九州フィナンシャルグループ(7180)企業分析レポート
株価(終値):882.6円(2025-10-30)/ 時価総額:4,089.8億円
1. 企業情報
- 概要:肥後銀行(熊本)と鹿児島銀行を中核とする九州地銀グループ。銀行・リース・クレジットカード等を展開。地域密着の与信・決済に加えて、DXソリューションやECモールなど周辺サービスも取り扱い。
- 事業構成(2025.3、概況)
- 資金調達内訳(%):普通預金67、定期26、当座2、他5
- 資産運用内訳(%):貸出金68、有価証券14、現預け金14、他4
- 融資先内訳(%):中小企業等向け64、住宅・消費者向け31(残りは公共等)
- セグメント:銀行(肥後・鹿児島)、リース、その他(カード等)
- 特徴:九州域内で上位規模の総資産。2行統合による営業シナジーと保守的な財務運営。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:九州エリアで有力な地銀グループ。熊本・鹿児島で強い預貸基盤を持ち、域内中小企業・個人向けの取引網が厚い。
- 競争環境:
- 地域内では他地銀やメガバンク地場拠点、ネット専業・フィンテックとの競争。
- デモグラフィック(人口減少)や店舗来店減、金利環境変化が構造的課題。
- 強み・課題
- 強み:地域密着の与信力・顧客接点、県域での高い預金シェア、2行体制のスケールメリット。
- 課題:ROEの水準は業界上位と比べて高くはない。金利上昇局面での有価証券評価や資金調達コストの管理が収益に影響。
※正確な市場シェア数値は開示情報に限定的のため記載省略。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針(要約)
- 地域経済とともに成長する金融・決済・DXの総合ソリューション提供。
- 2行統合シナジー最大化とコア収益(本業粗利益)の持続的伸長。
- 重点施策(短信・公表情報の範囲)
- 金利環境変化に対応したALM(資産・負債の金利リスク管理)とNIM改善。
- 手数料ビジネス強化(カード、リース、与信関連フィー、DXソリューション)。
- コスト最適化(店舗・チャネル再編、デジタル接点拡大)。
- 信用コストの安定運営と与信ポートフォリオの分散。
- サステナブル/地域課題解決型ファイナンス(中小企業の事業承継・省エネ投資等)。
- 進捗(2026年3月期1Q)
- 経常収益:+11.6%(前年同期比)、経常利益:+42.5%、純利益:+44.7%と増益。
- 第2四半期累計予想は上方修正、通期予想は据え置き(純利益予想:335億円、EPS 77.43円)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:預貸金利ざや+手数料(カード、リース、保証、ソリューション)+市場運用。有価証券収益と与信コストのバランスが重要。
- 安定性:
- 預金基盤は普通預金中心(67%)で安定性が高い一方、金利上昇時の調達コスト上振れリスクに留意。
- 不良債権比率(2行合算、2025/6末):1.63%と低位水準。
- 変化対応:DXやキャッシュレス、ECモール等の非金利収益を広げ、人口減少・来店減対応を進展。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・ソリューション:地域事業者向けDX、決済・キャッシュレス、与信審査の高度化(データ活用)、オンライン手続(eKYC等)。
- 主力収益源:銀行セグメントが中核(1Qセグメント利益:銀行計1,981億円、リース23.3億円、その他11.4億円)で、手数料・リースが補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:77.43円
- BPS(実績):1,654.76円
- 配当(会社予想):26.00円(記念配当含む)
- 現在株価:882.6円
- 指標と計算
- PER:882.6 ÷ 77.43 ≈ 11.40倍(業界平均 10.7倍比 +約6%)
- PBR:882.6 ÷ 1,654.76 ≈ 0.53倍(業界平均 0.40倍比 +約33%)
- 予想配当利回り:26.00 ÷ 882.6 ≈ 2.95%
- 予想配当性向:26.00 ÷ 77.43 ≈ 33.6%(参考:別データのペイアウトレシオ29.9%は前提差異あり)
- コメント:PBRは0.5倍台と簿価に対しては低位だが、業界平均との比較ではPER・PBRともややプレミアム圏。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド位置:終値882.6円は
- 50日移動平均(869.6円)上、200日(766.7円)も上 → 中期〜長期で上昇トレンド内。
- 52週高値922円まで約-4.3%の位置 → 上値圏に接近。
