明治ホールディングス(2269)企業分析レポート
株価:3,054円(2025-10-22終値)/市場:東証プライム/時価総額:約8,618億円
– 企業情報
– 概要:食品(ヨーグルト、牛乳、チョコレート、アイス、スポーツ栄養、乳幼児ミルク、BtoB原料等)と医薬品(感染症・中枢神経系、ワクチン、血漿分画、ジェネリック、動物薬)を展開する持株会社。食品約80%、医薬品約20%(2025.3期ベース)。海外売上比率約13%。
– 歴史・体制:明治製菓と明治乳業が2009年統合、2011年に食品・医薬の2本柱体制へ再編。本社:東京・京橋。従業員:17,231人。
– 直近決算(2026年3月期1Q):売上▲1.8%、営業利益▲13.4%、純利益▲27.6%。食品は横ばい、医薬品が減益。
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション:国内の乳業・菓子分野で最大級。ヨーグルト・チョコレート・スポーツ栄養など複数カテゴリで高いブランド力とシェアを保有。医薬品は抗菌薬・ワクチンでプレゼンス。
– 競争優位性:
– 強固なブランド群と全国的なコールドチェーン・製造拠点。
– マス商品から機能性・高付加価値までの価格帯カバレッジ。
– 医薬品での抗菌薬供給体制・ワクチン開発力。
– 課題:
– 原材料(乳原料・カカオ等)価格の変動と為替影響。
– 国内需要の成熟、価格改定後の需要弾力性。
– 医薬品は薬価改定、供給体制強化コスト、海外減収の影響。
– 経営戦略と重点分野
– 中期計画(2026中計)に沿った重点:
– 食品:価格改定の定着、既存主力の高付加価値化、新商品強化、BtoB/チーズの伸長、海外(中国等)の再建プラン。
– 医薬:抗菌薬・ワクチンの安定供給と経済安保対応(原薬国内生産体制)、国際共同治験(OP0595=ナキュバクタム等)、次世代mRNAワクチン(コスタイベ筋注用)などの開発推進。ジェネリック供給安定に向け業界連携。
– 通期見通し(会社計画):売上+3.5%、営業利益+7.4%、純利益+6.3%(2026/3期)。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:食品は強ブランドの量産・継続購買に基づくキャッシュ創出、医薬は専門領域の製品ポートフォリオで補完。二本柱により景気耐性を一定程度確保。
– 変化適応力:価格改定・処方見直しによるコスト転嫁、機能性・高付加価値商品の拡充。医薬は研究開発と供給安全保障対応で中長期の基盤強化。
– リスク:原材料・エネルギー価格、為替、薬価改定、海外事業の立て直し進捗。
– 技術革新と主力製品
– 技術・開発:プロバイオティクス・栄養設計など食品機能性、医薬はmRNAワクチン、抗菌薬(β-ラクタマーゼ阻害剤併用)など。CDMO活用も示唆。
– 収益牽引:ヨーグルト・チョコレート・アイス・スポーツ栄養等の主力ブランド群。医薬は抗菌薬・ワクチンが柱。1Qは食品のデイリー・カカオ・フードソリューションが増益、ニュートリションは軟調。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 前提:株価3,054円、EPS(会社予想)199.34円、BPS 2,739.21円、配当予想105円。
– 指標比較
– PER:15.3倍(業界平均19.5倍)→ 業界平均比で低位。
– PBR:1.11倍(業界平均1.3倍)→ 平均比で低位。
– EV/EBITDA:約6.3倍(EV≒8,654億円、EBITDA≒1,378億円)→水準は相対的に落ち着いたレンジ。
– EV/売上:約0.75倍(売上1.154兆円)。
– 益回り:約6.5%(=1/PER)。
– 配当利回り:約3.44%(5年平均2.63%を上回る)。配当性向約54%。
– 補足:BPS比でのPBR約1.12倍。ROE 6.8%とPBRの関係は標準的な範囲。
– テクニカル分析
– 位置関係:株価3,054円は50日線3,081円をやや下回り、200日線3,174円も下回る。
– レンジ:52週高値3,663円(▲約16%)、安値2,871円(+約6%)。年初来レンジ内の中位〜やや下側。
– 短期モメンタム:直近10営業日で終値3016→3054(+1.3%)、5営業日で2977→3054(+2.6%)。出来高は10日平均約192万株、当日124万株。
– ボラティリティ:5年β0.02と低位。52週変化率▲12.4%。
– 財務諸表分析
– 収益・成長(連結、百万円)
– 売上高:1,013,092(2022)→1,062,157(2023)→1,105,494(2024)→1,154,074(LTM)
– 3年CAGR約+4.4%、LTM対前年+4〜5%。
– 営業利益:92,922(2022)→75,434(2023)→84,322(2024)→84,702(LTM)
– OPM(LTM):約7.3%(1Q単体は約6.5%)。
