高島(8007)企業分析レポート(個人投資家向け)
株価:825円(本日終値)
市場:東証プライム/業種:卸売業(17業種:商社・卸売)
時価総額:283.6億円/発行済株式数:34,377,984株
配当利回り(会社予想):5.45%/PER(予想):14.84倍/PBR(実績):1.22倍
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要と事業
- 1915年創業、繊維の重布事業からスタート。現在は「建材」「産業資材」「電子・デバイス」を柱に、設計・提案・加工・販売・施工・製造までを一気通貫で手掛ける提案型商社兼ものづくり企業。
- 建材:外壁材、基礎杭、断熱材、内装材、太陽光・蓄電池関連、施工管理など(非住宅・住宅向け)。
- 産業資材:樹脂部材、機能性繊維、物流資材等の設計・製造・販売。
- 電子・デバイス:電子部品の調達・受託製造(アセンブリ等)。東南アジア(ASEAN)に製造拠点を持ち、日系顧客向けに展開。
- 連結売上構成(会社開示):建材65%、産業資材19%、電子・デバイス16%。海外売上比率14%(2025.3期)。
 
- 参考データ
- 従業員数:1,216名、平均年齢43.1歳、平均年収855万円
- 本社:東京都千代田区神田駿河台
 
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 建材・産業資材・電子を横断する中堅の専門商社兼メーカー。単なる卸ではなく、設計・提案、加工・施工、海外製造など付加価値を上積みできる点が特徴。
 
- 競争優位性
- 提案型営業と施工・製造までの一貫対応力、再エネ(太陽光・蓄電池)領域での案件対応、ASEANでの生産・調達の柔軟性。
 
- 課題
- 住宅着工・非住宅投資、民生家電など景気・市況の影響を受けやすい。電子部品の在庫循環、為替、原材料価格変動の影響も受ける。
 
- 市場シェア
- 公表データなし(大手総合商社や専門商社が並立する分野での競争)。
 
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「サステナV(バリュー)」(最終年度:2026年3月期)
- 目標:親会社純利益19億円、ROE≥8.0%、ROIC≥6.0%
- 方針:商社機能に製造・加工・施工を組み合わせた「高付加価値モデル」への深化
 
- 重点分野(会社開示・決算説明要旨)
- 再生可能エネルギー資材・住宅向け蓄電池等の領域拡大
- 樹脂・機能性素材(リサイクル樹脂を含む)の高付加価値提案
- ASEANでの電子アセンブリ拡大(空調関連など)
- M&A活用(のれん計上あり)と組織再編、ROIC重視の運転資本効率化
 
- 還元方針(期間限定)
- 2025・2026年度は連結配当性向80%以上、総還元性向100%(総還元額下限5億円)を掲示
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 低〜中利幅の商社収益に、製造・施工・加工のマージンを積み上げるハイブリッド型。分野分散(建材・産業資材・電子)により景気感応度を平準化。
 
- 需要変動への適応
- 在庫循環(電子)、着工・工期(建材)、原材料・為替(産業資材)などの外部要因の影響は受ける一方、再エネ・リサイクル素材など構造的ニーズの取り込みを進める方針。
 
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 提案・設計力とサプライチェーン最適化(国内外の加工・製造・施工)。ASEAN工場を活用したEMS/アセンブリ。のれん償却(152百万円/1Q)からM&A活用も示唆。
 
- 収益牽引領域(直近期)
- 住宅向け蓄電池が堅調(建材)。樹脂関連の自動車・電子機器向け受注、リサイクル樹脂の新規案件(産業資材)。空調向けアセンブリが増(電子)。一方、デバイス分野は顧客在庫調整の影響。
 
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元指標(株価825円)
- 予想PER:14.84倍(業界平均12.1)
- 実績PBR:1.22倍(業界平均1.0)
- EV/EBITDA:約8.1倍(EV=335億円、EBITDA=41.4億円)
- EV/売上:約0.35倍(EV=335億円、売上=945億円)
- BPS:678.7円 → PBR試算=1.22倍(整合)
- EPS(予想):55.59円 → 予想利益水準を前提としたPERは上記の通り
 
- コメント
- PER・PBRは業界平均比でややプレミアム、EV/売上は低位水準。利益率の低い業態特性を踏まえると、利益創出力の持続(営業利益率・ROEの改善)が評価の焦点。
 
7. テクニカル分析(参考)
- トレンド
- 終値825円は50日移動平均836円を小幅下回り、200日移動平均730円を上回る。中期上昇基調の中で短期はもみ合い。
 
