1. 企業情報

品川リフラクトリーズ株式会社は、1875年創業、1903年設立の総合耐火物製造大手です。主に鉄鋼業向けに各種耐火物を製造・販売しており、JFEスチールや神戸製鋼所といった大手鉄鋼メーカーと強固な関係を築いています。連結事業は、「耐火物」(66%)、「断熱材」(12%)、「エンジニアリング」(18%)、「先端機材」(3%)などで構成され、特に耐火物が収益の中核を担っています(2025年3月期時点)。耐火れんが、不定形耐火物、機能性製品など幅広い耐火製品に加え、セラミックファイバーなどの断熱材、液晶・半導体製造装置向けのファインセラミックスも手掛けています。国内のみならず、海外展開も積極的に行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は国内の耐火物市場において、JFEスチールや神戸製鋼所と親密な関係を持つことで、大手の一角としての強固な地位を確立しています。国内鉄鋼業向けでは主要なサプライヤーの一つであり、長年の実績と高い技術力に基づいた競争優位性を持っています。M&Aによる海外事業の強化(例えば、オランダのGouda社、ブラジルのReframax Engenharia Ltda.)も進めており、グローバル市場でのプレゼンス拡大を図っています。
一方、国内の粗鋼生産が減少傾向にあることや、欧州・中国での需要減速、競合激化は市場における課題となっています。先端機材セグメントでは半導体向け需要の回復遅れや顧客在庫調整の影響を受けています。

3. 経営戦略と重点分野

同社の経営戦略は、主要事業である耐火物の拡販とコストダウンによる収益力強化を軸としつつ、エンジニアリング事業の拡大や高機能材分野への注力を進める多角的なアプローチと考えられます。
直近では、M&Aを通じて海外事業を強化しており、特にエンジニアリング事業ではReframax社の連結によりグローバル展開を加速しています。また、ファインセラミックスに代表される「高機能材」への注力は、成長分野での新たな収益源確保を目指すものであり、事業ポートフォリオの多様化を推進しています。決算短信では耐火物の拡販・コストダウンとエンジニアリング案件増を見込んで、業績予想を上方修正しており、これらが短期的な重点分野であると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、製鉄所の操業に不可欠な耐火物の提供を基盤としており、安定的な補修・更新需要に支えられています。これは景気変動に左右されにくい事業基盤を形成する一方で、主要顧客である鉄鋼業の動向に大きく影響を受けるリスクもはらんでいます。
海外企業買収によるグローバル展開の加速は、特定の地域や産業への依存リスクを軽減し、収益源の多角化を通じた持続可能性の向上に寄与します。また、半導体製造装置向けファインセラミックスのような高機能材への参入は、将来的な成長ドライバーとなり得る新しい市場ニーズへの適応力を示しています。コスト競争力の維持や新技術による高付加価値製品の開発が、今後の持続的な成長において重要となります。

5. 技術革新と主力製品

主力製品は、鉄鋼溶融炉や転炉などに使用される各種「耐火物」です。特に、基本的な耐火レンガに加え、炭素含有レンガ、高アルミナレンガなどの高機能製品、さらにはスライドゲートプレートや浸漬ノズルなどの機能性製品を提供しています。
「高機能材に注力」という記述からは、材料技術や製造プロセスの革新を通じて、より過酷な環境下での使用に耐えうる製品や、エネルギー効率の高い製品の開発を進めていることがうかがえます。ファインセラミックスでは、液晶・半導体製造装置向けの精密部品を手掛けており、これは高度な技術開発力を背景とした独自性を示しています。これらの技術革新は、同社の競争優位性を支える重要な要素です。

6. 株価の評価

現在の株価は1,879.0円です。
会社予想EPSは186.39円であり、PER(会社予想)は10.08倍となります。
実績PBRは0.98倍です。
業界平均PERが18.3倍、業界平均PBRが1.4倍であることを考慮すると、同社のPERおよびPBRは業界平均を下回っており、相対的に割安感がある可能性があります。

