4022 ラサ工業 分析レポート
本レポートは、公開情報と提供データに基づく企業分析であり、投資助言を目的とするものではありません。不明な項目は記載を控えています。
1. 企業情報
- 概要:化成品・機械・電子材料を中核とする老舗のスペシャルティ・ケミカル企業。リン酸・リン系二次塩、上水・産業向け凝集剤、半導体向け高純度薬品、消臭・抗菌などの化成品に加え、推進・トンネル関連機械、電子ビーム溶接、廃棄物処理機械、鋳鋼等を展開。電子材料では高純度無機素材(赤燐、ガリウム、インジウム等)、放射性ヨウ素吸着材、ブラックリンの研究開発なども保有。触媒再生、不動産賃貸も実施。
- 由来:沖縄・ラサ島のリン鉱脈(1907年)を起点に発展。1911年創業、1934年に現商号へ。
- 事業構成(目安・連結):化成品 84%(営業利益率目安 13%)、機械 10%(同 3%)、電子材料 4%(同 16%)、その他 2%(同 64%)。海外売上比率 44%(2025.3)。
- 上場区分:東証プライム(化学)
- 従業員:640名、平均年齢44.4歳、平均年収650万円
- 本社:東京都千代田区外神田1-18-13
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:スペシャルティ化学の中でもリン化学・高純度無機素材に強み。半導体向け高純度リン酸や水処理向け凝集剤など、品質・純度が重視されるニッチ領域で実績がある。機械事業は土木・建設ニーズに連動。
- 競争優位性(示唆):
- 高純度対応・品質管理のノウハウと顧客要求水準への適合力
- 製品ポートフォリオの分散(化成品の安定性と電子材料の成長性)
- 触媒再生等、安定収益性の高い周辺事業
- 課題:
- 半導体・建設関連など景気循環の影響
- 原材料・エネルギー価格、為替の変動
- 機械事業の収益性改善
(注)定量的な市場シェアは開示なし。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・計画:
- 長期「RasaVision2033」
- 中期「中期経営計画2026(2024–2026)」:フェーズ1(種まき)
- 重点方針(開示の範囲):
- 資源配分の最適化と収益力強化
- 成長事業の拡大(高純度無機素材、半導体関連等)
- ESG・DX対応の推進
- 進捗(2026年3月期1Q):
- 売上は微減だが、粗利率・営業利益率が改善
- 電子材料が増収増益、化成品は主力として利益寄与、機械は減収減益
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:主力の化成品は比較的安定、電子材料は半導体サイクルの影響を受けやすい一方、回復局面での伸長余地。触媒再生・不動産等は安定収益の下支え。
- 適応力:製品ミックスの改善や高付加価値品へのシフトで利益率を改善。海外比率44%で地理分散。水処理・環境関連需要は中長期の構造的需要が見込まれる一方、景気・為替・原材料の変動には留意が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:半導体向け高純度リン酸・リン系素材、化合物半導体向け赤燐・ガリウム・インジウム等の高純度無機材料、放射性ヨウ素吸着材、ブラックリン等の先端素材。機械では電子ビーム溶接、推進・トンネル関連機械。
- 収益牽引:
- 化成品:半導体向け高純度品、水処理凝集剤等
- 電子材料:化合物半導体市況の回復寄与(1Qで増収増益)
- その他:触媒再生は高収益の安定事業
- 機械:本体販売減で課題、レンタルは伸長
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(2025-10-29 終値 5,010円)
- 時価総額:約396億円
- 会社予想EPS:422.68円
- 会社予想PER:11.81倍(計算一致)
- 実績BPS:3,563.76円 → PBR:1.40倍(計算一致)
- 予想配当:年128円 → 予想配当利回り:約2.55%
- 参考比較(業界平均)
- 業界平均PER:20.4倍 → 同社は約42%低位
- 業界平均PBR:1.1倍 → 同社は約27%高位
- 追加参考(概算)
- EV ≒ 396億 +(有利子負債82億 − 現金46億)= 約432億円
- EV/S(LTM):約0.95倍、EV/EBITDA(LTM):約6.6倍
- コメント:PERは業界平均を大きく下回る一方、ROE11.85%に見合うPBRプレミアム(1.40倍)。配当利回りは約2.6%。
(注)EVは1Q時点の財政数値とLTMからの概算。
7. テクニカル分析(短期)
- 年初来レンジ:2,224円〜5,270円
- 現状位置:5,010円(年初来高値の約95%)→ 高値圏寄り
- 10日移動平均(概算):約5,090円 → 終値は短期線をやや下回る
- 直近の値動き:10/27の年初来高値更新後、3営業日続落で5,000円近辺に接近。出来高は直近やや低下傾向。
