野村ホールディングス(8604)企業分析レポート

株価: 1,049円(本日終値)/市場: 東証プライム/業種: 証券・商品先物

1. 企業情報

  • 概要: 国内最大級の独立系証券グループ。3事業(ウェルス・マネジメント、インベストメント・マネジメント、ホールセール)を中核に、2025年4月から「バンキング」セグメントを新設。個人・法人・政府機関など幅広い顧客に、リテール営業、投資信託・運用受託、株式・債券・為替・デリバティブのセールス&トレーディング、資金調達(引受・私募)、M&Aアドバイザリー等を提供。
  • 特徴: 国内リテールの強固な顧客基盤と、ホールセールのグローバル展開を併せ持つ「総合証券」。個人向けでは非伝統資産(未上場株・オルタナティブ等)も開拓。
  • 収益内訳(2025/3 連結): 受入手数料21%、トレーディング損益12%、金融収益62%、その他5%。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 国内証券最大手クラス。日本株・国内債の引受や主幹事案件で上位常連。ホールセールは日本・アジアで強み、グローバルでは外資大手と競合。
  • 競争優位性:
    • 国内リテール網と富裕層顧客基盤の厚み
    • 運用(アセットマネジメント)・投資銀行・マーケッツの総合力
    • 発行体・投資家双方へのアクセス
  • 課題:
    • マーケット依存度(市況・金利・為替ボラティリティ)による業績変動
    • 規制資本・リスク管理の厳格化対応コスト
    • 外資系との投資銀行競争、手数料の構造的プレッシャー

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(開示・一般動向の整理):
    • ウェルス・マネジメントの強化(長期資産形成支援、提案型営業の高度化、IFA/デジタル連携)
    • インベストメント・マネジメント拡大(運用資産残高の増強、オルタナ・私募/プライベート市場対応)
    • ホールセールの資本効率・リスク調整後収益の向上(資本ライト運営、クレジット/レート/株式での強み領域の選択と集中)
    • バンキング機能の追加によるソリューション拡張
  • 直近短信の注目点:
    • 2025/4/1付で「バンキング」セグメント新設
    • 「その他」で不動産売却益(高輪の土地・建物)が寄与(単発要因)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 手数料(リテール・投資銀行)+運用報酬(AM)+トレーディング損益+金融収益の多柱型。市況影響は大きいが、リテール/運用のストック収益拡大がボラティリティ緩和に寄与。
  • 適応力:
    • 非伝統資産(未上場株、オルタナ)やソリューション提案の拡充
    • デジタルチャネル・データ活用、規制対応の継続
    • 地域・商品分散による景気循環の平準化

5. 技術革新と主力製品

  • 技術/運用面: 電子取引・リスク管理・データ分析の高度化、運用部門の商品ラインナップ拡張(オルタナ/ESG等)。
  • 収益牽引:
    • ウェルス・マネジメントの手数料収益
    • ホールセールのトレーディング・IBフィー
    • インベストメント・マネジメントの運用報酬(AUM 94.3兆円、2025/6末)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(LTM/実績ベース)
    • 株価: 1,049円
    • EPS(希薄化後・LTM): 122.73円 → 予想PER未開示だが、参考としてLTM PER ≈ 1,049 ÷ 122.73 = 約8.6倍
    • BPS(実績): 1,177.31円 → PBR ≈ 1,049 ÷ 1,177.31 = 約0.89倍(開示値と一致)
    • 配当(トレーリング): 年間47円 → 配当利回り ≈ 47 ÷ 1,049 = 約4.48%、配当性向 約38.3%
  • 相対比較(業界平均: PER 13.3倍、PBR 1.0倍)
    • PER: 業界平均比で低位(参考)
    • PBR: 業界平均並〜やや低位
  • 参考計算(仮定)
    • 業界平均PER適用の参考株価: 122.73円 × 13.3倍 ≈ 1,633円
    • 業界平均PBR適用の参考株価: 1,177.31円 × 1.0倍 ≈ 1,177円

7. テクニカル分析

  • トレンド位置づけ:
    • 50日移動平均: 1,073円、200日移動平均: 956円
    • 現在値は50日線を下回り、200日線を上回る水準 → 中期上昇基調の中で短期の調整局面
  • 52週レンジ: 高値 1,135円/安値 672円 → レンジ上方域(レンジ内で約81%位置)
  • 直近10日: 上値切り下げ基調、出来高は3カ月平均(約9.98百万株)並み〜やや下
  • 信用指標: 信用倍率 11.86倍(買い長)、信用買残は微増