7. テクニカル分析

現在の株価1,879.0円は、年初来高値1,965円に近く、年初来安値1,355円と比較すると高値圏に位置しています。
直近10日間の株価推移を見ると、1,812円から始まり一時的に1,895円の高値を付けた後、1,879円で取引を終えています。50日移動平均線1,897.94円のやや下、200日移動平均線1,737.16円を大きく上回って推移しており、中長期的な上昇トレンドを示唆しています。短期的には高値圏でのもみ合いや調整が入る可能性も考えられます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去数年間は順調に増加傾向にありました(2022年3月期 110,784百万円 → 2023年3月期 124,963百万円 → 2024年3月期 144,175百万円)。過去12ヶ月(LTM)の売上高は148,470百万円であり、直近の2026年3月期第1四半期の売上高は前年同期比で13.0%増と堅調な伸びを見せています。
  • 粗利益: LTMは36,920百万円で、粗利率は約24.9%(2024年3月期は22.9%)。改善傾向にあります。
  • 営業利益: LTMは13,278百万円で、営業利益率は約7.55%です。2024年3月期実績の13,888百万円からはやや減少していますが、第1四半期ではM&A関連費用など一過性の要因で前年同期比で減益となりました。
  • 純利益: 2024年3月期は15,280百万円と大幅に増加しましたが、これは固定資産売却益など特殊要因が大きいです。LTMの純利益は8,620百万円。直近の2026年3月期第1四半期の純利益は、前年同期の特別益(固定資産売却益)の反動やのれん償却、買収関連費用により前年同期比39.7%減となりました。
  • ROE: 実績ROEは11.34%(LTMは9.83%)と、株主資本を効率的に活用していることを示す良好な水準です。
  • ROA: LTMは4.43%。
  • 自己資本比率: 実績は45.6%で、健全な水準です。直近四半期ではReframaxの連結に伴うのれん増加や短期借入金増加で41.1%に低下しましたが、引き続き安定した財務基盤を維持しています。
  • 流動比率: 直近四半期は1.45倍。前期末の1.85倍からは低下しましたが、短期的な支払い能力に問題はない水準です。
  • D/E Ratio(負債資本比率): 直近四半期で80.81%。M&Aに伴う借入金増加が見られますが、過度に高くはなく財務の安定性を維持しています。

9. 株主還元と配当方針

同社の年間配当(会社予想)は90.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは4.79%と高い水準です。配当性向はLTMで41.96%と、無理のない範囲で利益を株主に還元する姿勢を示しています。2026年3月期の配当予想は中間・期末ともに45.00円で据え置きとなっています。自社株買いに関する情報は今回提供されていません。安定的な高配当が投資家にとって魅力の一つと考えられます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、一時的な変動を挟みつつも緩やかな上昇傾向にあります。出来高は特別多くはありませんが、着実に推移しています。
信用取引においては、信用買残が76,000株に対し信用売残が3,000株と、信用倍率が25.33倍の買い長の状態にあります。これは将来的な需給悪化要因となる可能性があります。
株価への影響要因としては、主要顧客である鉄鋼業界の動向、海外M&Aによる事業拡大の進捗と収益貢献、原材料価格や為替の変動、そして先端機材分野の需要回復などが挙げられます。直近の業績予想上方修正はポジティブな材料と受け止められています。

11. 総評

品川リフラクトリーズは、国内耐火物市場における大手としての安定した事業基盤と、鉄鋼業界の主要プレイヤーとの強固な関係を特徴とする企業です。国内耐火物需要の構造的な変化に対応するため、海外M&Aによるグローバル展開とエンジニアリング事業の強化、高機能材分野への進出を戦略的に進めています。
財務面では、M&Aに伴う負債増加が見られるものの、自己資本比率や流動比率は健全な水準を維持しており、収益性も良好です。株価は業界平均と比較して割安感がある一方、高い配当利回りは投資家にとって魅力的と言えます。
懸念材料としては、国内鉄鋼需要の減少や海外での競合激化、M&Aに伴うのれん償却や費用増加が短期的な利益に影響する可能性があります。また、信用買残の状況は今後の株価推移を見守る上で注目されます。

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 2026年3月期第1四半期の売上高成長率が前年同期比13.0%と堅調で、通期業績予想も上方修正されています。3年間の売上高CAGRも約9.1%と伸長しており、海外M&Aによる事業拡大も加味すると、中長期的にも成長への取り組みが見られます。
  • 収益性:A
    • 過去12ヶ月(LTM)の営業利益率は約7.55%、EBITDA率は約12.13%、粗利率は約24.9%です。ROEも実績で11.34%(LTM 9.83%)と、安定して良好な収益性を維持していると評価できます。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率は41.1%(直近四半期)、流動比率は1.45倍(直近四半期)と、いずれも健全性の基準を満たしています。M&Aに伴う短期借入金や有利子負債の増加があったものの、財務基盤は安定していると判断できます。
  • 株価バリュエーション:S
    • 会社予想PERは10.08倍、実績PBRは0.98倍であり、業界平均PER18.3倍、PBR1.4倍と比較して大幅に割安な水準にあります。

企業情報

銘柄コード 5351
企業名 品川リフラクトリーズ
URL http://www.shinagawa.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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By ジニー

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