アイ・アールジャパンホールディングス(6035)企業分析レポート
本資料は公開情報に基づく分析であり、投資助言ではありません。数値は特記ない限り円ベース、百万円は「百万」を示します。
1. 企業情報
- 概要:上場企業向けのIR・SR(株主対応)コンサルに特化。実質株主判明調査、議決権行使シミュレーション、プロキシー・アドバイザリー(PA)、アクティビスト対応・敵対的TOB対応・MBO/M&A等のフィナンシャル・アドバイザリー(FA)を展開。独立系。
- 事業構成(2025/3期):IR・SRコンサル 94%、ディスクロージャーコンサル 4%、データベース他 2%
- 特徴:株主判明調査やPA/FA領域で独自モデルを構築。証券代行(株主名簿管理等)も拡大中。ブランド「Power of Equity®」。
- 人員:従業員184名、平均年齢46.4歳、平均年収1,281万円
- 本社:東京都千代田区霞が関
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:株主判明調査・議決権行使支援で国内トップシェアとされる。独立系の立場から発行体(企業側)に寄り添った助言を強み。
- 競争環境:
- 発行体側助言:本社の他、信託銀行系や大手金融グループ系、法律事務所、FA各社と競合。
- 投資家側議決権助言:ISS/Glass Lewis等が存在するが、同社は発行体サイドでの助言に特化。
- 課題・留意:
- レピュテーション・規制リスク(子会社社員のインサイダー取引疑いで監視委調査公表)。
- 大型案件依存度の管理、活動家動向や制度改正といった外部環境の影響度が高い。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略方針:「Power of Equity®」を軸にPA(議決権・株主対応)とエクイティ系FA(アクティビスト対応、M&A、MBO等)の両輪で専門性を深める。
- 重点施策(開示からの示唆):
- 有事対応のリテーナー契約拡大(継続収益の比率引上げ)。
- 平時の実質株主判明調査やSRアドバイザリーの深耕(案件数・顧客基盤の拡充)。
- 証券代行の受託先拡大(81社、24/6末時点)によるクロスセル強化。
- コンプライアンス・内部統制の強化(調査公表案件を受けた体制強化)。
- 中計:数値目標の明確な開示は確認できず(–)。説明資料では専門性強化・両輪戦略の継続を表明。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 平時対応(株主判明調査等)の継続課金+有事対応(アクティビスト・支配権争奪・M&A等)の成功報酬/高単価案件のミックス。
- リテーナー型契約の増加は売上安定化に寄与。
- 構造変化への適応:東証の資本効率要請強化やアクティビスト活発化でニーズは中期的に継続が見込まれる一方、制度変更や相場環境の反動に左右されやすい。
- リスク:規制順守・情報管理の厳格さが一段と求められる。レピュテーションリスク顕在化時の受注影響に留意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 実質株主判明のためのデータベース運用、議決権シミュレーション、アクティビスト動向のリサーチ機能。
- PA/FAとSR、証券代行を横断した「エクイティ×ガバナンス」専門性の組合せが差別化要因。
- 主力サービス:
- PA(議決権争奪戦略立案・助言)、FA(アクティビスト・敵対TOB・MBO・M&A対応)、SRアドバイザリー、実質株主判明調査、証券代行。
- 2026/3期1Qは平時案件・有事案件とも増加。大型案件は減少も、通常案件とリテーナー増が補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価867円、BPS(実績)340.31円、LTM EPS 約39.35円、時価総額約154.7億円、現金48億円、借入2億円、LTM売上約57.84億円。
- 指標計算:
- PER(LTMベース)= 867 ÷ 39.35 ≈ 22.0倍(業界平均PER 17.0倍を上回る)
- PBR(実績)= 2.55倍(業界平均PBR 1.8倍を上回る)
- EV/Sales(LTM)= EV(約108.7億円) ÷ 売上(約57.8億円) ≈ 1.88倍
- 配当利回り:前年実績20円→約2.3%、フォワード23円→約2.7%(会社方針は配当性向50%目処)
- コメント:同業平均比でPER/PBRともプレミアム。高い粗利・専門性、需給(浮動株が少ない)や業績回復期待がプレミアム要因。一方、規制・レピュテーション要因はディスカウント要因になり得る。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価867円は50日移動平均820円・200日移動平均729円を上回る上昇基調。年初来高値938円に対し約-7.6%。
- 位置づけ:52週レンジ557–938円の上半分。直近は850–900円のレンジで推移。
