6302 住友重機械工業 分析レポート（株価 4,072円）
以下は提供データ（決算短信、株価・各種指標）に基づく客観的な整理です。投資判断を推奨するものではありません。
1. 企業情報
- 概要：総合重機大手。メカトロニクス（変減速機、モータ、精密位置決め、極低温冷凍機等）、インダストリアルマシナリー（射出成形機、半導体向けイオン注入装置、レーザ等）、ロジスティクス＆コンストラクション（油圧ショベル、クレーン、物流システム等）、エネルギー＆ライフライン（CFBボイラ、廃棄物発電、水処理、蒸気タービン、プロセス機器等）が柱。
- 連結事業構成（売上/利益構成の目安）：メカトロ19%（OPM約2%）、インダストリアル27%（OPM約7%）、ロジ＆建機37%（OPM約6%）、エネ＆ライフライン18%（OPM約3%）［会社開示の表記に基づく概略］
- 海外売上比率：約60%（2024.12期）
- 従業員：25,337人、平均年齢43.2歳、平均年収835万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- 強み
- 変減速機：Cyclo/Helical 等でグローバル上位水準のプレゼンス（Sumitomo Drive Technologies）。アフターマーケット・保全需要が厚い。
- 射出成形機：全電動機中心に欧州を含むグローバル展開（Sumitomo(SHI) Demag）。高効率・高精度領域に強み。
- 半導体関連：イオン注入装置等のニッチ機器で実績。市況影響は受けやすいが技術的参入障壁は高い。
- エネルギー・環境：CFBボイラ、廃棄物発電等の脱炭素・循環型領域で案件パイプラインを保有。
- 課題
- 建機・半導体など、景気循環の影響が大きいポートフォリオ。需要減速局面で稼働率・採算が圧迫されやすい。
- 大型プロジェクト（プラント等）の採算管理・コスト上振れリスク。
- インダストリアルマシナリーの収益変動（2025年上期は赤字）をどう平準化するか。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画（2026）：収益力改善、資本効率向上、新事業探索を重点。セグメント再編（レーザ・極低温関連の入替）でシナジー強化。
- 重点施策（短信・開示の要旨）
- ポートフォリオ最適化（採算性重視、プロジェクト管理強化）
- 価格最適化・原価低減（原材料・為替の変動吸収）
- サービス・デジタル（保全、遠隔監視、予防保全）によるストック収益拡大
- 脱炭素・循環型（CFB、廃棄物発電）、医療（陽子線治療）・半導体関連など成長領域への注力
- 業績見通し（会社予想・2025/12期）：売上1.05兆円、営業利益500億円、EPS 208.02円に下方修正（半導体・油圧ショベル市況の回復遅れを反映）。為替前提：USD/JPY 145、EUR/JPY 152。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：大型装置・設備の新設（受注→売上計上）と、納入後の保守・部品等のストック収益の組合せ。変減速機など装置基盤の厚さが安定性に寄与。
- 受注動向（2025年上期）：受注高 5,355億円（前年比+18%）、受注残 約6,687億円（主要4セグ合計、期末ベース）。売上・利益は減少したが、受注は堅調。
- リスク適応：市況変動の大きい事業（半導体、建機）と、公共性・環境分野（発電・水処理）を併せ持ち、ポートフォリオ分散で平準化を図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性：高トルク・高耐久のサイクロ減速機、全電動射出成形機、極低温冷凍機、イオン注入など材料・プロセス装置、CFBボイラ・廃棄物発電等。デジタルサービス・予防保全の拡充。
- 収益牽引：
- メカトロニクス：受注増（+9.4%）・利益貢献（8,607百万円）
- ロジ＆建機：売上 1,754億円、安定収益（セグ利益 7,928百万円）
- エネ＆ライフライン：大幅増益（セグ利益 7,039百万円）
- インダストリアル：上期は赤字（▲3,033百万円）も、受注は+10.6%と回復基調
6. 株価の評価（バリュエーション）
- 株価：4,072円
- 会社予想EPS：208.01円 → 予想PER：約19.6倍（業界平均16.6倍比で高め）
- BPS（実績）：5,199.52円 → PBR：約0.78倍（業界平均1.4倍比で低め）
- EV/Sales（LTM）：約0.59倍［EV≈6,223億円＝時価総額5,005億＋有利子負債2,379億－現金1,161億、売上1.05兆円］
- EV/EBITDA（LTM）：約7.7倍、P/S：約0.48倍