- 水準感:5,270円近辺が上値抵抗、5,000円が心理的な支持として意識されやすい構図。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:2022/3 35,411 → 2023/3 49,600 → 2024/3 42,788 → 2025/3(LTM)45,421(YoY +6.2%)
- 営業利益:4,623(2023/3)→ 3,591(2024/3)→ 4,737(2025/3)
- 当期純利益:2,538(2022/3)→ 3,232(2023/3)→ 2,382(2024/3)→ 3,131(2025/3)
- 収益性(LTM)
- 粗利率:21.2%(9,633/45,421)
- 営業利益率:10.4%(4,737/45,421)
- EBITDAマージン:14.4%(6,526/45,421)
- 純利益率:6.9%(3,131/45,421)
- ROE(実績・連結):11.85%
- 金利負担:利息費用123に対しEBIT 4,732 → インタレストカバレッジ約38倍
- 成長性
- 3年CAGR(売上):約+8.6%(2022/3→2025/3)
- EPS:301.52(2024/3)→ 398.74(LTM)
- 財務健全性
- 自己資本比率:60.8%(前期末、1Q:60.9%)
- 流動比率:約201%(1Q)
- 有利子負債:81.98億円、現金46.41億円 → ネット有利子負債約35.6億円(1Q)
- ネットD/EBITDA:約0.54倍(概算)
- キャッシュフロー:四半期CFの詳細は未作成(注記)。LTM EBITDAは増加傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/3 実績:年120円
- 2026/3 予想:年128円(中間64円・期末64円)
- 予想配当性向(概算):128円 / 422.68円 ≈ 約30%
- 自社株:自己株式約1.72%保有。新規の自己株買い開示は—(記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の変動:年初来高値更新後の反落局面。短期的には上昇一服感がある一方、年初来高値圏を維持。
- 信用動向:信用倍率3.57倍、信用買残が前週比+16,100株、売残は減少。買い越し傾向の一方で、短期の需給変動には留意。
- 需給・イベント
- 出来高:直近は落ち着き、商いはやや減少
- 予定イベント:次回決算発表スケジュールは会社開示参照、配当権利落ち日は2026/3/30予定
11. 総評
- 主力の化成品に加え、電子材料が回復局面で利益貢献。1Qは売上横ばい圏ながら、粗利率・営業利益率が改善。機械は課題だが、全社では利益成長を確保。
- 財務は自己資本比率約61%、ネットD/EBITDA約0.5倍と堅健。ROEは約12%と一定水準。
- バリュエーションはPERで業界比低位、PBRはROEに見合う水準。配当性向は約30%でバランス型。
- 外部環境(半導体市況、為替、原材料、建設需要)の変動が業績に影響しやすく、機械事業の収益性改善が中期のテーマ。中計の「種まき」に沿った成長投資・ミックス改善が継続課題。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY +6.2%、3年CAGR ≈ +8.6%。EPSも回復。
- 収益性:A
- 営業利益率10.4%、EBITDAマージン14.4%、ROE11.85%。業界水準を上回る目安。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約61%、流動比率約201%、ネットD/EBITDA約0.5倍。
- 株価バリュエーション:A
- PERが業界平均比で低位、PBRはやや高めだがROE水準が背景。総合で割安寄りの評価。
(注)一過性損益は除外のうえ、欠損データは中立評価(B)とする方針ですが、本件は主要データが揃っているため上記評価としています。
データサマリー(抜粋)
- 株価:5,010円(2025-10-29)
- 時価総額:約396億円/発行株式数:7,944,203株
- 予想PER:11.81倍/PBR:1.40倍
- 予想配当利回り:約2.55%(年128円)
- LTM売上:454億円/LTM営業利益:47億円/LTM純利益:31億円
- 自己資本比率:約60.8%(前期末)/海外売上比率:44%
(本レポートは情報提供のみを目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。)
企業情報
| 銘柄コード | 4022 |
| 企業名 | ラサ工業 |
| URL | http://www.rasa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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