日本紙パルプ商事(8032)企業分析レポート

注記:本資料は公開データの整理であり、投資助言を目的としません。記載数値は提供データに基づき概算を含みます。

1. 企業情報

  • 紙・板紙、パルプ、古紙などの卸売を主軸に、製紙加工(段ボール・家庭紙等)、環境原材料(古紙・木質バイオマス燃料等)、不動産賃貸を展開。
  • 国内紙流通で最大手。製紙大手(王子、北越、中越など)との取扱が厚く、海外は欧米・アジア・オセアニアへM&Aで拡大。
  • 物流・在庫・ITの統合運用、古紙回収・再生の循環型モデル、再エネ(バイオマス・発電)など周辺収益源も持つ。

主なセグメント構成(会社公表の目安)
– 国内卸売:約36%(利益率:低位)
– 海外卸売:約50%(地域ミックスで変動)
– 製紙加工:約9%(段ボール・再生家庭紙等)
– 環境原材料:約4%
– 不動産賃貸:約1%(高採算だが規模小)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内紙流通の首位。幅広い製品ラインアップとサプライヤー網、在庫機能、価格交渉力が強み。
  • 競争環境:出版・印刷用途の構造的縮小により数量は長期減少傾向。海外は国・地域で需給差が大きく、為替・運賃・エネルギー価格に影響を受けやすい。
  • 競合:国内ではKPPグループHD(9274)などの大手紙商、メーカー系の販売網。海外は現地紙商・商社。
  • 課題:欧州事業の回復遅れ、為替差損・物流費・人件費・電力等コスト上昇、需要構造変化への対応スピード。

(注)正確な市場シェアの定量は未公表。

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性
    • 国内:印刷・出版向け縮小の影響を機能材料・包装材・ディスプレイメディアなど高付加価値品で補完。
    • 海外:M&Aと既存子会社の収益性改善(特に欧州)を通じた規模と付加価値の拡大。
    • 循環・環境:古紙・バイオマス燃料など資源循環と再エネ領域の強化。
    • ポートフォリオ:製紙加工(段ボール・再生家庭紙)や不動産賃貸で収益の安定化。
  • 2026年3月期会社計画(据え置き)
    • 営業利益 165億円、経常利益 155億円、純利益 85億円、EPS予想 69円。第1四半期は減益も通期見通しは維持。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:卸売主体で粗利率は低いが、広域在庫・物流・与信機能と長期関係に基づくスプレッドで収益化。製紙加工・不動産・環境原材料で補完。
  • 持続性のポイント
    • マイナス圧力:印刷・出版向けの構造的需要減、欧州需要の弱含み、為替・エネルギーコスト上振れ。
    • プラス圧力:包装材・機能材料・サインメディアなど伸長分野、リサイクル・再エネの社会的需要、M&A効果の顕在化。
  • 適応力:製品・地域ミックスの転換、M&A後の統合(PMI)と在庫最適化・為替管理の徹底が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:R&D集約型ではないが、グローバル調達・在庫・物流の最適化、古紙回収・再生スキーム、サイン・ディスプレイメディア、デジタルプリンティング周辺(メディア・インク・機器販売)等で専門性。
  • 収益牽引:
    • 国内外の卸売(紙・板紙・機能材料)
    • 製紙加工(段ボール、再生家庭紙)
    • 環境原材料(古紙・バイオマス燃料)
    • 不動産賃貸(利幅高)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 746円、EPS予想 69.0円、BPS 1,075.77円、業界平均 PER 12.1倍・PBR 1.0倍
  • 算定

    • PER(予想):746 / 69.0 ≒ 10.81倍(提供値と一致)
    • PBR(実績):746 / 1,075.77 ≒ 0.69倍
    • 配当利回り(予想):28円 / 746円 ≒ 3.75%
    • EV/EBITDA(概算):EV ≒ 時価総額1,120.6億 + 有利子負債922.8億 − 現金157.2億 ≒ 1,886億円

    → EBITDA 2,277億円?(注:単位は億円換算で22.77=2,277百万円=22.77億円。提供値は22.77B=2,277億円ではなく22.77bn JPY=227.7億円に注意)
    整理:Revenue 5,641億円ベース → EBITDA 227.7億円と解釈 → EV/EBITDA ≒ 1,886 / 227.7 ≒ 8.3倍
    – EV/Sales ≒ 1,886 / 5,641 ≒ 0.33倍
    – 相対比較:PER・PBRは業界平均より低位(割安寄り)。配当利回りは自社5年平均(2.84%)を上回る水準。