- 需給:信用倍率2.66倍、買残・売残とも増加。浮動株が少なく、イベント時のボラティリティに留意。
- 目先イベント:10/31決算(Earnings)を控え、材料待ちの値動きになりやすい状況。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高:8,403(2022)→6,012(2023)→5,664(2024)→5,784(2025 LTM)
- 営業利益:3,489(2022)→1,116(2023)→1,072(2024)→1,005(2025 LTM)
- 当期純利益:2,435(2022)→672(2023)→763(2024)→699(2025 LTM)
- 2026/3期1Q:売上2,110(前年比+12.2%)、営業益875(+25.8%)、営業利益率約41.5%(株主総会シーズンの季節性影響が大きい点に留意)
- 収益性:
- 粗利率(LTM)約78%(4,534/5,784)、営業利益率(LTM)約17%(1,005/5,784)。
- 2022年の高水準からは低下も、1Q季節性で高採算期が存在。
- 効率・資本性:
- ROE(実績)12.71%(資料によりLTMで14%台の示唆もあり)、ROA 10%前後。
- 自己資本比率81.4%、流動比率約416%、D/E低位(Debt/Equity約3.3%)。現金48億円・有利子負債2億円でネットキャッシュ。
- キャッシュフロー:四半期CFは未作成。現金は増加傾向。
- 傾向総括:2022年ピーク後は調整も、直近四半期は増収増益。大型案件の波はあるが、リテーナーや平時案件での底上げが寄与。
9. 株主還元と配当方針
- 方針:連結配当性向50%を目処(子会社の自己資本維持等を総合勘案)。
- 配当:2025/3期実績20円、2026/3期は未定(現時点)。外部データではフォワード23円・利回り約2.6%の示唆。
- 自社株:自己株式約7.6万株(0.43%)。大規模な自社株買いの公表は確認できず(–)。
- 株主構成:インサイダー保有約54%と高位、フロート約7.8百万株で流通性は限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:200日線>上向き、50日線>上向き。10日平均出来高6.8万株に対し本日4.9万株とやや低調。
- 需給・関心:信用買残の増加(+54.5千株)で上値追いの意欲はある一方、イベント前で短期の往来(レンジ)になりやすい。
- 影響要因:
- 決算・受注動向(大型案件の有無、リテーナー伸長)。
- 規制・コンプライアンス関連ニュース。
- 市場改革・アクティビスト動向、M&A環境。
11. 総評
- 強み:発行体向けIR/SR・PA/FAの高い専門性、トップシェア領域(株主判明調査等)、高粗利構造、ネットキャッシュ・高自己資本比率。
- 課題:業績の案件偏重(大型案件の振れ)、2022年以降の収益力調整、規制・レピュテーションリスク対応。
- 現況:2026/3期1Qは季節性を背景に高採算で回復感。リテーナー型・平時案件の積み上げが収益安定化に寄与。
- バリュエーション:PER/PBRは業界平均比でプレミアム。専門性・需給を織り込む一方、外部・規制リスクへの感応度は残る。
- 注目点:10/31決算での受注質・大型案件の有無、通期ガイダンス開示有無、コンプライアンス強化の進捗。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 2025 LTM売上は前年比わずかに増加(+2%程度)。3年では減少トレンドだが、直近1Qは二桁増収。総合して中立。
- 収益性:A
- 粗利率約78%、LTM営業利益率約17%。同業平均を概ね上回る水準。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率81%、流動比率約416%、ネットキャッシュ。健全性は非常に高い。
- 株価バリュエーション:C
- PER約22倍(業界平均17倍)、PBR2.55倍(同1.8倍)でプレミアム評価。EV/S約1.9倍。
参考データ
– 株価:867円(本日終値)
– 時価総額:約154.7億円、発行株式数:17,839,710株
– 年初来高値/安値:938円/557円
– 最低購入代金:86,700円
– 直近イベント:権利落ち日 2025/9/29、決算予定 2025/10/31
本資料は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最新の開示資料等をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 6035 |
| 企業名 | アイ・アールジャパンホールディングス |
| URL | http://www.irjapan.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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