– 純利益:87,497(2022)→69,424(2023)→50,675(2024)→50,800(LTM)
– 利益率の低下が続く(材料高、費用増、医薬減益等)。
– 収益性
– 粗利率:約29.4%(LTM)。
– EBITDAマージン:約11.9%(LTM)。
– ROE(実績):6.8%、ROA:4.3%。
– キャッシュフロー
– 営業CF:832.7億円(LTM)、レバードFCF:339.9億円。概算CAPEX=約493億円(営業CF−FCF)。
– 1Qは在庫増等で営業CFマイナス、財務CFは短期資金調達でプラス。
– 財政状態
– 自己資本比率:63.2%(1Q末61.8%)。
– 有利子負債:897.7億円、現金:862.1億円、ネット有利子負債は小幅。
– 流動比率:約1.62倍、D/E約11.4%と保守的。
– セグメント(1Q)
– 食品:売上2,245億円(▲0.5%)、利益136.8億円(+1.1%)。
– 医薬:売上490億円(▲7.3%)、利益47.9億円(▲35.5%)。
– 株主還元と配当方針
– 配当:2025/3期100円実績、2026/3期予想105円(中間・期末各52.5円)。利回り約3.44%、配当性向約54%。
– 自社株:自己株式比率4.01%。足元での新規自社株買い開示は本データ内に記載なし。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は持ち直し傾向、年初来では下落基調。50日線・200日線を下回る局面。
- 信用動向:信用買残712千株(前週比+28千)、売残125千株(+63千)、信用倍率5.7倍と買い越し。短期センチメントは個人のロング傾斜。
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価格ドライバー:
- 原材料・為替動向、価格改定の浸透度。
- 医薬パイプライン・供給安定化の進捗。
- 海外(中国等)再建の成果、BtoBの伸長。
- 次回決算(2025/11/13予定)のガイダンス進捗。
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総評
- 食品を中心に安定成長を維持しつつ、医薬の短期的減速が全体利益率を圧迫。価格改定と高付加価値化でコスト上昇の吸収を進める一方、原材料・為替・薬価の外部要因は引き続き注視が必要。
- 財務体質は堅健(自己資本比率60%超、ネット有利子負債小)。FCFも黒字基調。
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バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を下回り、配当利回りは5年平均を上回る水準。短期テクニカルは中立〜やや弱含み、モメンタムの明確化には決算イベント・原材料動向の確認が要点。
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企業スコア(S/A/B/C/D、B=中立。定量中心・一過性損益除外)
- 成長性:A
- 理由:LTM売上YoY約+4〜5%、3年CAGR約+4.4%。中計で海外・BtoB強化。
- 収益性:B
- 理由:OPM約7.3%、EBITDAマージン約11.9%、粗利率約29%は食品業界の一般水準圏。医薬の減益が足かせ。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率63%、流動比率1.62、D/E約11%と保守的。ネット有利子負債は小幅。
- 株価バリュエーション:A
- 理由:PER15.3倍(業界19.5倍)、PBR1.11倍(業界1.3倍)、EV/EBITDA約6.3倍、配当利回り3.4%台。
補足計算
– PER(実測):3,054円 / 199.34円 ≒ 15.3倍
– PBR:3,054円 / 2,739.21円 ≒ 1.12倍
– EV/売上:EV約8,654億円 / 売上1.154兆円 ≒ 0.75倍
– EV/EBITDA:8,654億円 / 1,378億円 ≒ 6.3倍
– FCF利回り:339.9億円 / 8,618億円 ≒ 3.9%
イベント
– 決算発表:2025年11月13日予定
– 権利落ち(予想):2026年3月30日
注意事項:本レポートは提供データに基づく企業分析であり、投資助言ではありません。実際の投資判断は最新の開示資料等をご確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。
企業情報
銘柄コード | 2269 |
企業名 | 明治ホールディングス |
URL | http://www.meiji.com |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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