- 直近10日:831円→883円へ上昇。出来高は本日366.7万株と3カ月平均(136万株)を上回る。
- 信用動向:信用倍率30.81倍(買い長)。買残は前週比やや減、売残は増。短期的な需給変動には留意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、概況)
- 売上高(LTM):約2,086億円(別データ:2,216億円)で前年(1,865億円)比2桁増。
- 親会社株主純利益(LTM):約304億円(前年263億円)で増益。
- 営業利益相当(LTM):営業利益率約35.0%。
- 収益性指標(LTM)
- 純利益率:15.6%
- ROE:4.84%(実績4.28%)、ROA:0.25%
- 安全性
- 自己資本比率(連結・会計上表示):5.3%(総資産ベースの割合)
- 自己資本比率(国内基準、2025/6末):11.90%(規制資本比率ベース)
- 不良債権比率(2行合算):1.63%(低位)
- バランスシート動向(2025/6末)
- 預金増加、有価証券増、貸出金は公共向け減で微減。
- 現預金増で総資産増加。
- トレンド(過去数年)
- 売上:2022年1,700億 → 2023年1,910億 → 2024年1,865億 → LTM約2,086億と再加速。
- 純利益:2022年167億 → 2023年247億 → 2024年264億 → LTM304億と着実に増益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年3月期 21円 → 2026年3月期予想 26円(創立10周年の記念配当各期13円中1円含む)。
- 予想利回り:2.95%(株価882.6円ベース)
- 配当性向:概ね30%台前半見込み。
- 自己株式:期末ベースで約6.5%保有。株主還元・資本政策の柔軟性に寄与(詳細な買戻し計画は未記載)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落+23.2%。50日・200日線上で推移する上昇基調。
- 関心材料(例示)
- 金利環境の変化(貸出金利上昇・預金金利上昇のバランス)。
- 有価証券ポートフォリオの評価・デュレーション管理。
- 信用コストの動向(中小企業向け与信)。
- 非金利収益(カード・リース・DX)の伸長度合い。
- 次回決算(2025-11-14予定)と通期見通しの更新。
11. 総評
- 地域密着の強固な預貸基盤に支えられ、金利・手数料両面で増収。1Qは増益ペースが良好で、上期見通しを上方修正。
- ROEは依然中位水準で、PBRは0.5倍ながら業界平均よりはやや高め。非金利収益拡大とALMにより、収益の持続性と資本効率の改善がカギ。
- 規制資本(国内基準自己資本比率)は十分性があり、不良債権比率も低位。財務面は安定。
- 株価は移動平均線の上で推移し、上値圏に位置。信用買い長の需給とイベント前後のボラティリティに留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上の2桁増、1Qの増益進捗。3年ベースでも売上は増加基調。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率は高いが銀行特性を考慮。ROEは4〜5%台で中位。
- 財務健全性:A
- 根拠:国内基準自己資本比率11.9%、不良債権比率1.63%と健全。流動性は預金基盤が支える。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PER・PBRは業界平均付近〜ややプレミアム。簿価ディスカウントは継続。
参考データ(抜粋)
– PER(会社予想):11.40倍
– PBR(実績):0.53倍
– ROE(実績):4.28%(LTM参考:4.84%)
– 自己資本比率(連結表示):5.3%/国内基準自己資本比率:11.90%(2025/6末)
– 配当利回り(会社予想):2.95%/配当性向(目安):約33.6%
– 50日MA:869.6円/200日MA:766.7円/52週高安:922円・520円
注意事項:
– 本レポートは公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で原資料・最新開示をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 7180 |
| 企業名 | 九州フィナンシャルグループ |
| URL | https://www.kyushu-fg.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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