- 位置づけ
- 52週高値899円(約−8%)、安値554.5円(約+49%)のレンジ中位〜やや上。
 
- 需給
- 信用倍率17.58倍と信用買い優位。3カ月平均出来高264千株に対し直近10日平均は137千株でやや細り。
 
- 価格推移(直近10日)
- 798〜834円のレンジで推移後、825円へ戻し基調。短期はレンジ内の値動き。
 
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(百万円):74,054(2022)→79,683(2023)→90,120(2024)→94,503(LTM)
- LTM YoY +4.9%、3年CAGR約+8.5%
 
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約13.8%(13,032/94,503)
- 営業利益率:2.18%(会社指標)
- EBITDAマージン:約4.4%(4,138/94,503)
- 純利益率:1.93%(会社指標)
- 2024期は一過性項目(特別要因5,313百万円)が大きく、正常化利益は1,322百万円程度。LTMの実力値は近似的にこれに沿う水準。
 
- 収益トレンド
- 営業利益は概ね横ばい〜漸増(2022:15.5億→2023:17.7億→2024:17.5億→LTM:21.3億)。2026/1Qは売上減でも営業・経常・純利益は改善(費用配賦見直しや為替差損解消等が寄与)。
 
- 効率性・資本収益
- ROE:実績6.59%/LTM 7.62%(会社指標)
- ROA:2.25%
 
- 財務体質・流動性
- 自己資本比率:39.8%(前期末)→ 36.5%(2026/1Q)
- 流動比率:1.63倍(2026/1Q)
- 総有利子負債:148.6億円/現金等:97.2億円 → ネットデット約51億円
- D/E(会社指標):64.0%
- 金利負担は軽微(LTM利息費用10.3億円→誤り注意:単位は百万円、利息費用=1.03億円、EBIT=25.23億円でカバレッジ良好)
 
- セグメント(2026/1Q)
- 売上(構成比):建材65.2%(−14.0% YoY)、産業資材18.5%(−7.5%)、電子・デバイス16.4%(+0.2%)
- 営業利益:建材397百万円、産業資材249百万円(増益)、電子・デバイス136百万円
 
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/3期会社計画:年間90円(中間45円+期末45円、株式分割考慮後ベース)
- 予想配当性向:80.9%(会社試算)/トレーリング配当性向:94.1%(参考指標)
 
- その他の還元
- 2025/10/1に1→2の株式分割を実施(注記によっては9/29記載あり)。
- 2025/6/2に自己株式73,900株を消却。自己株式保有は約99千株(1Q末)。
 
- 方針
- 中計最終2年間は配当性向80%以上・総還元性向100%の目安(総還元下限5億円)。
 
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落:+34.6%。ベータ0.15と市場連動性は低位。短期は横ばい圏。
 
- 投資家属性
- インサイダー保有26.3%、機関保有7.2%、フロート約2,186万株。主要株主に取引先・従業員持株会。
 
- 影響要因
- 需要動向(建設着工、空調・家電、市況在庫)、為替、原材料、金利・資金調達構成(長期借入金)、M&Aのれん償却など。
 
11. 総評(簡潔)
- 事業は建材・産業資材・電子の分散ポートフォリオで、提案・製造・施工を組み合わせた高付加価値化を推進。LTMで売上は増収、利益率は低位ながら改善傾向。
- 2026/1Qは売上減でも利益は増加。中計はROE≥8%、純利益19億円を目標としており、費用最適化や高付加価値領域(蓄電池、リサイクル樹脂、ASEANアセンブリ)の伸長がカギ。
- 財務は自己資本比率がやや低下(36.5%)も流動性は確保、ネットデットは約51億円。
- バリュエーションはPER・PBRが業界平均比でやや高め、EV/売上は低位。利益率とROEの持続的改善が評価面の焦点。
- 配当は期間限定で高い還元方針(配当性向80%以上・総還元性向100%)を掲げている。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+4.9%、3年CAGR約+8.5%。
 
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約13.8%、営業利益率2.18%、EBITDAマージン約4.4%(一過性を除外した水準で評価)。
 
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率36.5%(40%未満)、流動比率1.63倍、D/E約64%。
 
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER14.84倍・PBR1.22倍は業界平均(PER12.1、PBR1.0)より高め。EV/売上約0.35倍、EV/EBITDA約8.1倍は参考。
 
参考イベント
– 決算発表ウィンドウ:2025年8月6日〜12日(実績)
– 権利落ち予定(会社予想):2026年3月30日  
留意事項
– 2024期は一過性損益の影響が大きく、利益の時系列比較は正規化指標(Normalized)を併記。
– 本資料は提供データの範囲で作成。不明項目は記載を控えています。
企業情報
| 銘柄コード | 8007 | 
| 企業名 | 高島 | 
| URL | http://www.tak.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 | 
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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