本田技研工業(7267)企業分析レポート
株価:1,594.5円(2025-10-24終値)/市場:東証プライム/業種:輸送用機器
1. 企業情報
- 概要:二輪(世界首位)、四輪、金融サービス、パワープロダクツ・航空機(HondaJet)を展開する総合モビリティ企業。地域は日本、北米、欧州、アジア他に広がる。
- 事業構成(売上比率・営業利益率):二輪17%(利益率高)、四輪65%(ボリューム大だが利益変動大)、金融16%(安定収益源)、パワープロダクツ他2%(収益率低〜赤字期あり)。海外売上比率89%(2025/3)。
- 特徴:北米が収益の柱。2040年の「脱エンジン」(四輪電動化)を掲げ、電動・水素・ソフトウエアの転換を進める。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:二輪は世界首位。四輪は世界上位(規模7位クラス)。金融サービスは販売を下支え。
- 競争優位性:二輪のグローバル供給網・ブランド力・アジアでの量産効率。四輪はハイブリッド技術(e:HEV)と北米での商品力。航空機はホンダジェットで軽量・高効率の独自性。
- 課題:四輪は為替・関税・原材料の影響を受けやすい。EV化での開発・電池調達の先行投資負担、ソフトウエア競争(SDV)への適応が鍵。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:カーボンニュートラルと安全社会の実現。2040年に四輪の電動化(地域戦略に応じEV/FCEVを展開)。
- 重点分野
- 電動化:北米・中国でのEV投入強化、ハイブリッド(e:HEV)の高付加価値化。
- 電池:外部パートナーとの連携(例:LGエナジーソリューションとの北米EV電池供給体制、GSユアサと次世代電池開発等、各社公表事項)により調達と内製技術の両輪を模索。
- 水素:燃料電池(FCEV)の実装領域拡大。
- ソフトウエア・SDV:コネクテッド/ADAS強化、ソフト更新による価値提供。
- 収益構造:二輪の高収益維持、四輪の北米軸での商品ミックス・価格戦略、金融サービスの安定収益確保。
- 自社株買い継続:2026年3月期1Qに自己株取得(当期累計-3,639億円支出)と開示。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:四輪・二輪の販売利益+アフター・部品+金融サービスの利鞘でポートフォリオを構成。二輪の高い採算が全社収益を下支え。
- 変化対応:ハイブリッドでの当面の収益確保と、EV・FCEV・電池・SDV投資の並行推進。為替・関税・資材価格の外部変動への耐性が課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:e:HEV(高効率ハイブリッド)、EVプラットフォーム展開(地域別)、燃料電池システム、軽量化・安全技術、ソフトウエア機能拡張。
- 主力領域:二輪(アジア中心、コミューター〜スポーツ)、四輪(北米SUV/ライトトラック・HV)、金融(リテール・リース)、パワープロダクツ(発電機他)とHondaJet。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,594.5円
- 予想EPS:99.95円 → 予想PER=15.95倍(会社公表値と一致)
- 実績BPS:2,887.57円 → PBR=約0.55倍
- 配当:年間70円予想、配当利回り4.39%、配当性向(参考)約47%
- 業界平均との比較:PER(15.95倍)は業界平均13.3倍よりやや高い一方、PBR(0.55倍)は平均0.8倍を下回る。指標間で評価が分かれる(収益期待と簿価割安の併存)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,594.5円は50日移動平均1,623.26円を下回り、200日移動平均1,490.84円を上回る。中期は調整、長期は上向き基調。
- レンジ:52週高値1,730/安値1,156。現在はレンジ上半分(約92%水準)。
- 短期推移:10/22に1,620円まで上昇後、直近は1,590円台でのもみ合い。出来高は3カ月平均1,667万株に対し直近10日平均1,348万株とやや減少。
- 需給:信用買残1,113万株、倍率25.27倍(買い残優勢)。上昇局面では上値の重さ、下落局面では手仕舞いの影響に留意。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2022/3:14,552,696
- 2023/3:16,907,725(+16%)
- 2024/3:20,428,802(+21%)
- 2025/3:21,688,767(+6%)
- 過去12か月:21,624,177(横ばい)
- 利益
- 営業利益:2024/3 1,381,977 → 2025/3 1,213,486 → LTM 972,951(減益傾向)
- 親会社株主帰属純利益:2024/3 1,107,174 → 2025/3 835,837 → LTM 637,847
- 収益性
- 粗利率 LTM:約21.0%
- 営業利益率 LTM:約4.5%(1Q実績も4.57%)
- セグメント(2026/3期1Q):二輪が高採算で黒字貢献、四輪は関税・為替影響で赤字、金融は利益貢献だが前年から減少。
- キャッシュフロー
- 営業CF LTM:+4,590億円
- レバードFCF LTM:+5,934億円(投資・財務活動の状況次第で変動)
- 効率・安全性
- ROE(実績):6.68%(LTMでは低下傾向)
- ROA(LTM):1.99%
- 自己資本比率:40.1%
- 流動比率:1.30
- D/E(総負債/資本):約98%(金融子会社を含む連結特性に留意)
- 1Q(2026/3期)概況
- 売上収益 -1.2%、営業利益 -49.6%(為替・関税影響)
- 営業CFが黒字転換、ただし投資・自己株取得で現金減少
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3実績68円、2026/3期予想70円(中間35円・期末35円)。利回り4.39%。
- 自己株式:自己株保有比率が上昇(株主名簿で自己株口17.58%記載、短信では期末自己株約11.95億株と開示。基準時点の違いに留意)。
- その他:2023/10/2に1:3の株式分割実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:200日線上で推移しつつ、50日線下の短期調整。年初来高値からはやや下。
- 投資家関心:出来高は直近やや低下。信用買残増(前週比+55万株)、倍率高水準。自社株買いは株主価値還元の一助。
11. 総評
- 二輪の強固な収益基盤と北米中心の四輪商品力、金融サービスの安定性が全社を支える一方、為替・関税・原材料に伴う四輪の利益変動が直近業績の重し。
- 中長期は電動化・電池・SDVへの投資とバリューチェーン再構築がテーマ。配当と自己株買いによる還元は継続姿勢。
- バリュエーションはPERで業界平均比ややプレミアム、PBRは割安水準。テクニカルは長期上昇基調を維持しつつ短期は上値が重い局面。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 理由:売上は3年で大幅増(2022/3→LTMのCAGR二桁)。直近1Qは減収だがLTMで増収基調。
- 収益性:B
- 理由:粗利率約21%、営業利益率約4.5%。二輪は高採算だが四輪の変動が影響。業界平均との差は中立評価。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率40%台、流動比率1.30。連結で金融債務は厚いが総合的にバランスは良好。
- 株価バリュエーション:B
- 理由:PERは業界平均超、PBRは平均未満で相殺。総合的に中立。
(注)本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や助言を目的としたものではありません。数値は提示データの期間差・会計基準の差異により一部整合しない場合があります。最新情報は会社開示・IR資料をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 7267 |
| 企業名 | 本田技研工業 |
| URL | http://www.honda.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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