、業界全体としてエネルギー価格の変動や販売量の動向が直接的に業績に影響する特性を持っています。

3. 経営戦略と重点分野

会社は「JAPEX経営計画2022-2030」を掲げていますが、本資料には具体的な数値目標や詳細な施策に関する記述は限定的です。しかし、「再エネにも注力」という情報や、カナダの重質油事業からの撤退、並びにPeoria Resources LLC(北米での資源開発関連と推測される)の新規連結子会社化、連結子会社(株式会社ジャペックスエネルギー)の譲渡といった事業再編の動きから、既存の石油・天然ガス事業の効率化・最適化を進めつつ、再生可能エネルギー分野へも積極的に投資し、事業ポートフォリオの転換を図っていることが推察されます。エネルギー転換期における持続的な成長を目指した戦略を推進していると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

石油資源開発の主要な収益モデルは、原油・天然ガスといった化石燃料の探査・生産・販売、および国内での天然ガス供給やLNG、電力といったインフラ・ユーティリティ事業です。これらの資源は依然として世界のエネルギーミックスにおいて重要な位置を占めていますが、長期的な市場ニーズは脱炭素化の方向へと変化しています。
同社は「再エネにも注力」し、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー開発に取り組む姿勢を示しています。また、CO2の地下貯留(CCS)事業も手掛けており、これは脱炭素社会への貢献と新たな収益源の確保を目指すものです。既存事業の安定性を維持しつつ、事業ポートフォリオを環境変化に適応させるための取り組みを進めていることから、持続可能性への意識は高いと評価できます。ただし、その進展度合いが今後の持続可能性を大きく左右すると考えられます。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向や独自性:

提供された情報からは具体的な技術革新や独自の技術開発に関する詳細な記述はありません。しかし、E&P事業において長年の探査・開発・生産の実績を持つことから、関連する地質解析、掘削、生産技術などで一定の知見やノウハウを有していると推察されます。また、CO2地下貯留といった新たな技術領域にも取り組んでいます。

収益を牽引している製品やサービス:

主な収益源は以下の通りです。
* E&P事業: 原油、天然ガス(海外向け)
* インフラ・ユーティリティ事業: 国内天然ガス供給、LNG販売、電力販売、バイオマス燃料

直近の第1四半期決算(2026年3月期)では、北米・欧州での原油・天然ガス販売量の増加が利益を押し上げた一方、LNG仕入れ販売数量の減少が売上減少の一因となっています。

6. 株価の評価

現在の株価1,258.0円に対して、以下の指標を用いて評価します。
* 1株当たり利益(EPS、会社予想): 128.95円
* EPSに基づく理論株価(業界平均PER使用): 128.95円 × 業界平均PER 9.5倍 = 1,225.03円
* 1株当たり純資産(BPS、実績): 2,046.18円
* BPSに基づく理論株価(業界平均PBR使用): 2,046.18円 × 業界平均PBR 0.6倍 = 1,227.71円
* PER(会社予想): 9.76倍 (業界平均PER 9.5倍)
* PBR(実績): 0.61倍 (業界平均PBR 0.6倍)

現在の株価1,258.0円は、EPSおよびBPSに基づく理論株価(約1,225円~1,228円)と比較してやや上回っています。また、PER、PBRともに業界平均と比較してほぼ同水準か、わずかに高い水準にあります。これらの指標からは、現在の株価は業界平均と比較してやや割高な水準にあると見受けられます。

7. テクニカル分析

現在の株価は1,258.0円です。
* 年初来高値: 1,352円
* 年初来安値: 893円
* 52週高値: 1,352円
* 52週安値: 893円
* 50日移動平均: 1,231.12円
* 200日移動平均: 1,119.25円

現在の株価は年初来高値(1,352円)に比較的近く、年初来安値(893円)からは大きく上昇しています。また、50日移動平均線(1,231.12円)および200日移動平均線(1,119.25円)を共に上回って推移しており、中長期的な上昇トレンドを示唆しています。直近10日間の株価推移を見ると、10月10日の1,262円から10月14日にかけて一時1,206円まで下落しましたが、その後は比較的安定し、本日は上昇しています。総合すると、現在の株価は短期的には調整局面も見られつつも、中長期的なトレンドは良好で、年初来高値圏に近い位置にあると言えます。

売上高

  • 傾向: 2022年3月期(249,140百万円)以降、2023年3月期(336,492百万円)、2024年3月期(325,863百万円)、過去12か月(2025年3月期実績として389,082百万円)と増加傾向にありました。
  • 直近の動向: 2026年3月期の通期予想では330,000百万円と、2025年3月期実績から15.2%の減収を見込んでいます。直近の第1四半期(2025年4月-6月)も、前年同期比で7.4%の減収となりました。商品市況や販売量の変動が影響していると考えられます。

利益

  • 傾向: 2022年3月期に大幅な純損失(-30,988百万円)を計上しましたが、2023年3月期(67,394百万円)、2024年3月期(53,661百万円)、過去12か月(81,153百万円)と黒字化し、大きく利益を回復・拡大させています。
  • 直近の動向: 2026年3月期の通期予想では親会社株主に帰属する当期純利益が33,000百万円と、2025年3月期実績(81,153百万円)から59.3%の大幅減益を予想しています。一方で、直近の第1四半期決算では、親会社株主に帰属する四半期純利益が前年同期比36.7%増と好調に推移しました。通期予想は保守的な見方である可能性があります。
  • 収益性指標(過去12か月):

    • 売上総利益率: 99,157百万円 / 389,082百万円 = 25.48%
    • 営業利益率(Operating Margin): 20.16%
    • 経常利益率(Pretax Income / Total Revenue): 108,614百万円 / 389,082百万円 = 27.91%
    • 純利益率(Net Income Common Stockholders / Total Revenue): 22.32% (実績)