(注)EBITDA・売上は「億円」換算で整合。EVは概算。

7. テクニカル分析

  • 位置:年初来高値 752円に接近(本日高値 752円、終値746円)。50日線 710.5円、200日線 639.05円を上回る上昇トレンド。
  • モメンタム:出来高(本日16.3万株)は3カ月平均(14.3万株)をやや上回る。信用倍率0.58倍と低水準(売り長)。
  • 評価:年初来高値圏。短期では上振れ後の値動きに留意。

(参考)提供の直近10日株価(5月末時点)は横ばい推移だったが、足元は上放れ。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結、概況)
    • 売上高:2022/3 4,447億 → 2023/3 5,453億 → 2024/3 5,342億 → LTM 約5,545–5,641億円(+3.8%前後)
    • 営業利益:2023/3 202億 → 2024/3 174億 → LTM 約151億円(低下)
    • 純利益:2023/3 254億 → 2024/3 104億 → LTM 約75–58億円(提供データ差あり、減益傾向)
  • 収益性
    • 粗利率:約16.5%(LTM)
    • 営業利益率:LTM 1.7%(短信1Qも1.68%)、事業特性上低位
    • ROE:実績 5.79%、LTM 4.76%(低〜中位)
  • キャッシュフロー・資本構成
    • 自己資本比率:34.2%(第1Q 34.5%)
    • 流動比率:約121%
    • 有利子負債(概算):約922億円、D/E ≒ 64%
  • トレンド評価
    • 売上は中期で増加(M&A・海外拡大)も、利益率は低下。第1四半期は為替差損・コスト高・欧州回復遅れで減益。
    • 不動産賃貸は高採算で安定、製紙加工ではコスト上昇が圧迫。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:2026/3期 1株28円予想(中間14円・期末14円)、予想配当性向 約41%。
  • 実績:2025/3期通期25円(株式分割後換算)。5年平均配当利回り 2.84%に対し、現状は3.7–3.8%水準。
  • 自己株式:16.48%保有と厚い(流通株式の減少要因)。自社株買いの新規方針は未確認。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:年初来 +10.5%、直近で高値更新圏。ベータ0.21と低位(市場連動性が小さい)。
  • 投資家構造:インサイダー+自己株合計で40%近い保有、浮動株は相対的に限定的。機関投資家保有は12.41%。
  • 需給:信用倍率0.58倍(売り長)。イベントは期中配当権利・決算発表が需給に影響しやすい。

11. 総評

  • 事業面:国内首位の紙流通基盤と海外M&Aで売上は伸長傾向。一方で、構造的需要減とコスト高、為替・欧州事業の回復遅れで収益性は圧迫。環境原材料・再生紙・不動産など補完領域が安定収益に寄与。
  • 財務面:自己資本比率は30%台半ば、D/Eは中程度。運転資本負担と有利子負債は一定規模。
  • バリュエーション:PER・PBRとも業界平均より低位で、配当利回りも相対的に高め。
  • 株価面:移動平均上で上昇トレンド、年初来高値圏。短期の変動性と需給(売り長)に留意。
  • 今後の焦点:欧州子会社の採算改善、価格交渉・在庫最適化、エネルギー・物流費のコントロール、成長分野(包装材・機能材料・環境ビジネス)の伸長。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+約3.8% YoY、2022→LTMの3年CAGR約+7%台。M&Aと海外拡大が寄与。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率約16.5%、営業利益率LTM約1.7%。事業特性上の低水準だが同業並みとみられる。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率34%台、流動比率121%、D/E約64%(中位)。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER約10.8倍(業界平均12.1倍以下)、PBR約0.69倍(平均1.0倍以下)、EV/S約0.33倍。

(注)一過性損益は除外を意識し、欠損データはB(中立)相当の扱い。数値は提供データに依存します。
参考データ
– 時価総額:約1,120億円
– 発行済株式:1億5,021万株(自己株含む)、自己株式:約2,702万株
– 浮動株:9,112万株(概算、提供値)
– 次の主なイベント:配当落ち予定 2026/3/30(提供データ)


企業情報

銘柄コード 8032
企業名 日本紙パルプ商事
URL http://www.kamipa.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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