1. 企業情報
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、スマートフォンアプリおよびPCオンライン、家庭用ゲームの企画、開発、運営、配信を手がける企業です。主力製品はスマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ」シリーズで、これが収益の重要な柱となっています。事業全体はゲーム関連事業で構成されており、海外売上比率が高い点も特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、スマートフォンゲーム市場において「パズル&ドラゴンズ」という長期ヒットタイトルを擁する大手の一角を占めています。これにより、一定のブランド力と顧客基盤を確立しています。海外売上比率が56%(2024.12時点)と高く、グローバル市場での展開も進んでいます。
しかし、モバイルゲーム市場は成長を続ける一方で、ユーザーの余暇の過ごし方が動画視聴など多様化しており、競争が激化しています。主力タイトルである「パズル&ドラゴンズ」への収益依存度が高いことが、今後の市場変化への適応における課題となる可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、既存タイトルの運営強化と新作のグローバル展開を重点戦略としています。具体的には、「パズル&ドラゴンズ」シリーズのMAU(月間アクティブユーザー)維持・拡大のための季節イベントやコラボレーション、および「Ragnarok」関連タイトルなど新規IP(知的財産)や既存IPの複数地域への配信拡大に取り組んでいます。
2025年12月期第2四半期決算短信では通期業績見通しを開示しない方針としており、短期的な事業環境の変動が激しいことに対する慎重な姿勢を示しています。
4. 事業モデルの持続可能性
ガンホーの主要収益源はゲームの課金モデルであり、特に「パズル&ドラゴンズ」シリーズの人気に大きく依存しています。このモデルの持続可能性は、主力タイトルのライフサイクルマネジメントと、新規タイトルやIPの成功にかかっています。
市場ニーズの変化に対応するため、グローバル展開や新作の投入、既存タイトルのリフレッシュを継続していますが、ユーザーの可処分時間の奪い合いという厳しい市場環境の中で、安定的な収益基盤を確立し続けることが重要となります。豊富な現金保有は、新たな投資やリスクヘッジのための基盤として機能すると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
収益を牽引している主力製品は、スマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ」シリーズと、PCオンラインゲームや家庭用ゲームを含む「Ragnarok」関連タイトルです。「パズル&ドラゴンズ」はリリースから長期間にわたり高い人気を維持しており、その運営ノウハウが強みと考えられます。
決算資料からは具体的な最新の技術革新に関する詳細な記述は確認できませんが、ゲーム開発・運用技術がその中核をなしており、常に市場トレンドやユーザーニーズに応じたアップデート・改良が行われていると推測されます。
6. 株価の評価
現在の株価は2610.0円です。
* BPS(実績)は2,233.63円であり、PBR(実績)は1.17倍です。業界平均PBRが2.3倍であると比較すると、PBR水準は業界平均よりも低い水準にあります。
* Diluted EPS(過去12か月)は92.39円であり、PER(LTM)は約28.25倍(2610円 ÷ 92.39円)となります。業界平均PERが23.2倍であると比較すると、PER水準は業界平均よりもやや高い水準にあります。
* 直近の利益減少トレンドを考慮すると、現在のPERは割高と評価される可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価2610.0円は、年初来高値3,479円、52週高値3,479.00円と比較して大きく低い水準にあります。一方で、年初来安値2,510円、52週安値2,510.00円に比較的近い水準です。
50日移動平均線(2759.89円)および200日移動平均線(2897.80円)を両方とも下回っており、下降トレンドが継続していると見られます。過去10日間の株価推移を見ても、株価は横ばいからやや下落基調にあり、現在の株価は安値圏にあると評価できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2021年の104,626百万円から2023年には125,315百万円に増加したものの、2024年予想および過去12か月(LTM)では約100,533百万円と減少傾向にあります。2025年12月期第2四半期売上高は50,588百万円で、前年同期比△5.7%の減収となりました。
- 利益: 営業利益は2021年の32,803百万円からLTMでは10,304百万円、純利益も2021年の22,883百万円からLTMでは5,813百万円へと大幅な減少トレンドにあります。2025年12月期第2四半期では、営業利益が5,020百万円(前年同期比△58.9%)、親会社株主に帰属する中間純利益が2,464百万円(同△68.5%)と、引き続き大幅な減益となっています。
- キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは8,430百万円、レバードフリーキャッシュフローは5,980百万円と、依然としてプラスを維持しています。直近四半期の現金および預金は136,830百万円と潤沢です。
- ROE/ROA: ROE(LTM)は6.23%、ROA(LTM)は3.80%です。2025年12月期第2四半期の簡易ROEは約2.03%、簡易ROAは約1.46%といずれも減少傾向にあり、収益性の低下が示唆されます。
- 財務健全性: 自己資本比率72.6%(2023年実績、2025年Q2末72.0%)、流動比率8.66倍(2025年Q2末)、有利子負債対自己資本比率(Total Debt/Equity)0.91%(直近四半期)と、非常に高い水準を維持しており、財務健全性は極めて良好です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り(会社予想)は「—」となっていますが、Forward Annual Dividend Yieldは2.30%、Payout Ratioは65.03%と示されています。
しかし、2025年12月期第2四半期決算短信では、中間配当を無配とすることを発表しており、期末配当も未定としています。このため、会社予想配当の継続性には不透明感があります。
一方で、2025年2月に自己株式取得決議、2025年3月には自己株式14,000,000株の消却を実施しており、自社株買いによる株主還元も行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去52週間の株価変動率は-20.91%と、S&P500の同時期間の変動率(16.63%上昇)と比較して大きく下落しており、下降モメンタムが強い状況です。
過去10日間の平均出来高が131.4k株と3か月平均(181.65k株)よりも減少傾向にあり、投資家関心は一時的に落ち着いている可能性があります。
信用買残が信用売残を上回る買い長(信用倍率4.11倍)の状態ですが、直近週で信用買残・売残ともに増加しており、売り買いの攻防が見られます。直近の決算での大幅な減益や中間配当無配の発表は、今後の株価にネガティブな影響を与える要因となり得ます。
11. 総評
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、「パズル&ドラゴンズ」を軸としたゲーム事業を展開し、高い海外売上比率を持つ企業です。極めて健全な財務体質を誇り、豊富な現金を保有しています。しかし、近年は売上高・利益ともに減少傾向にあり、特に直近の決算では大幅な減益を記録し、中間配当も無配となるなど、収益面での課題が顕在化しています。
株価は年初来安値圏で推移しており、下降トレンドにあります。PERは利益減少により割高感が見られる一方で、PBRは業界平均を下回っています。今後の成長は、既存主力タイトルの人気維持と、新作の成功およびグローバル市場での事業拡大にかかっています。財務の安定性を基盤に、いかに新たな収益源を確立できるかが焦点となるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: D
- LTM売上高は前年比で大きく減少しており、過去数年間の売上も減少トレンド。2025年第2四半期も減収。
- 収益性: C
- LTM営業利益率8.16%、直近四半期営業利益率9.9%と、高収益が期待されるゲーム業界の中では収益性が悪化し、業界平均を下回る水準となっています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率72.0%、流動比率8.66倍、有利子負債比率0.91%と非常に優れており、極めて健全な財務状況です。
- 株価バリュエーション: C
- PER(LTM)は約28.25倍で業界平均(23.2倍)より高く、利益減少トレンドを考慮すると割高感があります。PBR(1.17倍)は業界平均(2.3倍)より低く割安感がありますが、利益減少によるPERの割高さが目立ちます。
企業情報
| 銘柄コード | 3765 |
| 企業名 | ガンホー・オンライン・エンターテイメント |
| URL | http://www.gungho.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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