    これらの利益率は、エネルギー資源産業としては高い水準にあります。

    キャッシュフロー

    • 直近四半期の状況: キャッシュフロー計算書の詳細は提供されていませんが、直近四半期(2025年6月30日)の現金及び預金は146,338百万円(前期末118,358百万円)と増加しており、潤沢な現預金を保有しています。

効率性・健全性指標

  • ROE(実績): 15.73% (過去12か月 15.72%)。株主資本を効率的に活用して利益を生み出している高水準です。
  • ROA(実績): 6.02%。
  • 自己資本比率(実績): 77.4% (直近四半期 77.3%)。非常に高い水準であり、財務基盤が極めて健全であることを示します。
  • 流動比率(直近四半期): 4.74倍 (474%)。流動負債に対する流動資産の比率が高く、短期的な支払い能力にきわめて優れています。

総括: 売上高はエネルギー市況の影響により変動がありますが、収益性を示す各種利益率は高い水準を維持しています。特に、自己資本比率や流動比率が高く、潤沢な現預金を保有していることから、財務健全性は非常に強固であると評価できます。通期業績予想は減収減益を見込んでいますが、第1四半期は増益となっており、今後の動向が注目されます。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.18%
  • 1株配当(会社予想): 40.00円
    • 第2四半期末:20.00円(予想)
    • 期末:20.00円(予想)
  • 配当性向(会社予想): 40.00円 / 128.95円(EPS会社予想) = 31.02%

会社の年間配当予想40.00円は、会社予想EPS(128.95円)に対して約31%の配当性向となります。これは配当余力がある水準と見受けられます。また、配当利回り3.18%は現在の東証プライム市場平均と比較しても、比較的魅力的な水準です。自社株買いに関する具体的な発表は情報源にありませんが、株主名簿には0.09%の自己株口が記載されています。安定した財務基盤を背景に、株主還元も重視していると考えられます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の直近の変動傾向: 直近10日間の株価推移を見ると、10月上旬に1,300円台を維持していましたが、10月14日に大きく下落し、その後は1,200円台半ばで推移しています。本日は上昇して1,258.0円で引けていますが、直近の高値からはやや下降傾向にあります。
  • 出来高: 本日の出来高は661,700株で、3ヶ月平均出来高(1.08M株)や10日平均出来高(1.55M株)と比較して低い水準です。これは、株価が調整局面に入っている中で、買いと売りの勢いが一時的に弱まっていることを示唆している可能性があります。
  • 信用取引:

    • 信用買残:637,400株(前週比 +61,400株)
    • 信用売残:128,300株(前週比 -600株)
    • 信用倍率:4.97倍

    信用買残が増加し、信用売残が減少しているため、需給面では買い圧力が弱まり、将来の売り要因が増えている状況です。信用倍率も高めで、短期的な需給はやや悪化傾向にあると言えます。
    * 株価への影響を与える要因: 主要な要因としては、国際的な原油・天然ガス価格の動向、為替レートの変動(特に円高は海外収益の円換算額を減少させる)、会社が推進する事業ポートフォリオの見直し(特に再生可能エネルギー事業の進捗や買収・売却のニュース)、そして地政学リスクなどが挙げられます。また、経済産業大臣が主要株主である点も、政策動向が企業に影響を与える可能性を示唆しています。直近では、第1四半期の増益と通期予想の減益とのギャップが投資家の関心を集める可能性があります。

11. 総評

石油資源開発は、原油・天然ガス開発(E&P)と国内のインフラ・ユーティリティ事業を主軸とする日本のエネルギー企業です。財務基盤は自己資本比率77.3%、流動比率4.74倍と極めて強固であり、豊富な現預金も保有しています。収益性は過去12ヶ月の実績で高い水準を維持していますが、売上高はエネルギー価格変動の影響を大きく受けやすく、直近の通期業績予想では減収減益を見込んでいます。
足元の株価は年初来高値圏で推移しており、PERやPBRは業界平均と比較してほぼ同水準かやや割高な水準です。中長期的なチャートでは上昇トレンドを示していますが、短期的な信用指標は需給の悪化を示唆しています。同社は脱炭素化の潮流に対応するため、カナダの重質油事業からの撤退や再生可能エネルギーへの注力など、事業ポートフォリオの変革を進めており、今後の経営戦略の進捗が注目されます。配当利回りは3%を超え、配当性向も無理のない範囲であり、株主還元にも配慮していると考えられます。今後の業績はエネルギー市況と事業構造転換の成否に左右されるでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • 過去12ヶ月の売上成長率はFY2024実績比で+19.3%と高いものの、直近の第1四半期売上高は前年同期比△7.4%、2026年3月期の通期売上高予想も前年実績比△15.2%と減収を見込んでおり、短期的な成長は減速傾向にあります。
  • 収益性:A
    • 過去12ヶ月の営業利益率20.16%や粗利益率25.48%など、主要な収益性指標は高い水準にあります。業界中央値との直接比較はできないものの、これらの数値は良好と評価できます。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率77.3%(直近四半期)、流動比率4.74倍(直近四半期)と、非常に高い水準にあり、財務基盤は極めて強固です。負債比率も低く、極めて健全な財務状況です。
  • 株価バリュエーション:B
    • PER(会社予想)9.76倍は業界平均PER9.5倍とほぼ同水準、PBR(実績)0.61倍も業界平均PBR0.6倍とほぼ同水準です。これらの指標からは、割安とは言えないものの、極端に割高というわけでもなく、平均的な水準と評価できます。

企業情報

銘柄コード 1662
企業名 石油資源開発
URL http://www.japex.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 エネルギー資源 – 鉱業

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By ジニー

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