- 所見（相対比較）：PERは平均超、PBRは平均未満と評価軸により方向が異なる（ROE・収益性水準の影響を織り込む形）。
7. テクニカル分析
- トレンド：株価は50日線（約3,536円）、200日線（約3,180円）を上回り中期上昇基調。年初来高値4,583円からは約▲11%。
- 直近動向：10/24〜27に出来高急増で年初来高値更新後、10/28〜30は急速に調整し4,000円近辺で下げ渋り。3カ月平均出来高88万株に対し直近10日平均224万株と売買活況。
- 位置づけ：52週レンジ上方ゾーン（約75％地点）。短期はボラティリティ高め、モメンタムは一服気味。
8. 財務諸表分析
- 収益性（LTM）：売上1.05兆円、営業利益率4.14%、純利益率▲0.32%（一過性除外の詳細は不明）。ROA 2.18%、ROE ▲0.51%（前期実績ROE 1.23%）。
- 2025年上期（対前年同期）
- 売上：4,946億円（▲4.9%）
- 営業利益：216億円（▲35.0%）
- 親会社純利益：124億円（▲47.3%）
- 営業CF：+466億円（改善）、投資CF：▲309億円、財務CF：▲67億円
- 財政状態：自己資本比率50.5%（期末50.8%）、流動比率1.97倍。総有利子負債2,379億円、現金1,161億円、ネット有利子負債約1,218億円。D/E 37.7%と適度なレバレッジ。
- セグメント概況（2025年上期）
- メカトロ：売上1,293億円、利益86億円、受注増・残高増
- インダストリアル：売上982億円、損失▲30億円、受注増も採算課題
- ロジ＆建機：売上1,754億円、利益79億円
- エネ＆ライフ：売上883億円、利益70億円、採算改善
- コメント：受注は堅調だが、収益性は利益率低下・一部赤字の影響で弱含み。キャッシュ創出は改善。
9. 株主還元と配当方針
- 年間配当予想：125円（中間60円、期末65円）
- 予想配当利回り：約3.07%
- 予想ベース配当性向：約60%（125円/ EPS 208.01円）
- 参考：トレーリング配当性向はLTMの赤字影響で見かけ上高水準。自己株式保有2.17%（買戻し実施の有無は不明）。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム：年初来高値更新後に短期反落。50日・200日線上で中期は上向き。出来高急増を伴う値動き。
- 信用動向：信用買残 92.4万株（前週比+64.4万）、信用倍率 5.09倍。買いに傾斜、売残も増加（短期的な需給変動要因）。
- イベント・外部要因
- 10/31/2025 決算発表予定、12/29/2025 権利落ち
- 半導体・建機市況、為替（USD/JPY、EUR/JPY）、原材料コスト、プロジェクト採算
11. 総評
- 受注・受注残は拡大し中期の売上原資は蓄積。一方、上期は利益率が低下し、インダストリアルの赤字や市況回復遅れが響いた。
- 予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは平均を下回る水準で、収益性（ROE）と回復期待のバランスが株価に反映されている。
- 財務体質は自己資本比率50%台・流動比率約2倍と安定。キャッシュフローも改善傾向。
- 短期はボラティリティと需給（信用買い積み上がり）に留意。中期ではポートフォリオ最適化・サービス化・環境/半導体等の重点施策の進捗と利益率回復が焦点。
12. 企業スコア（S/A/B/C/D）
- 成長性：C
- 根拠：LTM売上成長率▲4.7%、2025年上期も減収。受注は増加だが売上実績は減少基調。
- 収益性：C
- 根拠：LTM営業利益率4.1%、純利益率マイナス。インダストリアルが赤字、全社ROEもLTMでマイナス。
- 財務健全性：A
- 根拠：自己資本比率約51%、流動比率1.97倍、D/E約38%と健全レンジ。
- 株価バリュエーション：B
- 根拠：予想PERは業界平均超、PBRは平均未満、EV/Sは0.6倍程度で中立判断。
参考指標（提供データ）
– 時価総額：約5,005億円、予想PER 19.58倍、PBR 0.78倍、配当利回り約3.07%
– 50日移動平均：3,535.96円、200日移動平均：3,180.32円
– Beta（5年）：0.42（市場連動性は相対的に低め）
本資料は公開データの要約・整理です。投資に関する最終判断は各自のご判断でお願いします。
企業情報
| 銘柄コード | 6302 |
| 企業名 | 住友重機械工業 |
| URL | http://www.shi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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