8. 財務諸表分析

  • 収益・利益(単位は会社開示の単位に依存)
    • 売上高(総収益・LTM): 約1.73〜1.96兆円(データソースにより差。四半期YoY +15.2%)
    • 税引前利益(2025/3期): 4,719億円、当期純利益: 3,407億円
    • LTM当期純利益: 約3,764億円、希薄化後EPS: 122.73円
    • 利益率(LTM): 営業利益率 約30.6%、最終利益率 約19.2%
  • ROE/ROA・効率性
    • ROE(実績): 約10%(開示値9.99%〜LTM 10.7%程度)
    • ROA(LTM): 約0.65%
  • 財政状態・安全性
    • 自己資本比率: 6.1%(証券会社の業態特性として低位)
    • 流動比率: 1.54
    • D/E(総負債/資本): 約910%(トレーディング勘定等を含む業態要因)
    • 現金等: 約47.0兆円、総負債: 約32.6兆円(勘定構造に留意)
  • セグメント(2026/3期1Q)
    • WM: 収益105,796、税前38,755(百万円)
    • IM: 収益50,574、税前21,527
    • WS: 収益261,072、税前41,908(前年同期比で改善)
    • Banking: 収益12,845、税前3,614(新設)
    • その他: 収益93,160、税前54,610(不動産売却益等の一過性寄与)

9. 株主還元と配当方針

  • 直近実績配当(2025/3期): 年間合計 57円(中間23円・期末34円)
  • トレーリング/フォワードの参考利回り: 約4.46〜4.48%
  • 配当性向: 約38.3%(LTM)
  • 自己株式: 発行株式の約6.5%(自己株口) → 過去に自己株取得の活用が示唆

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率: +33.85%(市場平均比で良好)
  • ベータ(5年・月次): 0.51(ボラティリティは相対的に低め)
  • 出来高: 3カ月平均 約998万株、直近10日平均 約945万株
  • 需給: 信用買残>売残(買い長)
  • 近接イベント: 2025/10/28 決算発表予定

11. 総評

  • 収益構造は多柱型で、2025/3期以降はホールセール改善と金融費用減少、リテール・運用の底堅さが寄与。1Qには不動産売却益等の一過性益が含まれる点は留意。
  • 収益成長は四半期YoY+15.2%と改善傾向。ROEは約10%水準。証券業の構造上、自己資本比率やD/Eは一般事業会社比較で見劣りするが、業態特性による側面が大きい。
  • バリュエーションはLTM PER約8.6倍、PBR約0.89倍と、業界平均(PER13.3倍、PBR1.0倍)対比で相対的に低位。配当利回りは約4.5%。
  • テクニカル面では200日線上で中期は堅調、足元は50日線下で短期調整。信用買い長の需給には注意。
  • 中期的にはウェルス/運用のストック収益拡大、選択と集中による資本効率向上が鍵。市況感応度と一過性要因の影響を切り分けたモニタリングが有用。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: A
    • 根拠: LTM売上・四半期収益ともに前年超(LTM/四半期YoY二桁台)。
  • 収益性: A
    • 根拠: ROE約10%、LTM営業利益率約30%、最終利益率約19%(業界平均を概ね上回る水準と推定)。
  • 財務健全性: C
    • 根拠: 自己資本比率6.1%、D/E高水準。証券業特性は考慮するも一般的基準に照らすと低位。
  • 株価バリュエーション: A
    • 根拠: LTM PER約8.6倍、PBR約0.89倍で業界平均比ディスカウント。

参考データ(主な数値)
– 時価総額: 約3.32兆円
– BPS: 1,177.31円、PBR: 0.89倍
– EPS(LTM・希薄化後): 122.73円、参考PER: 約8.6倍
– 配当: 47円(トレーリング)、配当性向約38.3%、利回り約4.48%
– 52週高/安: 1,135円 / 672円
– 自己資本比率: 6.1%、ROE: 約10%、ROA: 約0.65%

(注)数値は会社開示・市場データの混在により一部レンジ表記。評価は将来成果を保証するものではありません。


企業情報

銘柄コード 8604
企業名 野村ホールディングス
URL http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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